定期的に行なってきた企画「○○年代私的ベストアルバム」が思いの外好評?だったのでその続きを行なっていきたいと思います。今回は1990年代の作品を扱っていきます。【後編】ということで、1994年〜1990年の作品 を紹介したいと思います。これまで通りトップ5形式でいきます。音楽を聴く範囲が狭いゆえ、贔屓のアーティストが多数登場するのはご了承ください。既に当ブログで紹介した作品はURLを貼っています。


【1994年】

5位 大江千里「Giant Steps」

大江千里
1994-02-28


大江千里の12thアルバム。ジョン・コルトレーンの同タイトルの名盤からタイトルが取られました。ジャズやAOR色の強い曲が展開されたアルバムです。いつになく大人な雰囲気を持った作品となっています。上質なサウンドが心地良いアルバム。あまり売れなくなってからの作品なので過小評価されがちですが、大江千里屈指の名盤だと思います。



4位 Mr.Children「Atomic Heart」

Mr.Children
1994-09-01


Mr.Childrenの4thアルバム。300万枚以上の売上を記録した大ヒット作。現在もなおMr.Childrenの最高売上記録を持っています。「CROSS ROAD」や「innocent world」を始め、全編通して聴きやすいポップな曲ばかり。しかし、実験性の強い曲も収録されています。その点ではプロデューサーである小林武史の野心がよく現れていると言えます。聴きやすさとアクの強さのバランスが取れた作品だと思います。



3位 桑田佳祐「孤独の太陽」

桑田佳祐
1994-09-23


桑田佳祐のソロ2ndアルバム。サザンでは聴けないような、フォークロックやブルースに傾倒したアルバム。社会に対して物申すようなキレの良い詞世界も冴え渡っています。とっつきにくい作品のように感じられますが、アクの強い曲の中にポップな曲が混ざっているので、そこまで聴きづらいわけではありません。桑田佳祐ソロだからこそ歌える曲がある。4作ある桑田佳祐ソロのオリジナルアルバムのうち、最もソロらしさを感じるアルバムです。



2位 L⇔R「LACK OF REASON」

L-R
1994-10-21


L⇔Rの5thアルバム。ポリスターからポニーキャニオンに移籍して初のアルバム。ポリスター時代のマニアックさはそのままに、ヒットチャートの上位に入りうるような分かりやすさも持ったポップスが展開された極上のポップアルバム。「REMEMBER」「HELLO,IT'S ME」「SEVENTEEN」を始め、爽やかなポップスを心ゆくまで楽しめる名盤です。L⇔Rのオリジナルアルバムの中では管理人の一番好きな作品です。L⇔Rの凄さや良さを知るなら今作を。



1位 小沢健二「LIFE」

小沢健二
1994-08-31






小沢健二の2ndアルバム。小沢健二最大のヒット作です。重厚なフォークロックが展開されていた前作からはガラリと変わり、ブラックミュージックを前面に押し出したポップスが展開されたアルバムとなりました。全編通して圧倒的な多幸感に溢れた詞世界も特徴。聴いているとその幸せを分けてもらっているような感覚になります。渋谷系音楽の象徴として語られる小沢健二ですが、このアルバムは日本のポップミュージックの歴史を通じても屈指の名盤だと思います。



【1993年】

5位 Spiral Life「FURTHER ALONG」

Spiral Life
1993-09-01


Spiral Lifeの1stアルバム。BAKUに所属していた車谷浩司と、デビューを目指して楽曲制作を続けていた石田小吉が出会って結成されたグループ。3年くらいで活動休止してしまいましたが、その後はお互いが全く違う音楽性を持ち、それぞれの才能を発揮しています。そんな彼らの1stアルバムは、聴いていてとにかく爽快なギターポップやシューゲイザーが展開されています。ポップで作り込まれたメロディー、2人のボーカルやハモリも絶品。Spiral Lifeはもう少し評価されても良いグループだと思っています。


4位 東野純直「Actor&Actress」

東野純直
1993-09-22


東野純直の1stアルバム。ヒット曲「君とピアノと」「君は僕の勇気」が収録されたためか、東野純直にとっての最大のヒット作となりました。洋楽からの影響を強く感じさせるメロディーラインや、力強いボーカル等に彩られた爽やかなポップスの数々を楽しめる作品。AORのテイストも感じさせるお洒落な曲が多め。お洒落なポップスを楽しみたい方にはおすすめ。東野純直はデビューした時代が悪かったと言いたくなるようなアーティストですが、楽曲は素晴らしいものばかり。再評価されても良いと思います。



3位 KAN「TOKYOMAN」

KAN
2010-10-27
(リマスター盤)




KANの7thアルバム。前作までよりも楽曲のクオリティが上がったとKAN自ら評価する作品。当時はKANにとって初のヨーロッパ旅行を経験し、東京の街を外から見たことが今作に影響を及ぼしているようです。全編通して美しいメロディーを持ったポップスを楽しめるアルバムです。全体を通しての統一感も良く、聴き飽きない作品だと思います。



