【収録曲】
DISC1
全曲作詞作曲編曲 宇多田ヒカル
1.編曲 宇多田ヒカル&富田謙
6.編曲 宇多田ヒカル&富田謙・Alexis Smith
7.編曲 富田謙、宇多田ヒカル

1.Prisoner Of Love ★★★★★
2.Stay Gold ★★★★☆
3.HEART STATION ★★★★★ 
4.Kiss&Cry ★★★★☆
5.Beautiful World ★★★★★
6.Flavor Of Life-Ballad Version- ★★★★★
7.ぼくはくま ★★★★☆
8.This Is Love ★★★★★ 
9.Keep Tryin' ★★★★★
10.Passion ★★★★★
11.Be My Last ★★★★★ 
12.誰かの願いが叶うころ ★★★★☆
13.Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix- ★★★★★

DISC2
全曲作詞作曲編曲 宇多田ヒカル
2.編曲 宇多田ヒカル、Matt Rohde
4.作詞 エディット・ピアフ(原曲の作詞) 宇多田ヒカル(オリジナルの日本語詞)
4.作曲 マルグリット・モロー
4.編曲 菊地成孔、宇多田ヒカル

1.嵐の女神 ★★★★☆
2.Show Me Love(Not A Dream) ★★★★★
3.Goodbye Happiness ★★★★★
4.Hymne à l'amour 〜愛のアンセム〜 ★★★★☆
5.Can't Wait 'Til Christmas ★★★★★

プロデュース 宇多田ヒカル、三宅彰、宇多田Sking照實
2010年11月24日発売
EMIミュージックジャパン/イーストワールド
最高位1位 売上44.3万枚

宇多田ヒカルの2ndベスト。「人間活動」に伴う活動休止宣言と共にリリースの発表がされた。初回盤は三つ折り紙スリーブ仕様でくまお守り付属。今となっては意味が無いが、横浜アリーナの2daysコンサート招待応募抽選案内も封入されている。

今作は宇多田ヒカルにとって初の2枚組での作品。DISC2は未発表曲が収録されている。前作のシングルコレクションはリリース順で収録されていたが、今作は新しいものから古いものへと辿っていく形での収録。配信のみのシングル曲も収録されている。リアレンジバージョンである「Eternally -Drama Mix-」は配信限定シングルだが収録されなかった。

今作と同日に、洋楽展開してからの楽曲を集めた「Utada The Best」というベスト盤がリリースされたが、そちらは本人非公認作品である。宇多田ヒカル本人はツイッターで「完全に自分の意志に反している」と語っている。当然ではあるが今作は公認作品である。

宇宙のようなジャケ写が印象的だが、これは宇多田ヒカルの「宇」にちなんだものなのだという。

楽曲の感想は今作が初収録となる曲のみにさせていただく。


「Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-」は「Beautiful World」のリミックスバージョン。このバージョンが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のテーマソングに起用された。このバージョンは 映画の公開初日と同日に配信が開始された。元のバージョンよりもアコースティックなサウンドになっている。打ち込みサウンドからバンドサウンドがメインになった。元のバージョンにあった疾走感はあまり感じられないが、力強さはこちらの方があるように思う。


「嵐の女神」は母親への想いが綴られた曲。森永製菓の「1チョコ for 1スマイル」のキャンペーンソングに起用された。森永のチョコレートの売り上げの一部を使ってカカオの生産国の子供達を支援するプロジェクトだった。それと関連して、この曲が1つダウンロードされるごとに1円寄付するという試みもあった。ピアノが主体になったシンプルなバラード。タイトルは母親である藤圭子のことなのだろう。「お母さんに会いたい 分かり合えるのは 生きていればこそ 今なら言えるよ 本当のありがとう」という歌詞が印象的。優しい雰囲気に包まれた曲である。母親のことを想いながら聴きたい。


「Show Me Love(Not A Dream)」は今作に先行して配信されたシングル曲。映画『あしたのジョー』の主題歌として起用された。曲は元々2008年頃に出来上がっていたが、作詞に苦戦して放置していたという。今作リリースにあたってこの曲の制作を本格的に再開し、歌詞を書き上げた。ロック色の強い曲。激しいギターサウンドを味わえる。心の中を抉り出すような歌詞が展開されている。「私は弱い だけどそれは別に 恥ずかしいことじゃない 実際 誰しも深い闇を抱えてりゃいい」という歌詞が印象的。 宇多田ヒカルの楽曲でここまでの爆発力を感じさせる曲は無かっただろう。


「Goodbye Happiness」は先行配信された今作のリード曲。今作を予約するとこの曲のMVが収録されたDVDが特典として貰えた。MVの監督は宇多田ヒカル自らが務めた。この曲は元々、クリスマスソングを意識して作ったが、結局全く違ったものになったという。「1990年代風の王道のダンスソングを目指した」という。その目論見通りの軽快なポップスである。軽快な曲調に反して歌詞は暗い雰囲気がある。タイトルの時点で中々暗い印象があるが…「何も知らずにはしゃいでた あの頃へ戻りたいね」という歌詞が印象的。


「Hymne à l'amour 〜愛のアンセム〜」は先行配信されたシングル曲。著名なシャンソンナンバー「愛の賛歌」のカバー。サントリーの「ペプシネックス」のCMソングに起用された。訳詞は宇多田ヒカル自らが作詞した。ボーカルもシャンソンのような感じの歌い方になっている。恋人への愛を誓う内容の歌詞。「生まれ変わっても あなたを愛したい あなたにかえりたい」という歌詞が印象的。カバーしたきっかけは分からないが、宇多田ヒカルとシャンソンは不思議と親和性が高く、違和感無く聴ける。


「Can't Wait 'Til Christmas」はタイトル通りのクリスマスソング。「ペプシネックス」の「宇多田ヒカルクリスマス編」のCMソングに起用された。「新曲のうちで一番自分で恥ずかしい感じの曲」と語っている。ピアノが主体となったバラード。歌詞は可愛らしい印象のもの。「クリスマスまで待たさないで いたずらに時が過ぎてゆく なんでもない日も側にいたいの」という歌詞が印象的。クリスマスの時期特有のそわそわとした雰囲気がよく現れた曲である。その雰囲気に呑まれるのは幸せなことなのだろう。


ヒット作なので中古屋ではよく見かける。2004年以降のシングル曲はほぼ全て補完できる。セールス的な全盛期を過ぎてからのシングル曲なので少し地味な印象の曲があるのは否めない。しかし、歌詞のメッセージ性や楽曲の世界観は前シングルコレクションの収録曲を上回っていると思う。宇多田ヒカル自ら編曲を手がける曲が増えたことも大きな変化である。宇多田ヒカルの入門用ベストとして前シングルコレクションと共に持っておくべき。2作を聴けば宇多田ヒカルの楽曲は大体把握したようなものである。

★★★★★