岡村靖幸
2004-09-01

【収録曲】
全曲作詞作曲編曲 岡村靖幸
プロデュース        岡村靖幸

1.5!! モンキー ★★★☆☆
2.モン-シロ ★★★★☆
3.ア・チ・チ・チ ★★★★★ 
4.ファミリーチャイム ★★★★☆
5.ミラクルジャンプ ★★★★☆
6.未完成 ★★★☆☆
7.軽蔑のイメージ ★★★☆☆
8.マシュマロハネムーン~セックス ★★★★★

2004年9月1日発売
ユニバーサルシグマ 
Def Jam Japan
最高位14位 売上1.9万枚

岡村靖幸の6thアルバム。先行シングル「モン・シロ」「ミラクルジャンプ」を収録。前作「禁じられた生きがい」からは実に9年近くのブランクを経てのリリースとなった。初回盤は「ミラクルジャンプ」のビデオクリップを収録したDVD付属。

1995年に「禁じられた生きがい」をリリースしてから、シングルでの新譜のリリースはある程度あったが、アルバムは無かった。2001年にベスト盤「OH!ベスト」をリリースしたが、それ以降のリリースは無かった。

急に寡作になってしまった理由は、歌詞が書けなくなってしまったからとされている。書く題材が無くなってしまったのだろう。「曲はできるが歌詞は書けない」という旨の発言もしている。

今作リリースから3年後の2007年には今作の拡大作「Me-imi ~Premium Edition~」がリリースされた。そちらは2枚組仕様になっている。今作の初回盤に付属しているDVDは付属していない。

今作のタイトルは「自分の意味」という意味がある。当然岡村靖幸の造語である。読み方についてはファンの間でも意見が分かれるが、「ミイミ」という説が有力である。


「5!! モンキー」は今作のオープニング曲。開幕からいきなり複雑な曲。メロディーやリズムの複雑さはもちろん、歌詞は極めて散文的で意味不明。裏で聴こえるサウンドは相当に凝っていることがよく分かる。テンションの高い曲調によく分からない言葉が連ねられる。特に後半になると転調がされたり、アドリブの英語が展開されたりと複雑さを増す。「自分ばっかの教室に友達いっぱいにしようぜ」という歌詞が印象的。


「モン・シロ」は先行シングル曲。前の曲からは繋がって始まる。曲調は岡村靖幸らしいディスコファンク。うねうねしたベースラインがたまらない。一曲単位で聴くとそこまでキャッチーには感じられないが今作で聴くとかなりキャッチーな曲に感じられる。何事も無かったかのようにサラっと歌われているので歌詞カードを見ないと気付きにくいが、歌詞はかなり変態である。サビが「モンシロみたく直接 花のひだに密接したいな」という歌詞。モロに アレのことを歌っているのがよく分かる。


「ア・チ・チ・チ」は先行シングル「ミラクルジャンプ」のC/W曲。ライブでもよく演奏される人気曲。「ぶーしゃかLOOP」のフレーズの一節「それ、1、2、6って フリーランスのノンペンペン草」の元ネタ。意味不明な歌詞ではあるが声に出して歌ってみるととても語感が良くて気持ちが良くなる。岡村靖幸ならではの詞である。歌い出しの「新しい朝です。手を広げて、深呼吸とそのあたりの準備」というフレーズが好き。サウンド面はクールなダンスミュージックと言った感じになっているのだが、終始機械音が入っている。無機質な響きが割と格好良い。


「ファミリーチャイム」はここまでの流れを落ち着けるようなバラード。とっ散らかった曲ばかりだったが、この曲は今までの岡村靖幸のバラードを思わせる切なさや優しさがある。歌詞は結婚して子供ができるまでを描いたもの。岡村靖幸の幸せな生活への思いがうかがい知れるような曲。「ドッチボールの様に 君と私生活ぶつけあっても 真っ白な教科書に 年号刻み付け合おう そう 正しく何か 育み愛したい」という歌詞が印象的。


「ミラクルジャンプ」は先行シングル曲。フジテレビ系音楽番組『HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP』のエンディングテーマに起用された。岡村靖幸と言えば、青春時代を描いた楽曲が多い。この曲はバスケを歌詞の中に取り込んでいる。アコギを掻き鳴らした爽やかなイントロは青春そのもの。後半ではドラムが前面に出た力強いサウンドになる。「いわばシャイでひきこもりの日々を返上したい」という歌詞が印象的。これは今作リリース前の岡村靖幸自身について語ったものなのかもしれない。


「未完成」は先行シングル「モンシロ」のC/W曲。ピアノの弾き語りによるシンプルな曲。今作では浮いて感じられる程サウンドがシンプルな印象がある。歌詞は失恋を描いたもの。「誰としても妙な後悔が 僕の胸をどうしても責める べらぼうに冗談ばっかの日々が失ってわかったどうかしてたんだ」という歌詞が印象的。深い悲しみの中で作られたような雰囲気がある。「未完成」というタイトルも意味深である。


「軽蔑のイメージ」はとっ散らかった雰囲気のある曲。様々な音が喧嘩しているようなハードで複雑なサウンドが展開されている。これまた歌詞が意味不明。よく意味は分からないのだが、鬱屈した感じが漂っているのは何となく分かる。「しょっちゅう 場外級のファール打ってます」というサビの歌詞の一節。上手くいっていない日々の苦しみが伝わってくるような絶妙な言葉だと思う。


「マシュマロハネムーン~セックス」は今作のラストを飾る曲。1999年と2001年にリリースされたそれぞれのシングル曲をリミックスして一曲にまとめた不思議な曲。「セックス」は1999年に、「マシュマロハネムーン」は2001年にリリースされた。イントロから暑苦しく濃厚な雰囲気溢れるファンクが展開されている。繋ぎ目が分かりにくいがしっかりとメドレー形式になっている。聴いていると勝手に体が動く感覚がある。どちらも原曲と同じくらいかそれ以上に良いアレンジがされている。何故ラストに配置したかは謎だがかなり格好良い曲に仕上がっている。


中古屋ではあまり見かけない。全8曲で再生時間39分程度ととてもコンパクトな作品になっている。楽曲は複雑さを増した印象があるが、それでも青春、エロ、切ないバラードと岡村靖幸の王道は外していない。ライトリスナーには触れにくい内容かもしれないが勇気を出して聞いてみると意外とハマれると思う。とっ散らかった曲が多いが「禁じられた生きがい」程ではない。

★★★★☆