佐藤竹善
2005-11-02

【収録曲】
全曲作詞作曲編曲 佐藤竹善
2.作詞作曲 佐藤竹善/YoYo/GooF
3.作詞 Bobby Caldwell
4.作曲 SPANOVA
9.作詞 Leon Russel
12.作詞作曲 Boz Scaggs/David Foster/David Lasley 


1.JUMP ★★★★☆
2.GOOD MORNIN’ GOOD ROLLIN’ ★★★☆☆
3.DEVIL IN DISGUISE ★★★★☆
4.BLUE ★★★★☆
5.今日も君に恋をした ★★★★★
6.ZERO ★★★☆☆
7.TIME OFF ★★★☆☆
8.春になれ ★★★★☆
9.BE INSIDE MY LIFE ★★★★☆
10.風光る ★★★★★
11.CHOICE ★★★★★
↓初回盤のみ収録
12.JOJO (Bonus Track) ★★★★★

2005年11月2日発売
ユニバーサルミュージック
最高位20位 売上1.1万枚

佐藤竹善の2ndアルバム。先行シングル「風光る」「GOOD MORNIN',GOOD ROLLIN」「今日も君に恋をした」を収録。前作「FACT OF LIFE」以来約6年振りのリリースとなった。初回盤はボーナストラック「JOJO」を収録。

今作は多くのミュージシャンとの共演がされたアルバムとなった。先行シングルの「GOOD MORNIN',GOOD ROLLIN」はスウィングラップグループのSOFFet、ジャズのビッグバンドのNo Name Horsesとの共演がされた。「BLUE」では兄弟の音楽ユニット、SPANOVAが作曲を担当した。「DEVIL IN DISGUISE」ではボビー・コールドウェルが、「BE INSIDE MY LIFE」ではレオン・ラッセルが作詞を担当した。二人とも佐藤竹善の音楽の原点とも言えるAORの大御所である。

ジャケ写からも分かるが、タイトルは野菜のオクラそのままである。アフリカ原産(インド原産説もある)のオクラ。英語名の「Okra」が日本でもそのまま親しまれていることにちなんで付けられたという。佐藤竹善は「オクラが世界中に広まっていく様子が音楽や楽器の伝わり方と似ていて非常に面白いと思った」と語っている。ボーダレスな音楽を展開してきた佐藤竹善に合ったタイトルと言える。余談だが佐藤はオクラが好きらしい。ブログのタイトルも「OKRAの軍艦巻き」という徹底振り。


「JUMP」は今作のオープニング曲。疾走感溢れるロックナンバーになっている。爽やかな雰囲気があるが、サウンドはかなり重厚。「RENASCENCE」の頃のSLTの作風とも似ているように感じられる。明るいメッセージが込められた歌詞が展開されている。「届かないものは 近づけばいいさ 力じゃない強さで」というフレーズが印象的。オープニングにふさわしい曲である。


「GOOD MORNIN’ GOOD ROLLIN’」は先行シングル曲。前述の通りスウィングラップグループのSOFFet(ソッフェ)、小曽根真率いるジャズのビッグバンドNo Name Horsesとのコラボがされた曲。佐藤竹善+ラップ+ジャズという何とも不思議な組み合わせではあるが意外と合っている。ラップの方のボーカルがかなり目立っている。聴く前は裏でラップをやっているのだと思っていたが、実質佐藤竹善とのツインボーカルだった。そのようなボーカルのバックを固めるのはお洒落なジャズのサウンド。歌詞はタイトル通り朝について描かれたもの。朝に聴くと一日頑張れるような爽やかさがある。


「DEVIL IN DISGUISE」は先行シングル「今日も君に恋をした」のC/W曲。AORの大御所、ボビー・コールドウェルが作詞を担当した曲。当然全編英語詞である。この曲はスティービー・ワンダーの作風に影響を受けて作ったという。「"曲を聴いて、いいなと思ったら詞を書いてください。通常の印税以上のものは出せませんけど"」とオファーしたところ、ボビー・コールドウェルが引き受けてくれたようだ。歌詞は1ヶ月ほどで来たらしい。ポップな曲調だが歌詞は対訳を見る限りだと彼女との別れを描いたものになっている。タイトルはその対訳によると「悪魔の化身」という意味になるようだ。彼女のことをそう例えている。恐ろしい彼女である。


「BLUE」は兄弟の音楽ユニットSPANOVAが作曲を担当した曲。浮遊感を感じさせる独特な曲になっている。夜を描いた都会的なイメージの歌詞が展開されている。サビは全てファルセットで歌われている。「見えた夜明けはまだ 消えた闇もまだ ふたり 寄り添うまでには 掴みきれないまま」というサビの歌詞が印象的。ラストは英語詞になっている。佐藤竹善の英語の上手さに驚かされる。


