FLYING KIDS
1992-12-16

↑ジャケ写が掲載されていないので。
【収録曲】
※編曲のクレジットはされていない。
全曲作詞 浜崎貴司
1.作曲 飯野竜彦
2.5.作曲 加藤英彦
3.作曲 浜崎貴司
4.6.作曲 伏島和雄
プロデュース 中村哲

1.レモネード ★★★★☆
2.あなただけ ★★★☆☆
3.君とサザンとポートレート ★★★★★
4.強引なんだね ★★★☆☆
5.冬になれば ★★★★☆
6.少年と少女のようなキスをもう一度 ★★★★★

1992年12月16日発売
ビクター
100位圏外 売上不明

FLYING KIDSの6thアルバム。先行シングル「君とサザンとポートレート」を収録。前作「DANCE NUMBER ONE」からはわずか4ヶ月振りのリリースとなった。

今作は「天国まであと3歩シリーズ」の3作目。どんなシリーズだったのかはよくわからない。このシリーズの1作目は1992年5月リリースの「GOSPEL HOUR」、2作目は1992年8月リリースの「DANCE NUMBER ONE」となっている。それぞれ作風が全く違っているので、FLYING KIDSの音楽性の幅広さをアピールするようなシリーズだったのかもしれない。ちなみに、どれも6曲入りのミニアルバム。

「GOSPEL HOUR」はボーカルに重点を置いた作品、「DANCE NUMBER ONE」はファンクやネタ路線の曲と来て、今作はポップな曲が多め。次作以降は今作のようなポップス路線の作品をリリースするようになる。


「レモネード」は今作のオープニングを飾るタイトル曲。ホーンが前面に出た、フュージョン色の強いバラードナンバー。浜崎貴司の色気のあるボーカルがこの曲を彩っている。コーラスワークがかなり凝っているのが特徴。歌詞は少年時代の恋を振り返っているもの。「あぁ 僕達は傷ついた心を かかえこんだまま どこまでゆくのだろう」という歌詞が印象的。FLYING KIDS=熱苦しいファンクというイメージを覆すような爽やかな曲になっている。FLYING KIDS独特のアクがかなり薄まっている。


「あなただけ」はミディアムテンポのポップな曲。フィンガーチップスのような音が終始鳴っているのが特徴。浜崎貴司と並んでもう一人のボーカルと言える存在である、浜谷淳子のボーカルがフィーチャーされている。特にサビのメインボーカルは浜谷淳子である。それに合わせてか、歌詞は女目線で書かれている。「いろんな男とムチャクチャ ヤッちゃったけど何ともない」女性が主人公である。それでもある男性と出逢って気持ちが変わったらしい。中々にキツい歌詞ではあるが爽やかなメロディーでサラッと聴かせている。その辺りから、FLYING KIDSのメンバーの作曲の能力がよく分かる。


「君とサザンとポートレート」は先行シングル曲。作詞作曲を浜崎貴司が担当した。ホーンが前面に出た、AORやブルーアイドソウルのテイストを感じさせるバラードナンバー。キーボードの使い方も素晴らしく、サウンドを美しく彩っている。この曲のコーラスワークもかなり練られている。タイトルからも察しがつくかもしれないが、サビでは「いとしのエリー」が登場する。全編通してポップで爽やかな曲になっており、後のポップス路線の始まりと言える曲である。
FLYING KIDSはかつて、7人組という大所帯バンドであること、浜崎貴司の独特なボーカル、浜谷淳子という女性コーラスがいること等から「サザン2世」のような扱いをされることがあったようだ。この曲を聴いているとFLYING KIDSとサザンの繋がりについて色々と考えたくなる。


「強引なんだね」は浜崎貴司と浜谷淳子のデュエットソング。浜谷淳子の浜崎貴司さながらのソウルフルなボーカルを楽しめる。ホーンが前面に出たファンクナンバーである。歌詞は堂々の下ネタ路線。彼氏がいる女性に言い寄る男とそれをかわそうとする女性の掛け合いがされた歌詞になっている。「ココロの片隅ではヤリタガッているんだろ オレの方が彼氏より満足できるぜ」という歌詞はインパクト抜群。男女ボーカルがいるからこそできるような曲になっている。これくらいのアクがある方がFLYING KIDSらしさを感じてしまう。


「冬になれば」はAOR色の強いバラードナンバー。ホーンやギター、キーボードが前面に出た落ち着いたサウンドが心地良い。歌詞は様々な季節を舞台に描かれている。幸せな雰囲気のあるラブソングとなっている。「昨日よりも今日 今日よりも明日 すばらしい思い出 今年中におきるのかな」という歌詞が印象的。この曲はギターの加藤英彦が作曲したが、メンバーそれぞれで作る曲の雰囲気が全く違ってくるのが面白い。


「少年と少女のようなキスをもう一度」は今作のラストを飾る曲。ゆったりとした曲調が心地良いバラードナンバー。キーボードとギターが前面に出たサウンド。ストリングスも使用されている。物憂げな雰囲気を感じさせる浜崎貴司のボーカルがこの曲の世界観を何よりも表現している。歌詞は少年、少女時代の恋愛を振り返っているもの。どことなく懐かしさを感じさせる歌詞は絶品。「恋をすることだけしか知らない年頃に出会った二人 今大人になる 遠くでカミナリの音が聞こえる 震えてる体を優しく抱き寄せる」というサビの歌詞が印象的。 浜崎貴司のメロウな部分がよく現れた曲になっていると思う。


あまり売れた作品ではないが、中古屋ではそこそこ見かける。FLYING KIDSのポップな要素を短い中に集約したような作品となっている。これまでの作品ほどのアクは無く、後のポップス路線が好きなら恐らくハマれるだろう。前述の通り、今作がFLYING KIDSにとっての転換点と言える。今作以降はファンク路線が控えめになり、ポップス路線がメインになっていく。6曲入りのミニアルバムということもあり、過小評価されている感があるが、FLYING KIDSが好きなら聴いて損はない。

★★★★☆