【収録曲】
全曲作詞作曲 桑田佳祐
1.4.編曲 桑田佳祐
2.3.編曲 桑田佳祐&片山敦夫
2.弦編曲 片山敦夫
プロデュース 桑田佳祐

1.君への手紙 ★★★★★
2.悪戯されて ★★★★☆
3.あなたの夢を見ています ★★★★★
4.メンチカツ・ブルース ★★★★☆

2016年11月23日発売
ビクター・タイシタレーベル
最高位 売上 

桑田佳祐の17thシングル。前シングル「ヨシ子さん」からは約5ヶ月振りのリリースとなった。初回盤は「"君への手紙"パッケージ」と名付けられ、桑田佳祐直筆によるファンへの手紙や歌詞が掲載された便箋、切手のようなステッカーが付属している。"年越しライブお楽しみ特典!"として"桑田佳祐 年越しライブ2016「ヨシ子さんへの手紙 ~悪戯な年の瀬~」"のライブビューイング参加応募券も封入されている。


「君への手紙」は表題曲。内村光良が監督を務めた映画『金メダル男』の主題歌として書き下ろされた曲。桑田佳祐本人出演のWOWOW開局25周年CMソングに起用された。壮大ではあるが爽やかさも感じさせるロッカバラード。焦燥感を煽るようなアコギのストロークから始まるイントロ。そこから打ち込みのサウンドが流れ込んでくる。 アコギの力強い音色と浮遊感のある打ち込みサウンドの絡みは意外にも合っている。歌詞は夢を追う者を応援し、挫折を経験した者に寄り添うようなものになっている。それを暖かみのあるメロディーに乗せて歌っている。「波音に消えた恋 悔やむことも人生さ 立ち止まることもいい 振り向けば道がある」という歌詞が印象的。挫折を味わった者にしか分からない境地があるのだろう。聴いた誰もが自分と重ね合わせて聴ける曲だと思う。それを考えるとこの曲の主人公は聴き手なのかもしれない。


「悪戯されて」は先行披露されていた曲。桑田佳祐が出演した『偉大なる歌謡曲に感謝 〜東京の唄〜』で新曲として披露された。初披露された番組のコンセプトに沿って、歌謡曲のテイストが強い曲。サウンドだけでも古き良き時代の匂いが漂ってくるのが感じられる。桑田佳祐の哀愁に満ちた渋い歌声もその世界観を彩っている。歌詞は女性目線で別れた恋人のことを振り返ったもの。全編通して情景が手に取るように浮かんでくる歌詞である。「忘れない あの時よ 帰らない あの夜 かりそめの恋だとは知らないで抱かれてた」という歌詞が印象的。メロディからも哀愁が漂っている。まさに「心に沁むメロディ」と言ったところか。


「あなたの夢を見ています」はミドルテンポのポップな曲。打ち込みが多用されたキラキラとしたサウンドは小林武史と手を組んでいた1980年代後半〜1990年代前半までのサザンや桑田佳祐ソロの楽曲を彷彿とさせる。疾走感のあるメロディーが聴いていてとても心地良い。歌詞は冬を舞台に、振られてしまった男の感情を描いたもの。切なさ溢れる歌詞を明るくキラキラした曲やサウンドに乗せている。その点ではソロ1stシングル曲の「悲しい気持ち(Just a man in love)」を想起させる。「人生ってやつは いつも 待ちぼうけ」というフレーズが好き。明るい曲調だからこそ、男の心情がより伝わってくるような感覚がある。A面曲と言っても違和感の無いような曲である。


「メンチカツ・ブルース」は桑田佳祐ならではの遊び心に溢れた曲。タイトル通りのブルースナンバー。サウンドはアコギ一本。曲やボーカルを聴いていると桑田佳祐の渋い部分が凝縮されたような格好良いものなのだが、歌詞はかなりしょうもない。言葉遊びをふんだんに取り込んでいる。落語のような雰囲気も感じさせる。ダジャレを多用し、お笑いBIG3の名前が登場し、"ウ★コ"が登場する。ちなみに、ウ★コの部分はピー音が被せられているが、被せるタイミングが若干遅めである。聴いていない方はこの字面を見ただけでかなり衝撃を受けるかもしれない。 聴くと衝撃は笑撃に変わる。3枚目としての桑田佳祐の姿を楽しめる曲。


感想としては、全ての曲の完成度が高く満足度の高いシングルだった。ポップな曲から渋い曲、ふざけた曲まで幅が広く、4曲だけではあるが全ての曲が強いインパクトを持っている。役者揃いのシングルである。このシングルの初回盤は手紙のようなデザインになっており、とても凝っている。その点ではパッケージとして買うことに意義を持たせているように感じられる。このシングルをより楽しみたいなら初回盤を買うことをおすすめする。

★★★★★