「今日も君に恋をした」は先行シングル曲。佐藤竹善によるピアノの弾き語りがメインになったバラード。SLT、佐藤竹善ソロ共にこの曲程ストレートに愛を歌った内容の曲はあまりないと思われる。サビでは「愛しているって 愛しているって そう… 上手く言えないけど」と歌い上げている。ピアノの音色がとても美しく、心地良い曲。ラストの「そして 新しい今日も ぼくは恋した」という歌詞が好き。聴く度に良いと思えるような曲である。


「ZERO」は今作発売前からライブで披露されていたという曲。その時のアレンジや曲とは変更されているようだ。アコースティックなサウンドが特徴的な曲になっている。作風はソロの1stアルバムを彷彿とさせる。歌詞はメッセージ性を感じさせるもの。「日が昇り すべてのゼロから続いていく」というサビの歌詞が好き。優しい雰囲気のある曲だが力強さを感じさせる曲である。


「TIME OFF」は先行シングル「.GOOD MORNIN’ GOOD ROLLIN’」のC/W曲。コーラスにはReggae Disco Rockersの有坂美香が参加している。コーラスだが割と目立っている。跳ねているようなポップな曲調が展開されている。間奏のフリューゲルホルンのソロが印象的。「大事な時になんでか雨が降り始める空 大事な夢は何度か雨が降ったあとのカケラ」という歌詞が好き。ポジティブな雰囲気に満ちた曲である。


「春になれ」は先行シングル「風光る」のC/W曲。NTTドコモ関西の「FOMA」のラジオCMのCMソングに起用された。優しい雰囲気溢れるミディアムナンバーになっている。春への想いと恋人への想いが語られた歌詞が展開されている。サビの英語詞とメロディーの親和性が高く、聴いていてとても心地良い。「語られるユメが もし誰かを拒むのなら みんな頷いても 愛と呼ぶのかな」というフレーズが印象的。


「BE INSIDE MY LIFE」はAORの大御所、レオン・ラッセルが作詞を担当した曲。レオン・ラッセルとの接点は無かったが、アメリカでレコーディングした時のコーディネーターの人が彼のツアーも担当していたらしく、その伝で作詞を依頼することになったという。「"曲を聴いて気に入ってくれたら書いてください。通常の印税配分ですけどいいですか?"」というメッセージと共に曲を送ったところ、2週間くらいで歌詞が来たという。「"君の楽曲は、僕の音楽人生の中でまたひとつのシーンをもたらしてくれた。ありがとう"」というレオン・ラッセルからのメッセージも付いていたらしい。曲は2分半程度と短め。ピアノやキーボードが使われているが、全て佐藤竹善自らの演奏。歌詞は対訳を見る限りだと、とてもストレートな愛の告白を描いたものになっている。タイトルは「僕と人生を共にしてほしい」というような意味があるようだ。


「風光る」は先行シングル曲。日本テレビ系の「A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005」のイメージソングに起用された。シングルのジャケ写やこの曲のPVには元ラーメンズの片桐仁が出演している。イントロの静謐なキーボードの音色から引き込まれる。疾走感のあるロックテイストの曲になっている。バックで終始聴こえるギターのカッティングが非常に格好良い。「鼓動より激しく 鳴り響く音を 重ね みつめ合い 祈るんだ」というサビの歌詞が印象的。


「CHOICE」は今作のラストを飾る曲。ピアノやギターの音が前面に出たミディアムナンバー。力強さと浮遊感を感じさせる独特なサウンド。この曲もメッセージ性を感じさせる歌詞が展開されている。「探し当てるのは 流れを変えず 流れていく河」というサビの歌詞が印象的。少々アルバムの中で浮いたイメージのある曲だが、それは佐藤竹善の思惑通りである。「アルバムの中で唯一、聴いた人が聴いた人なりの解釈で何百種類にも分かれるような世界観にしたかった」と語っている。


「JOJO」は初回盤のみ収録のボーナストラック。日本テレビ系ドラマ『東京ワンダーツアーズ』のオープニングテーマに起用された。AORの大御所、ボズ・スキャッグスの名曲のカバー。イントロのギターのカッティングから引き込まれる。ギターは浅野祥之が演奏している。ピアノとギターの絡みがたまらない。ホーンセクションもこの曲を彩っている。佐藤竹善のボーカルも言わずもがな素晴らしい。原曲とも引けを取らないカバーだと思う。ボーナストラックにするだけの価値がある素晴らしいカバー。


中古屋ではたまに見かける。バラエティに富んだ楽曲を楽しめる。様々なミュージシャンとのコラボがされた作品のためか、今までの作品とはまた違った味わいがある。どれも良いコラボになったと思う。アルバムを通して聴くと少しとっ散らかった印象があるが、今作はそれが狙いなのだろう。SING LIKE TALKINGとは違う、佐藤竹善ソロの音楽を楽しんでいただきたい。

★★★★☆