年頭の挨拶の次のネタはどうしようか?と考えていましたが納得のいくものが思い浮かばなかったので、タイトル通りのことをやっていきたいと思います。前回の「2016年私的ベストアルバム」と同様にトップ5でやります。しかし、近年の作品となると聴く数がかなり少なくなってしまうため、トップ5はおろかトップ3すら組めなくなってしまっている年があります。そこはご了承ください。

感想を執筆した作品についてはその記事のURLを貼っています。



【2015年】
5位 Awesome City Club「Awesome City Tracks2」
Awesome City Club
2015-09-16


Awesome City Clubの2ndアルバム。Awesome City Clubはさらなる活躍を期待される新進気鋭のバンド。その名前通りシティポップやAORを軸とした音楽をやっており、近年のシティポップ再興の旗手と言える存在です。架空の都市「Awesome City」を舞台にしたサウンドトラックという設定で作られたアルバムです。ポップな曲と洗練された都会的なサウンドを楽しめます。管理人が聴く数少ない若手アーティストなので、推していきたい存在です。これからの活躍にますます期待がかかります。



4位 槇原敬之「Lovable People」
ポップス職人・槇原敬之の記念すべき20thアルバム。自身最長となる2年2ヶ月というブランクを経てリリースされたこの作品は安定感溢れるポップスが展開されています。また、デビュー25周年記念作でもあります。タイトルは「愛すべき人々」というような意味があります。俯瞰的な立場で様々な人の様子を見て描き出したような曲が多く並んでいます。短編小説でも読んでいるかのようなストーリー性に満ちた歌詞に、親しみやすいメロディー。これぞ槇原敬之と言いたくなるような曲ばかりです。



3位 サザンオールスターズ「葡萄」
サザンオールスターズ
2015-03-31


2013年にサザンオールスターズが活動を再開してから初となる通算15作目のアルバム。還暦にさしかかった桑田佳祐の考えが盛り込まれた曲が多く、全体的に老いや和の雰囲気を感じさせる作品です。歌謡曲のテイストが強い作品でもあります。大作ではありますが長さを感じさせない、飽きが来ない作品です。今のサザンにしか辿り着けない境地でしょう。


2位 Mr.Children「REFLECTION」
ミスチル史上最長の間隔を経てリリースされた18thアルバム。初のセルフプロデュースによって制作されました。小林武史とは一歩距離を置いて、バンドサウンドを響かせた曲が多く並んでいます。今作最大の特徴はUSBという形態でもリリースされたこと。USBつきの完全盤「Naked」、曲数を減らしたCDのみの「Drip」の二つで発売されました。「全てを出し切る」というコンセプトで制作されています。Nakedに至っては全23曲で全編2時間近くという超大作ぶり。桜井和寿がその溢れんばかりの才能を爆発させています。ロックバンド・Mr.Childrenの姿が蘇りました。それを余すことなく楽しみたいなら是非Nakedを。



1位 浜田省吾「Journey of a Songwriter〜旅するソングライター」
前作から実に10年振りのリリースとなった待望の新作。ロック、ポップスはもちろんのこと、ワルツ、クラシック、R&BからEDMに至るまで様々な要素を取り込んだ曲が展開されています。60代を迎えた浜田省吾の考えや思いが込められた歌詞の数々も絶品そのもの。全75分越えの大作ではありますがその長さを一切感じさせません。これまでの40年に及ぶキャリアに新たな金字塔を打ち立てました。これぞ名盤。



【2014年】
5位 小田和正「小田日和」
小田和正
2014-07-02


前作から3年振りにリリースされたアルバム。リリース当時の小田和正の年齢は66歳と超ベテランの域。しかし、その年齢を一切感じさせない美しい歌声に色褪せない爽やかな曲。小田和正らしい普遍性に溢れたエバーグリーンなポップスを味わえます。このようなアルバムを聴いてしまうと、これからの作品にもますます期待を寄せてしまいます。



4位 サニーデイ・サービス「Sunny」
サニーデイ・サービス
2014-10-21


サニーデイ・サービス再結成後の2ndアルバム。再結成を通して、周囲に様々なズレがあってもそれを認めて活動できるようになったようです。3人が集まって演奏することに拘って制作されただけあって心地良いバンドサウンドが展開されています。タイトルやジャケ写からも夏の雰囲気が漂っていますが、曲も夏を舞台にしたものが多いです。夏の盛りから終わりにかけて聴くとより良い作品と感じるかもしれません。