2位 CHAGE&ASKA「RED HILL」

CHAGE&ASKA
2001-05-23
(再発盤)





CHAGE&ASKAの16thアルバム。70分越えの大作ながらも、バラエティ豊かな曲調が展開されているので聴き飽きません。中でもタイトル曲は圧倒的な力強さを持った曲になっています。タイトル曲をはじめ、シングル曲を軽く超えるようなアルバム曲もあります。チャゲアス全盛期のほぼ最後を飾る作品に相応しい完成度を持っていると思います。当時のチャゲアスの勢いの凄さを実感させられるような作品です。



1位 小沢健二「犬は吠えるがキャラバンは進む」


小沢健二の1stアルバム。フリッパーズ・ギター解散後、ソロ活動を始めてから最初の作品。フリッパーズ時代の複雑な楽曲からは打って変わって、シンプルかつ力強いフォークロックが展開されたアルバムとなっています。難解な詞世界は健在。次作以降の「オザケン」の楽曲像に慣れてから聴くと幾分か地味に感じてしまうと思います。歌詞を重視して音楽を聴く方なら誰もが良いと思えるような作品。「LIFE」に比べるとあまり語られない印象がありますが、こちらも名盤。



【1992年】

5位 久保田利伸「Neptune」

久保田利伸
1992-07-01


久保田利伸の6thアルバム。シングルリリースされた曲は無く、後にベスト盤に収録された曲も無いという異色のアルバム。「水」をテーマにしただけあって、清涼感のある楽曲を楽しめます。久保田利伸と言えばR&Bやファンクのイメージですが、今作はソウルやAORのテイストが強く、落ち着いた印象のアルバムです。地味な印象の強い作品ですが、収録曲は名曲揃い。久保田利伸に興味があるならベスト盤の次に聴いてほしいと思う作品です。



4位 サザンオールスターズ「世に万葉の花が咲くなり」

サザンオールスターズ
1998-05-21
(再発盤)


サザンオールスターズの11thアルバム。小林武史との共同で制作されただけあって、小林武史の意向が反映されたような複雑でアクの強い曲が並んだ作品となっています。作り込まれ過ぎてバンドサウンドが控えめになってしまっている印象がありますが、それでも聴きごたえ抜群。名盤と言うには散らかりすぎな感じがしますが、名盤と言っていいような作品です。



3位 L⇔R「Lefty in the Right」

L⇔R
2017-02-08
(リマスター盤)



L⇔Rの1stフルアルバム。5000枚限定のミニアルバム「L」で見せた非凡なポップセンスが今作では遺憾無く発揮されています。相当にマニアックでひねくれているのですが、それでもキャッチーでポップ。活動休止まで変わらなかったL⇔Rの楽曲像はこの頃からありました。「Bye Bye Popsicle」「Lazy Girl」と言った代表曲も収録されており、ポリスター時代のL⇔Rの代表作だと思います。



2位 槇原敬之「君は僕の宝物」

槇原敬之
1992-06-25



槇原敬之の3rdアルバム。オリジナルアルバムでは初のミリオンを達成したヒット作。今までの作品よりも格段にアレンジが複雑になり、カラフルなサウンドが展開されたポップアルバムです。タイトル曲のインストで最初と最後を飾るという構成も特徴的。「もう恋なんてしない」「冬がはじまるよ」と言ったヒット曲のみならず、「遠く遠く」「雷が鳴る前に」と言ったアルバム曲も素晴らしいものばかり。槇原敬之の初期の名盤だと思います。



1位 SING LIKE TALKING「Humanity」

SING LIKE TALKING
1992-02-26


SING LIKE TALKINGの5thアルバム。初のチャートトップ10入りを果たした記念作。ポップス、AOR、ロック、ファンク等様々なジャンルを取り入れた「SING LIKE TALKING」としか表現できないような楽曲が展開されています。後にベスト盤に収録された曲も多く、聴きやすさは抜群。複雑に作り込まれてはいますが、それでも簡単に口ずさめるくらいキャッチー。SLTの楽曲の良さを知りたいならこのアルバムがおすすめです。名盤。



【1991年】

5位 山下達郎「ARTISAN」

山下達郎
1991-06-18


山下達郎の10thアルバム。「職人」を意味するタイトルは山下達郎の音楽に対する姿勢をこれ以上ないほど上手く表現しています。タイアップがついたシングル曲が多く収録されているため、かなり聴きやすい作品だと思います。音楽の職人・山下達郎の作り出すポップスを楽しむにはうってつけ。



4位 角松敏生「ALL IS VANITY」

角松敏生
1994-12-16
(リマスター盤)



