サザンオールスターズ
1998-06-25

【収録曲】
DISC1
全曲作詞作曲 桑田佳祐
全曲編曲       サザンオールスターズ
5.弦編曲 八木正生
10.弦編曲 新田一郎

1.朝方ムーンライト ★★★☆☆
2.ラチエン通りのシスター ★★★★☆
3.私はピアノ ★★★★☆
4.Just a Little Bit ★★★★★
5.シャ・ラ・ラ ★★★★☆
6.涙のアベニュー ★★★☆☆
7.松田の子守唄 ★★★★★
8.夏をあきらめて ★★★★☆
9.別れ話は最後に ★★★☆☆
10.いとしのエリー ★★★★★

DISC2
全曲作詞作曲 桑田佳祐
2.作詞作曲     関口和之
全曲編曲       サザンオールスターズ

1.恋の女のストーリー ★★★★☆
2.ひょうたんからこま ★★★☆☆
3.恋はお熱く ★★★☆☆
4.わすれじのレイド・バック ★★★☆☆
5.Oh!クラウディア ★★★★★
6.働けロック・バンド(Workin' for T.V.) ★★★★☆
7.YA YA(あの時代を忘れない) ★★★★★
8.流れる雲を追いかけて ★★★★☆
9.思い出のスターダスト ★★★★☆
10.素顔で踊らせて ★★★★★

プロデュース サザンオールスターズ
1982年12月5日発売(CT)
1985年4月21日発売(CD化)
1998年6月25日再発(CD)
ビクター・Invitation(オリジナル盤)
ビクター・タイシタ(再発盤)
最高位1位 売上54.6万枚(オリジナル盤)
最高位29位 売上2.7万枚(1985年盤)
最高位44位 売上6.1万枚(1998年盤)

サザンオールスターズの1stバラードベストアルバム。オリジナル盤は他のベスト盤と同じくカセットテープでのリリースだったが、ヒットしたため他を差し置いてCD化されることとなった。カセットテープのみのリリースだったため、他の作品とは違ってLPでリリースされなかった。

実は今作、サザンオールスターズにとっては現存する最古のベスト盤。今作以前にも何作かカセットテープでリリースされたベスト盤があるのだが、それらは全て廃盤となった。今作は人気があったため、他のベスト盤とは異なりCD化され、今も残っている。そして、「バラッド」シリーズが定着した。

サザンオールスターズがデビューしたのは1978年。しかし、今作のタイトルは「バラッド'77~'82」である。この理由は桑田佳祐がデビュー前に作った曲が収録されているからとされているが、公式からの釈明は現時点で無い。

楽曲の感想は「すいか」や「HAPPY!」を除くと今作でしか聴けない曲のみにさせていただく。


「シャ・ラ・ラ」は1980年にリリースされた11thシングル曲。「ごめんねチャーリー」とは両A面シングルだった。サザンにとっては初の両A面シングルである。歌詞の中に「クリスマス」のフレーズが出てくるため、サザン初のクリスマスソングと言われることもあるが、そこまでクリスマスの要素は感じられない。AORテイストの渋い雰囲気漂う曲。ストリングスが使われているのが特徴的。元々原由子がストリングス編曲を行なったようだが、ボツになってしまい、八木正生が行うこととなった。この曲最大の特徴はシングルA面曲としては唯一の 桑田佳祐・原由子によるデュエット曲であるということ。そこまで目立つ所のない曲ではあるが、意外とハマれる。


「ひょうたんからこま」は1980年にリリースされた9thシングル「ジャズマン(JAZZ MAN)」のC/W曲。ベースの関口和之が作詞作曲を担当し、メインボーカルも担当した。関口和之がメインボーカルを務めるのはこの曲が初。関口和之のボーカルは中々に渋みがある。歌謡曲や演歌を彷彿とさせる曲調。サビの話し言葉の歌詞が印象的。ちなみに今作の収録曲のタイトルは手書きで書かれているのだが、この曲の「ん」の文字だけ書き足したようになっている。どのような経緯があったかは分からないが謎である。


「わすれじのレイド・バック」は1980年にリリースされた10thシングル曲。後にニッポン放送『テリーとうえちゃんのってけラジオ』エンディングテーマに起用された。レコーディング期間中に原由子が体調不良で抜けたため、クレジットは「Mind…」と表記されている。精神的な支柱と言ったところだろうか。バンジョーの音色が印象的なカントリーテイストの曲になっている。男女の行為を描いた少々際どい歌詞が展開されている。これをシングルにするのはかなり無理があったと思う。5ヶ月連続シングルリリース企画だったので仕方がないが。


「YA YA(あの時代を忘れない)」は1982年にリリースされた16thシングル曲。後にジャズテイストのインストがマツダの「MPV」のCMソングに起用された。サブタイトルの「時代」は「とき」と読む。タイトルの「YA」は英語で「あなた」や「君」を意味し、親子や親友同士、恋人同士と言った親しい間柄で使われるようだ。大学生時代を振り返ったような懐古系のバラードナンバー。「Better Days」というフレーズが登場するが、これは桑田佳祐や原由子等が所属していた青学時代の音楽サークルの名前。間奏のギターソロが切ない感情を煽る。メロディーも非常に美しい。埋もれていたのが勿体無く感じられる程の名曲。


ヒット作なので中古屋ではそこそこ見かける。「すいか」や「HAPPY!」以外では今作でしか聴けない曲もあり、現在でも価値を失っていない。全体的に地味な曲が多いため、派手な曲やポップな曲が好きな方にはキツい作品だと思う。現行盤は1998年盤。多少の音圧の調整はされているが、リマスターはされていないようだ。そのためか、同年リリースの「海のYeah!!」と聴き比べると音がスカスカしているように思う。この頃のサザンをリアルタイムで聴いていた方ならハマれると思うが、管理人のような後追いリスナーの場合は他の作品と比べても幾分か地味な作品だと感じられるだろう。

★★★★☆