JUDY AND MARY
1994-12-01

【収録曲】
全曲作詞 YUKI
4.8.Tack and yukky
全曲作曲 恩田快人
4.5.7.8.作曲 TAKUYA
全曲編曲 JUDY AND MARY
プロデュース JUDY AND MARY 佐久間正英

1.POPSTAR ★★★★☆
2.どうしよう ★★★★☆
3.Hello! Orange Sunshine ★★★★☆
4.RADIO ★★★★☆
5.Cheese "PIZZA" ★★★★☆
6.小さな頃から ★★★★★
7.HYPER 90'S CHOCOLATE BOYFRIEND ★★★☆☆
8.キケンな2人 (Let's Go! "DAIBUTSU" MIX) ★★★☆☆
9.クリスマス ★★★★★
10.自転車 ★★★★★
11.ダイナマイト★★★☆☆

1994年12月1日発売
Epic/Sony Records
最高位5位 売上68.1万枚

JUDY AND MARYの2ndアルバム。先行シングル「Hello! Orange Sunshine/RADIO」「Cheese "PIZZA"/クリスマス」を収録。今作発売後に「小さな頃から/自転車」がシングルカットされた。前作からは約11ヶ月振りのリリースとなった。

前作「J.A.M」はロリータパンクが中心に展開されたアルバムだったが、今作ではポップな楽曲がメインになった。今作はJAM独自の楽曲の基になった作品と言える。前作では全曲を恩田快人が作曲していたが、今作ではTAKUYAが初めて作曲で参加した。

シングルの売上が少しずつ伸びていったことが原因か、今作は初のオリコントップ10を獲得。JAMにとっての出世作と言える。


「POPSTAR」は今作のオープニング曲。オープニングに相応しい、勢い溢れる曲。激しいバンドサウンドとポップなメロディーのバランスが丁度良い。ストレートなポップロックナンバー。静かな感じで始まるが、突然歪んだギターが入ってくるイントロ。「真っ赤なミラーボールは あたしの 色あせたドレスをてらす」というサビの歌詞が印象的。サビのメロディーともぴったり合っているので聴いていてとても心地良い。あっという間に始まって、あっという間に終わってしまう感じがまさに星のようである。


「どうしよう」は前作の流れを継いだようなパンクナンバー。「どうしよう NAGOYA SPECIAL (Live Version)」と銘打ったライブバージョンがシングル「ラブリーベイベー」のC/W曲として収録された。そのライブ音源はそのシングルでしか聴けない。勢いのあるギターにベースが非常に格好良い。いかにもライブ映えしそうな曲だと思う。歌詞は少々エロい感じ。「あなたとOMOCHAになりたい」というサビの歌詞が印象的。当時 聴きながらニヤついていた方が多かったのではないだろうか?今作リリースから20年以上経った今、当時のリスナーと同じことをしているのが管理人である。


「Hello! Orange Sunshine」は先行シングル曲。NHK BSの火曜日イメージソングに起用された。実質的なタイトル曲。シングル曲だけあってかなりキャッチーな曲。今までのパンク路線と後のポップな路線が混ざっており、JAMの音楽性の過渡期の代表曲。タイトル通り、オレンジを描いた可愛らしい歌詞が展開されている。初期ならではの勢いやノリを感じさせる。音楽性の過渡期なので仕方がないのだが、ロックな方にしたいのか、ポップな方にしたいのか少々中途半端な印象がある。


「RADIO」は先行シングル曲。「Hello! Orange Sunshine」とは両A面シングルだった。作曲はTAKUYAが担当し、作詞はYUKIとTAKUYAの共作である。可愛らしくて、どこか懐かしい雰囲気がある。タイトル通りラジオを描いた歌詞である。「RADIOのボリュームを ちょっと あげて」の部分のメロディーが印象的。イントロやサビで聴こえる、男性陣の少々危なかっしい感じのコーラスが異様に耳に残る。恩田快人が作る曲とは明らかに違って聴こえる。TAKUYAのセンスはこの頃から光っていたと言える。


「Cheese "PIZZA"」は先行シングル曲。「クリスマス」とは両A面シングルだった。作曲はTAKUYAが担当した。ポップなラブソングになっている。爽やかなメロディーが展開されている。"恋を知らない2人"を「とろけるCheeseみたい」と表現している。サビの「2人でいよう はなれてしまわぬように ぬけるような青空で チーズピザたべよう」という歌詞が印象的。とても可愛らしいフレーズである。一緒にたべたいものだ。初めて聴いた時からの疑問なのだが、何故チーズピザというチョイスなのだろうか?