3位 竹内まりや「TRAD」
竹内まりや
2014-09-10


前作から実に7年振りとなる竹内まりや待望の新譜。「伝統的」を意味する「traditional」を略したタイトルだけあって、普遍性に溢れた竹内まりやらしいポップスが展開された作品です。人生の応援歌のような曲が多いのも特徴です。いくら時を経ても色褪せない、まさに「TRAD」なアルバムだと思います。



2位 YUKI「FLY」
YUKI
2014-09-17


前作から約3年振りにリリースされた7thアルバム。「踊れるダンスアルバム」というコンセプトのもとで制作されたアルバムです。R&B、ヒップホップ、ソウル、ユーロビート、テクノ等幅広いジャンルの「踊れる音楽」が展開されています。聴いているとついつい体も心も踊り出してしまう作品になっています。この手のジャンルの音楽が好きな管理人にはたまらない作品でした。



1位 くるり「THE PIER」
くるり
2014-09-17


くるりの11thアルバム。くるりはアルバムごとに文字通りくるりくるりと音楽性が変わりますが、今作はワールドミュージックの要素を取り入れた多国籍サウンドが展開された作品です。全編通してかなりごちゃごちゃととっ散らかった作品ですが、不思議と聴きやすいのが特徴です。「音楽の世界旅行」をしているかのような感覚で聴けます。管理人にとってくるりの最高傑作は今作です。



【2013年】
前述した「トップ3すら組めない年」というのはこの年のことです。



2位 SING LIKE TALKING「Be friend」
SING LIKE TALKING
2013-06-05


活動再開後2枚目のアルバム。前作は東日本大震災の影響を強く受けたメッセージ性の強い作品でしたが、今作はSLT独自の音楽性を遺憾なく発揮しています。ポップス、ロック、AOR、ファンク、オペラ等様々なジャンルを取り込んだ「SING LIKE TALKING」 としか言いようのない音楽です。デビュー25周年記念作品でもあります。デビュー以来変わらない音楽性と、25年を経て新たに生み出された音楽。どちらも素晴らしいものです。



1位 スピッツ「小さな生き物」
前作から3年振りのリリースとなった14thアルバム。東日本大地震の影響を受けたためか、リアルで内省的な詞世界を持った曲が多いのが特徴です。ストリングスを使わずに制作されただけあってシンプルなバンドサウンドが展開されています。そのようなサウンドだからこそ歌詞にも力強さが生まれているのでしょう。聴き手に寄り添うような優しさを持った作品です。最高傑作!とまではいきませんが、安心感のある作品だと思います。 http://megane0924.blog.jp/archives/13014294.html



【2012年】
この年はトップ2までしか組めていません。



2位 Mr.Children「[(an imitation) blood orange]」
前作から2年振りのリリースとなった17thアルバム。デビュー20周年記念作品です。美しいメロディーのバラードがメインのアルバムとなっています。半数以上の曲でストリングスが使用されてサウンドを盛り上げています。しかし、ストリングスとバンドサウンドのバランスが乱れてしまっている印象が否めません。



1位 槇原敬之「Dawn Over the Clover Field」
槇原敬之
2012-12-19

槇原敬之の19thアルバム。安定感に満ちたポップスが展開されています。今作はアイルランドを訪れた経験が生かされ、ケルトを取り入れた曲もあります。温かみのあるラブソングが多く、ヒット曲は無いですがライトリスナーにも聴きやすい作品になっていると思います。冬に聴くのがおすすめです。



【2011年】
5位 YUKI「megaphonic」
YUKIの6thアルバム。前年に行った大規模な全国ツアーや東日本大地震の影響を受け、いつになくメッセージ性の強い作品となっています。しかし、明るくて力強くて可愛いYUKIの楽曲はいつも通りです。YUKIの歌いたい歌を歌うという姿勢が強く現れた作品になっています。



4位 槇原敬之「Heart to Heart」
槇原敬之の18thアルバム。薬物事件からの復帰以降メッセージ性の強い「ライフソング」を世に送り出し続けている槇原敬之ですが、今作はその要素が強い作品です。原発事故や東日本大地震について触れた曲もありますが、温かいラブソングも多くあります。人と人の心の繋がりについて考えさせられるようなアルバムです。



