今年の初めに行った企画「2010年代私的ベストアルバム」が思いの外好評?だったのでその続きをやっていきたいと思います。【前編】ということで、2009年〜2005年までの作品を扱っていきます。
今までの企画と同じく、トップ5形式で紹介していきます。とはいえ、近年の作品には疎い管理人なのでトップ5まで組めていない年があります。贔屓のアーティストのアルバムが多数入っています。それらの点はご了承ください。既に当ブログで扱った作品についてはその記事のURLを貼ります。



【2009年】
トップ5を組めない年はこの年のことです。



4位 相対性理論「ハイファイ新書」
相対性理論
2009-01-07


相対性理論の2ndアルバム。ボーカルやくしまるえつこの可愛らしいウィスパーボイスや、ふわふわしたポップな曲たちを楽しめるアルバムです。語感だけを重視したような意味の分からない詞世界も魅力。一度聴くだけで相対性理論の世界から抜け出せなくなること間違いなし。



3位 くるり「魂のゆくえ」
くるり
2009-06-10



くるりの8thアルバム。アルバムごとにその名前通り、くるりくるりと音楽性が変わる彼らですが、今作は特にテーマを設けていません。ロックを基調としながらも、レゲエ、ジャズ、ソウル、エレクトロニカ等幅広いジャンルを取り入れています。メッセージ性のある歌詞が展開された曲が多く、くるりのアルバムというよりはシンガーソングライターの岸田繁のアルバムと言った感じです。




2位 andymori「andymori」
andymori
2009-02-04


andymoriの1stアルバム。堂々のセルフタイトルアルバムです。全12曲でありながら全編通して聴いてもたった30分台という「すごい速さ」のアルバム。3人の魂がこもったロックンロールが展開されています。勢いの良さや力強さだけでなく、切なさや懐かしさを持った曲も並んています。言葉を次々と畳み掛けるような小山田壮平のボーカルに圧倒されてしまいます。1stアルバムならではの初期衝動を感じられる作品です。



1位 高野寛「Rainbow Magic」
高野寛
2009-10-07


高野寛の11thアルバム。高野寛のデビュー20周年記念作品であり、リリース日もデビューシングルをリリースした日と同日です。高野寛自ら「第2のデビューアルバム」と位置付けています。知る人ぞ知るポップス職人・高野寛の真骨頂と言える、ひねくれていながらもポップな曲を全編に渡って楽しめます。「Rainbow」というタイトルに恥じない、様々な魅力を持ったカラフルなポップスが展開されたアルバムです。近年はアコースティックな作風を続けてきた高野寛ですが、久々に原点回帰を果たしたアルバムとなっています。 これまでのキャリアに新たな金字塔を打ち立てたと言ってもいい作品です。




【2008年】


5位 槇原敬之「Personal Soundtracks」
槇原敬之
2008-11-19



槇原敬之の16thアルバム。「人生という一場面を彩るBGM」というコンセプトで制作されたアルバムです。日常に寄り添った優しい曲が多く並んでいます。当時の槇原敬之は人生や道徳について歌ったライフソングがメインでしたが、今作では王道のラブソングも入っています。温かみのある作品になっていると思います。




4位 相対性理論「シフォン主義」
相対性理論
2008-05-08


相対性理論の1stアルバム。全5曲で16分程度と最早アルバムと言えるか疑問ですが、一応アルバムです。やくしまるえつこの、聴くといけない気持ちが芽生えてしまいそうなロリータボイスや、作り込まれたポップスが凝縮されたアルバムです。ナンセンスな詞世界も絶品。「LOVEずっきゅん」をはじめ、1回聴いたらすぐにまた聴きたくなるような圧倒的な中毒性を持った作品です。



3位 Mr.Children「SUPERMARKET FANTASY」


Mr.Childrenの15thアルバム。桜井和寿が「消費されることをポジティブに捉えたアルバム」と発言しただけあって、世間がMr.Childrenに求めるようなポップスを楽しめるアルバムになっています。タイアップがついてヒットしたシングルも多く収録されています。装飾音が多めでバンドサウンドがかなり控えめですが、純粋なポップアルバムとして聴くなら名盤だと感じられると思います。