角松敏生の9thアルバム。これまでの作品で使用されていた打ち込みは止め、再び生演奏に拘った作品。国内、国外問わず優れたミュージシャンを多数招いて制作されました。作り込まれたAORやファンクを堪能できる上質なアルバムです。しかし、当時の角松敏生は私生活で様々な悩みを抱えていたようで、その心情が詞世界にも現れています。重苦しい作品ではありますが完成度は抜群。ダウナーな気分に浸りたい時にはおすすめです。


3位 谷村有美「愛は元気です。」

谷村有美
1991-05-15


谷村有美の5thアルバム。シンガーソングライターとアイドルの要素を持ったいわゆる「B級アイドル」路線の到達点と言えるアルバム。谷村有美本人が全盛期と認めただけあって、全編通して完成度の高いポップスが展開されています。曲順もかなり練られたのか、何度も聴きたくなるようなものになっていると思います。管理人にとっての谷村有美の最高傑作は今作です。



2位 フリッパーズ・ギター「ヘッド博士の世界塔」

Flipper's Guitar
1993-09-01
(再発盤)



フリッパーズ・ギターの3rdアルバムにしてラストアルバム。今作発売後、突然解散を表明してしまいました。内容はというと、全編通して無断サンプリングが張り巡らされたシューゲイザーやロックが並んでいます。小山田圭吾と小沢健二の2人がお互いやりたいことを全てやりつくしてしまったような虚無感も持っています。これだけの作品を作り上げたら解散するのも無理はないと思います。そう思う程の名盤。



1位 スピッツ「名前をつけてやる」

スピッツ
2002-10-16
(リマスター盤)



スピッツの2ndアルバム。当時イギリスを中心に流行っていたシューゲイザーと、歌謡曲の要素を併せ持った楽曲が展開された作品。色々とこじらせてしまったような青年の心情をこれ以上無いほど上手く突いた詞世界は他の追随を許さないものになっています。11曲収録されていて全38分程度というコンパクトさも魅力の一つ。初期のスピッツを代表する名盤だと思います。ファンならずとも聴いてみてほしい傑作。



【1990年】

5位 小田和正「Far East Café」

小田和正
1990-05-09




小田和正の3rdアルバム。オフコース解散後初のオリジナルアルバム。オフコース在籍中にリリースされた前2作はAOR色の強い作品でしたが、今作は売れ線を意識したポップス路線に転換しました。大ヒット前夜の雰囲気が漂っていて、聴いていてワクワクするような作品です。



4位 浜田省吾「誰がために鐘は鳴る」

浜田省吾
1999-09-29
(リマスター盤)



浜田省吾の12thアルバム。極力シンセサイザーを使わずに、ミュージシャンの生演奏に拘ったという作品。当時の浜田省吾は精神的にダウンしていたようで、重苦しい雰囲気が全体を通して伝わってきます。しかし、楽曲の完成度は圧倒的なものがあります。特にラストを飾る「夏の終り」は浜田省吾のキャリアを通しても屈指の名曲だと思います。物思いに耽りたい時や、ダウナーな気分に浸りたい時に聴くのがおすすめ。



3位 FLYING KIDS「続いてゆくのかな」

FLYING KIDS
1990-04-21


FLYING KIDSの1stアルバム。『イカ天』ブームの中でリリースされた作品。全編通して鋭く、格好良いファンクロックが展開されています。その中で燦然と輝くデビュー曲「幸せであるように」は圧倒的な完成度を誇っています。邦楽史上最高のファンクロックバンド(管理人が勝手にそう位置付けている)の1stアルバムですが、これが最高傑作だと思っています。



2位 フリッパーズ・ギター「CAMERA TALK」

FLIPPER’S GUITAR
2006-08-25
(リマスター盤)



フリッパーズ・ギターの2ndアルバム。前作は全編英語詞のネオアコアルバムでしたが、今作では日本語詞によるポップスが展開されています。そのため、とっつきにくさは大分薄れました。代表曲「恋とマシンガン」が収録されています。渋谷系音楽を代表する名盤。渋谷系音楽を語りたいなら必聴の作品です。



1位 岡村靖幸「家庭教師」

岡村靖幸
2012-02-15
(リマスター盤)




岡村靖幸の4thアルバム。岡村靖幸自らが敬愛するプリンスのように、全曲の作詞作曲編曲プロデュース、多数の楽器の演奏を手がけています。岡村靖幸の変態かつナルシストな世界観が爆発した作品となっています。ただただ気持ち悪いと感じる人もいれば、最高の名盤と評価する方もいるでしょう。それだけ好みが分かれる作品であり、アーティストです。バブル時代の終わり際の退廃感も表現されており、それも魅力。邦楽ロックの歴史の中で怪しく輝き続ける名盤。学校では教えてくれないことを、家庭教師・岡村靖幸が教えてくれます。



ここで挙げた作品や順位については執筆当時のものなので、幾らでも変動します。そうなったらツイッター(@fumimegane0924)で報告しつつ更新するつもりです。今回より前の年代の「私的ベストアルバム」についてはいつか執筆したいと思います。