3位 山下達郎「Ray Of Hope」
前作から実に6年振りのリリースとなった待望の新作。本来は前年にリリースされるはずでしたが、完成度の都合で延期となりました。その間に震災が起こり、それを意識した内容へと変わりました。「希望という名の光」をフィーチャーしたアルバムとなりました。聴き手に寄り添って、そっと背中を押してくれるような優しい曲が並んでいます。



2位 小田和正「どーも」
小田和正
2011-04-20


前作から実に6年振りのリリースとなったアルバム。タイトルは小田和正がライブでよく言うおきまりの挨拶。タイアップ曲がかなり多いですが、アルバムとしてのまとまりがあり、とても聴きやすい内容になっています。小田和正らしい爽やかなポップスばかりで、聴いていると元気が貰えるような明るい作品となっています。管理人にとっての小田和正の原点と言える作品なので評価が高めです。



1位 桑田佳祐「MUSICMAN」
桑田ソロとしては前作から9年近くの歳月を経てリリースされたアルバム。食道がんとの闘病という経験を経て、今までの集大成という形で制作されました。そのような経緯の通り、全編通して研ぎ澄まされたポップスが展開されています。全17曲で70分近くの大作ながらバラエティー豊かな曲のお陰で全く飽きが来ません。最後までスッと聴けてしまいます。何でもありな音楽性こそ桑田佳祐。MUSICMAN・桑田佳祐の全てはこのアルバムに凝縮されています。



【2010年】
5位 Mr.Children「SENSE」
Mr.Children
2010-12-01


Mr.Childrenの16thアルバム。発売直前にタイトルを含めた全ての情報を解禁するという珍しいプロモーションの形をとった作品。前作よりも少しロック色を強めていますが、安定のポップな曲が多めです。安定感抜群のミスチルの楽曲が展開されたアルバムとなっています。




4位 KAN「カンチガイもハナハダしい私の人生」
前作から約4年振りのリリースとなったKAN待望の新作。全9曲と少なめですが1曲1曲が役者揃いで聴いていて楽しい作品です。タイトル通りKANのこれまでの人生を振り返るような作品になっている印象です。特にASKAとのコラボによって作られた「予定どおりに偶然に」はKANのキャリアを通しても屈指の名曲だと思います。



3位 スピッツ「とげまる」
スピッツ
2010-10-27


前作から3年振りのリリースとなったアルバム。タイトル通り、攻撃性の強い「とげ」の要素と優しくポップな「まる」の要素を併せ持ったアルバムとなっています。全編通して聴きやすいアルバムだと思います。スピッツのアルバムの最高傑作は?という質問の回答に出てくることはあまりありませんが、管理人の中ではかなり好きなアルバムです。



2位 andymori「ファンファーレと熱狂」
andymoriの2ndアルバム。「街角で鳴り響く、祝福の音楽」が展開されています。無邪気なまでの明るさを持ったロックンロールばかりでサラっと聴けてしまう作品です。全編通して聴いても36分というコンパクトぶり。それでいて懐かしい気分にも浸れてしまう。若者の複雑な心理を巧みに表現した歌詞の数々も絶品。青春時代を過ごしている方、その頃を思い出したい方に聴いていただきたいと思います。



1位 東京事変「スポーツ」
東京事変
2010-02-24

前作から約2年5ヶ月振りにリリースされた4thアルバム。タイトル通りスポーツをテーマにしており、金メダルが使われたジャケ写からもそれがうかがい知れます。キャッチーな曲ばかりでありながら圧倒的な力強さを持ったバンドサウンドが展開されています。格好良いロックナンバーばかりです。「閃光少女」は2000年代以降の邦楽を代表する名曲だと勝手に思っています。東京オリンピックが近づきつつある今だからこそさらに聴きがいのある作品になっているように思います。



ここで挙げた作品やその順位は全て執筆当時のものです。後で幾らでも変動してくると思います。そうなったら何も告げずに更新させていただきます。続編となる「2000年代私的ベストアルバム」「1990年代私的ベストアルバム」「1980年代私的ベストアルバム」についてはいつか執筆するということで。