2位 いきものがかり「ライフアルバム」
いきものがかり
2008-02-13



いきものがかりの2ndアルバム。"超"という言葉を付けたくなってしまうくらい王道どストライクのJ-POPが展開されたアルバムです。これに収録されている先行シングル曲のうち1曲でも気に入ったら全てハマってしまうと思います。少し長尺なアルバムですが、長さを感じさせずに聴ける作品です。



1位 宇多田ヒカル「HEART STATION」
宇多田ヒカル
2008-03-19



宇多田ヒカルの5thアルバム。多くのシングル曲を収録し、前作では達成できなかったミリオンを達成しました。シングル曲だけでなく、「虹色バス」をはじめとしたアルバム曲もキレッキレ。聴き手に寄り添うような、メッセージ性を持った曲が多くなったのが特徴です。聴いた人全ての心の拠り所になるようなアルバム。活動休止前のオリジナルアルバムの中では最高傑作だと思っています。




【2007年】


5位 竹内まりや「Denim」
竹内まりや
2007-05-23



竹内まりやの10thアルバム。前作から実に6年近くの歳月を経てリリースされました。竹内まりやにしか作れない、普遍性に溢れたポップスを楽しめるアルバムです。50代を迎えたということもあり、人生についての考えが描かれた曲が多くなった印象です。




4位 佐藤竹善「INDIGO」
佐藤竹善
2007-06-20



SING LIKE TALKINGのボーカル、佐藤竹善のソロ3rdアルバム。 「青は藍より出でて藍より青し」という故事にならってつけられたタイトルの通り、爽やかさと深みを併せ持った上質なポップスが展開されたアルバムです。本家であるSING LIKE TALKINGを彷彿とさせるAORもあります。




3位 いきものがかり「桜咲く街物語」
いきものがかり
2007-03-07



いきものがかりの1stアルバム。インディーズ時代に作られた曲や、多くのシングル曲が収録されたアルバムになっています。とにかくとっつきやすい、万人受けする王道直球なJ-POPを楽しめます。1stとは思えない圧倒的な完成度を誇る作品だと思います。



2位 スピッツ「さざなみCD」
スピッツ
2007-10-10



スピッツの12thアルバム。結成20周年の年にリリースされたアルバムです。前作「スーベニア」はロック色の強いアルバムでしたが、今作では落ち着いたポップな曲がメインです。明らかに流れから外れたような曲もありません。そのため、少し聴いただけでは地味な印象がありますが、聴く度に良いと思えるような作品になっていると思います。特に「桃」はスピッツのキャリアを通じても屈指の名曲だと思っています。




1位 くるり「ワルツを踊れ Tanz Walzer」

くるりの7thアルバム。「ロックとクラシックの融合」をテーマに掲げたアルバムで、ウィーンでレコーディングされました。ロックとクラシックと言うと、全く相容れないもののように感じられますが、お互いの音を潰すことなく絶妙なバランスで組み合わさっています。今作の帯に書かれた「今、僕たちには喜びに溢れた音楽が必要だ。」という言葉の通り、全編通して聴いていて楽しくなれるような曲ばかりです。管理人の中では「THE PIER」と並んで好きなアルバムです。




【2006年】

5位 YUKI「WAVE」

YUKIの4thアルバム。シングル曲が多く収録されており、耳馴染みのある曲が多めです。タイトル通り「波に乗れる」ような楽しい曲ばかりで、聴いているだけで気持ちが明るくなります。可愛らしい曲からロックな曲まで幅広い曲調が展開されているので聴き飽きません。


4位 東京事変「大人(アダルト)」

東京事変の2ndアルバム。メンバーが2人脱退し、伊澤一葉と浮雲が加入してから初のアルバムです。ロック色は少し薄れましたが、その分様々な曲調が取り込まれています。メンバーそれぞれの演奏も素晴らしく、東京事変は椎名林檎のワンマンバンドではないということを何よりも証明しています。ジャンルレスな音楽性がたまらないアルバムです。