「小さな頃から」は今作発売後にシングルカットされた曲。「自転車」とは両A面シングルだった。フジテレビ系の深夜番組『Rooms』のエンディングテーマに起用されたほか、2006年公開の映画『シムソンズ』の挿入歌に起用された。キラキラしているが、懐かしさに溢れたメロディーやサウンドが展開されている。小さな頃から自分を支えてくれる"小さなじゅもん"について描かれている。しかし、その"じゅもん"が何かはYUKI曰く「ナイショ」らしい。「かわいた風に ゆきづまっても こわくはないわ 1人じゃない」というフレーズが印象的。その後のギターソロは感動モノである。子供の頃にしか感じられなかった、言葉にしづらい不思議な感覚が蘇ってくるようである。初期のJAMを代表する名曲だろう。子供の頃を振り返った内容の曲は次作収録の「ドキドキ」がある。そちらも素晴らしい名曲。


「HYPER 90'S CHOCOLATE BOYFRIEND」は重厚なバンドサウンドが展開された曲。作曲はTAKUYAが担当した。装飾音が多く用いられているためか、少し年代を感じさせる。特に打ち込みのドラム。当時としてはこれが最新鋭のサウンドだったのだろうか?タイトルに"90'S"とあるのも時代を感じさせる。歌詞は可愛らしくてエロい、JAMにしか作れない世界観が繰り広げられている。まさにチョコレートのような甘い雰囲気がある。「恋はどこまでも 甘く 2人は CHOCOLATE 気分の中 昼も夜も 夢にみるほど 大好きなの」というフレーズが印象的。これまた聴く度にニヤつくリスナーが続出したのだろう。 甘いを通り越して甘ったるさやあざとさを覚えるくらいだが、それくらいが丁度良いと思えてしまうのはJAMならでは。


「キケンな2人 (Let's Go! "DAIBUTSU" MIX)」は前作収録のシングル「DAY DREAM」のC/W曲。アルバムバージョンでの収録。シングルバージョンはアルバム未収録である。JAMの歴史を通じて、初めてTAKUYAが作曲したのがこの曲。シングルバージョンはまだ聴いたことが無いので違いについては何とも言えない。歌詞は少し難解。後半の「彼女の彼氏は」「彼女は彼氏に」で始まる部分が印象的。少々怖さを感じる。初期としては珍しく実験性の強いサウンドが展開されている。タイトルはもう少しどうにかならなかったのだろうか?


「クリスマス」は先行シングル曲。「Cheese "PIZZA"」とは両A面シングルだった。東海銀行のクリスマスキャンペーンソングに起用された。ストレートなバンドサウンドが展開されている。JAMにとっては唯一のクリスマスソング。爽やかな曲調だが歌詞はどこか切ない。一応は二人で過ごすクリスマスが描かれている。ラストの「目が覚めるまで そばにいて…」というフレーズが印象的。そこが意味深なのである。聴くといつもその後のストーリーを勝手に思い浮かべてしまう。目が覚めたら恋人がいなくなっているというストーリーを想像している。クリスマスの時期に感傷に浸りたい方は聴くことをおすすめする。


「自転車」は今作発売後にシングルカットされた曲。「小さな頃から」とは両A面シングルだった。明治製菓の「ポイフル」のCMソングに起用された。爽快感溢れるポップロックナンバー。夏の青空が思い浮かんでくるような曲。どこまでも爽やかな雰囲気がある。終始鳴り響くジャカジャカしたようなエレキギターの音が高揚感を誘う。「自転車こいで 海を見に行く」「あなたと2人 太陽をめがけて」といったフレーズが印象的。ここまで弾けた感じの曲は聴いていて非常に気持ちが良い。青春時代、訳もなく自転車で遠出したという経験がある方がいらっしゃるかもしれない。その記憶が蘇ってくること間違い無し。この曲を後半に据えるという采配には驚いた。普通ならオープニングか前半だろう。


「ダイナマイト」は今作のラストを飾る曲。2分10秒程度の非常に短いパンクナンバー。勢いのままに聴かせてしまう。「あたしのダイナマイト うずうずしてる 素敵なダイナマイト 無敵のダイナマイト」というサビのフレーズが印象的。勢いがあり過ぎて余韻という言葉は存在しない。


ヒット作なので中古屋ではよく見かける。聴いていてとても爽快なポップロックアルバム。後半の曲もあっという間に聴かせてしまうような曲が並んでいるので、何度も聴きたくなるような中毒性がある。余韻が無いのも魅力である。大ブレイク前夜のワクワクするような雰囲気が全編通して伝わってくる。メンバーの自信作だったというのも頷ける。初期の名盤と言っても良いだろう。

★★★★★