【収録曲】
全曲作詞作曲編曲 小田和正
プロデュース         小田和正

1.緑の街 ★★★★★
2.Little Tokyo ★★★★☆
3.君に Merry Xmas ★★★★☆
4.恋は大騒ぎ ★★★★★
5.Oh!Yeah! ★★★★★
6.ラブ・ストーリーは突然に ★★★★★+2
7.あなたを見つめて ★★★★☆
8.いつかどこかで ★★★★★
9.そのままの君が好き ★★★★★
10.風の坂道 ★★★★★
11.真夏の恋 ★★★★☆
12.so long my love ★★★★☆
13.君との思い出 ★★★☆☆
14.遠い海辺 ★★★★★
15.伝えたいことがあるんだ ★★★★★

1997年11月21日発売
Little Tokyo/ファンハウス
最高位7位 売上22.4万枚

小田和正の2ndベスト。初回盤は楽曲解説が付属。特に語られることはないが、帯に「初回生産分のみ収録楽曲の解説を封入しました。」という文があるのでそういうことだと思われる。

今作は小田和正の個人レーベルである「Little Tokyo」を設立してからリリースされたソロ3rdシングル「Little Tokyo」から当時の最新シングル17thシングル「緑の街」までの全シングルを収録している。ただし、オフコース時代のセルフカバーである10thシングル「緑の日々」は除いている。

自らのキャリアをまとめる意味があったのか、オープニングの「緑の街」からは全てリリース順に収録されている。曲にもよるが、演奏やボーカルを差し替えている曲もある。エンディングがカットされている曲もある。当時の小田和正の意向がよく反映されていると言える。

楽曲の感想については、今作が初収録となる曲のみにさせていただく。既にアルバムに収録された曲のリテイクバージョンは省略する。


「緑の街」は1997年にリリースされた17thシングル曲。今作リリース時点での最新シングル。小田和正自ら監督を務めた同名の映画の主題歌に起用された。ストリングスとピアノが前面に出た重厚なバラードナンバー。タイトルの「緑」は若葉の季節という意味があり、全ての可能性が含まれているということを表現しているようだ。歌詞は恋人へのストレートなメッセージが綴られている。「傷つけた人がいる たゞ若すぎたから 流れた涙も 気づかないで」という歌詞が印象的。小田和正の美しい高音を堪能できる曲である。


「君に Merry Xmas」は1989年にリリースされた4thシングル曲。第一生命の「パスポート21」のCMソングに起用された。そのCMはクリスマスの2日限定で放映されたという。1995年には12cmシングルで再発されたが、ベースとドラムを生音に差し替え、アコースティックピアノをエレピに、小田和正が弾いていたギターをマイケル・トンプソンのものにする等、サウンド面がかなり変化している。今作はそのバージョンで収録されている。タイトル通り、クリスマスを舞台にしたバラードである。AORのテイストを感じさせる上質なサウンドが展開されている。「思いだけが降り積もる Xmas Merry Xmas 言い出せなくて」という歌詞が印象的。寂しいクリスマスを過ごす方には刺さる曲だと思う。8年ほどに渡って埋もれていたのが疑問。 もう少し待遇が良ければクリスマスソングの定番になり得たと思う。


「真夏の恋」は1994年にリリースされた12thシングル曲。日本テレビ系ドラマ『遠山金志郎美容室』の主題歌に起用された。コーラスには中西圭三が参加した。今作に収録されるにあたってボーカルが再録された。打ち込みが多用されたポップな曲。バンドサウンドも同じくらい目立っている。どうやらライブで盛り上がる曲のようだ。歌詞はタイトル通り、真夏の恋について描かれている。「真夏の恋は 切ないくらいに 燃えて 愛のゆくまゝ 心にまかせて 去りゆく夏に 取り残されて」という歌詞が印象的。小田和正らしい爽やかなポップスなのだが、過小評価されている印象が否めない曲。


「so long my love」は1995年にリリースされた13thシングル曲。1995年のコンサートツアー"FUN MORE TIME!"のオープニングとして作られた曲。そのためか、レコーディングにはツアーバンドであるFar East Club Bandが参加している。しっとりとした美しいメロディーが心地良い曲。イントロはバート・バカラックの影響を受けているようだ。歌詞は失恋もの。「忘れない 忘れるはずもない そのぬくもり そのくちびる でも切ないけど そのすべてが 夢のように 消えていった」というサビの歌詞が印象的。淡々と歌われる感じが切ない。ライブのオープニングにしてはしっとりし過ぎな印象があるが…


「遠い海辺」は1997年にリリースされた15thシングル曲。小田和正自ら監督を務めた映画『緑の街』の挿入歌として使用された。AOR色の強い、落ち着いたバラードナンバー。夏の海辺を舞台にしたラブソングである。「遠い海辺を どこまでも 歩いてく よりそう足あと 渚に残して」というサビの歌詞が印象的。恋人たちが海岸を歩いている様子が浮かんでくるような曲。小田和正ならではの繊細な世界観がよく現れた曲だと思う。


「伝えたいことがあるんだ」は1997年にリリースされた16thシングル曲。TBS系ドラマ『最後の恋』の主題歌に起用された。今作のタイトル曲でもある。小田和正の中に最初からあった"伝えたいことがあるんだ"というフレーズから膨らめて作っていったという。疾走感のあるポップロックナンバー。「ラブ・ストーリーは突然に」を想起させる曲調や構成である。サビの広がりのあるメロディーがたまらない。特にサビは「ラブ・ストーリーは突然に」と対になる感じを意識していたようだ。小田和正のソロ曲の中ではヒットした部類の曲ということがあってか、ライブでよく演奏される。「ラブ・ストーリーは突然に」と繋げて演奏されることが多い。ドラマチックな詞世界も素晴らしい。小田和正の代表曲の一つと言っても過言ではないだろう。


そこそこ売れたので中古屋ではよく見かける。「あの日 あの時」がリリースされたので価値を失った…と思うかもしれないが、今作でしか聴けない曲やバージョン違いがあるので未だに価値を失っていない。セールス的な全盛期のシングル曲をかいつまんで聴けるのも魅力。「あの日 あの時」のDISC2を聴いて気に入ったら今作を手に取ってみると良いかもしれない。今作を入門用にするのも良いだろう。

★★★★☆