3位 宇多田ヒカル「ULTRA BLUE」
宇多田ヒカル
2006-06-14


宇多田ヒカルの4thアルバム。洋楽展開を経て4年振りにリリースされた日本語詞のアルバム。惜しくもミリオンを逃してしまいましたが、音楽性は以前よりも格段に進化しています。当時の宇多田ヒカルは精神的に病んでいたようで、どことなく暗い作風の曲が多いのが特徴です。宇多田ヒカルが自身の内面を丁寧に見つめ直したような内省的な作品です。ダウナーな気分に浸りたい時に聴くのがおすすめ。




2位 スキマスイッチ「夕風ブレンド」
スキマスイッチ
2006-12-06



スキマスイッチの3rdアルバム。しっとりと聴かせる美しいバラードからノリの良いアップテンポの曲まで全ての完成度が高い、良質なポップアルバムになっています。突出した名曲は無いですが、シングル曲もアルバム曲も安定感があります。サラっと聴けてしまうような聴き心地の良さを持ったアルバムだと思います。



1位 KAN「遥かなるまわり道の向こうで」


KANの14thアルバム。2年ほどパリに渡ってピアノの修行をして帰国してから初のアルバム。KANのピアノ弾き語りによるライブ「弾き語りばったり」での経験が生かされ、様々な曲調を自由に盛り込んだアルバムです。KAN本人も「10曲10キャラクター」と語っている程。全曲がそれぞれのカラーを持っているので聴いていてとても楽しいアルバムです。




【2005年】


5位 くるり「NIKKI」

くるりの6thアルバム。前作の「アンテナ」と同様のストレートなバンドサウンドがメインです、ブリティッシュロックに傾倒した曲が展開された作品です。シングル曲が多く収録されており、ライトリスナーでも聴きやすいアルバムです。くるりのキャリアを通じてもトップクラスでポップな作品になっていると思います。




4位 Mr.Children「I❤️U」
Mr.Children
2005-09-21



Mr.Childrenの12thアルバム。そのタイトル通り、様々な愛の形について描かれた曲が展開されています。近年の作品としては珍しく、ロック色の強い作風となっています。王道のバラードから、アクの強いロックナンバーまで幅広い曲調が取り込まれているので飽きの来ない作品だと思います。ジャケ写や歌詞カードのアートワークも非常に凝っています。それも楽しみの一つ。




3位 小田和正「そうかな 相対性の彼方」
小田和正
2005-06-15



小田和正の7thアルバム。前作から5年振りにリリースされました。収録されている11曲中全てに何かしらのタイアップがついています。そのため、ベスト盤のような感覚で聴けるアルバムです。何となく聴き覚えのある曲が多いと思います。優しい雰囲気のラブソングが多くなったのも特徴の一つ。人気曲「たしかなこと」も収録されています。




2位 サザンオールスターズ「キラーストリート」
サザンオールスターズ
2005-10-05



サザンオールスターズの14thアルバム。2枚組で全30曲という驚異的なボリュームのアルバムです。既発曲がかなり多めなのでベスト盤感覚で聴けるアルバム。ライトリスナーでも馴染みやすい曲が多いと思います。ギターの大森隆志が脱退してしたためか、ギターを響かせたロックが減ってしまったのが気になりますが、それを差し引いても満足できる作品です。




1位 浜田省吾「My First Love」
浜田省吾
2005-07-06



浜田省吾の17thアルバム。浜田省吾の「初恋」であるロックンロールがメインになったアルバム。浜田省吾の自信作でもあります。日常生活の光と影のシーンを切り取って作詞したというだけあって、日常に寄り添ったような詞世界を持った曲が多めです。聴いていてとにかく爽快なロックナンバーばかりでなく、しっとりと聴かせる美しいバラードやポップな曲も含まれています。浜田省吾の音楽を聴いたことがない人にも自信を持っておすすめできるようなアルバムです。 浜田省吾のキャリアを通じても屈指の名盤だと思います。




ここで挙げた作品や順位については執筆当時のものなので、幾らでも変動します。そうなったらツイッター(@fumimegane0924)で報告しつつ更新するつもりです。今回より前の年代の「私的ベストアルバム」についてはいつか執筆したいと思います。