【収録曲】
2.作詞 飯塚麻純
3.8.作詞 樋口了一
4.10.作詞 相田毅
5.作詞 戸沢暢美
6.作詞 三井拓
7.9.作詞 スガシカオ
11.作詞 Jessie
12.作詞 只野菜摘
1.12.作曲 Chokkaku
2.作曲 Face 2 fAKE
3.8.作曲 樋口了一
4.作曲 岩田雅之
5.作曲 小森田実
6.作曲 谷本新
7.作曲 川村結花
9.作曲 スガシカオ
10.作曲 ZAKI
11.作曲 楠木達志
1.3.7.8.9.12.編曲 Chokkaku
2.5.編曲 長岡成貢
4.編曲 岩田雅之
6.編曲 谷本新、佐々木章
10.編曲 ZAKI
11.編曲 百石元
1.コーラスアレンジ Janis Siegel & Roger Treece
3.8.コーラスアレンジ 樋口了一
5.コーラスアレンジ 佐々木久美
10.12.コーラスアレンジ 岩田雅之

1.Theme of 012 省略
2.Peace! ★★★★★
3.Possession Possession ★★★★☆
4.Duo ★★★★★
5.たいせつ ★★★★☆
6.ひと駅歩こう ★★★★☆
7.夜空ノムコウ ★★★★★+2
8.言えばよかった ★★★★☆
9.リンゴジュース ★★★☆☆
10.Trouble ★★☆☆☆
11.IT'S COOL ★★★☆☆
12.世界は僕の足の下 ★★★☆☆

1998年6月18日発売
ビクターエンタテインメント
最高位1位 売上42.3万枚

SMAPの11thアルバム。先行シングル「Peace!」「夜空ノムコウ」「たいせつ」を収録。前作「SMAP 011 ス」からは10ヶ月振りのリリースとなった。

今作がニューヨークでレコーディングされた最後の作品となった。次作以降では制作陣が一新してサウンド面を始めとして作風が大幅に変わるようになった。ニューヨークを拠点に、ジャズやフュージョンの分野で世界的に活躍する実力派ミュージシャンを多数招いた豪華なサウンドを楽しめる最後の作品と言える。Smappiesが全面的に起用されたのも最後。

今作最大の謎はタイトルとジャケ写。ラテンのノリを感じさせる陽気な外国人二人が映ったジャケ写やタイトル。しかし、内容は全くラテンの要素が無い。楽しげな雰囲気に溢れた作品なのは頷けるが。ジャケ写のせいで敬遠している方もいらっしゃるかもしれない。それはあまりに勿体無い。


「Theme of 012」は今作のオープニングを飾るインスト曲。ホーンの渋み溢れる音色が前面に出ている。インストではあるが、1分を少し過ぎたところからメンバーによるコーラスが入って盛り上がる。激しいギターサウンドも入ってくるので聴きごたえがある。Smappies起用時期のアルバムのテーマはどれも演奏に聴きごたえがあるので侮れない。


「Peace!」は先行シングル曲。フジテレビ系番組『SMAP×SMAP』のテーマソングに起用された。今までのシングルではメンバーのソロパートがあったものの、この曲では全てユニゾンで歌われている。シングルバージョンでは神保彰によるドラムだったが、今作収録バージョンではオマー・ハキムの演奏に差し替えられている。どちらも凄まじい迫力のある演奏であり、たまらない。ボーカルも差し替えられているようだ。ホーンセクションが生演奏になったため、隙のないタイトなバンドサウンドと共に豪華なファンクサウンドに仕上がっている。歌詞は何気ない日常の素晴らしさについて語られたもの。そのような日常から幸せを見出す光景が描かれている。「こんな一日もいいじゃない」というフレーズは不思議と力が湧いてくる。 サウンドはもちろん、歌詞のテーマもとても好き。Smappies起用時代最後のシングルにふさわしい名曲である。


「Possession Possession」はノリの良いファンクナンバー。作詞作曲、コーラスアレンジは後に『水曜どうでしょう』のテーマソング「1/6の夢旅人」で知られることになる樋口了一が担当した。力強いギターサウンドやファンキーなホーンが前面に出たサウンドで聞かせる。クラヴィネットのような音も使われているのが特徴。歌詞は微妙な関係の男女の駆け引きが描かれたもの。真夜中の高速が舞台となっている。何とも言えない緊張感が漂う詞世界である。そのような歌詞とアダルトな雰囲気も感じさせる上質な演奏との相性は抜群。サビもかなりキャッチーなので、アルバム曲だけで終わるのは勿体無かったように感じられるが、アルバム曲にとどめたという点は当時のSMAPの余裕がうかがい知れる。


「Duo」は爽やかなポップナンバー。タイトルは「デュオ」と読むものの、二人で歌っているわけではない。森村献によるピアノや派手なホーンセクションが前面に出た美しいサウンドは聴きごたえに溢れている。ポップながらもどこか切なさを感じさせるメロディーは絶品。歌詞は失恋した後の男性の心が語られている。一人きりで口笛を吹いて、胸の中に残る思い出とデュオするという光景が描かれている。元の彼女への未練を覗かせながらも、現実を見て前を向いている。切なくもポジティブ。歌詞、メロディー、サウンドのどれを取っても素晴らしい。この曲もまたアルバム曲というには勿体無い程の完成度を誇っていると思う。


「たいせつ」は先行シングル曲。中居正広が主演したフジテレビ系月9ドラマ『ブラザーズ』の主題歌に起用された。サウンドは全て打ち込みで構成されており、アルバム収録にあたってサウンド面が変更されたというわけでもない。女性コーラスがフィーチャーされており、とても軽快でノリが良い。歌詞はストレートなラブソングとなっている。「好き」ではなく、「たいせつ」という言葉で愛が表現されている。どことなく柔らかく優しいイメージがあるフレーズだと思う。その素朴さに引き込まれる。曲自体に真新しさは特に無いものの、安定した良曲という印象がある。


「ひと駅歩こう」は木村拓哉と香取慎吾の二人によるボーカル曲。アコギやハーモニカが前面に出たアコースティックなサウンドがとても心地良い。それ以外のサウンドは全て打ち込みで構成されている。温かみのあるメロディーとアコースティックなサウンドとの相性がとても良い。歌詞も温かみに溢れている。いつもよりひと駅多く歩いて普段では見られないような景色を楽しんだり、学生時代のことを思い出したりしている様子が描かれている。二人の素朴なボーカルもこの曲の世界観を構成していると思う。駅にもよるが、駅と駅の間は結構距離があるのでこの曲の真似をすると予想以上に時間がかかって疲れる。


「夜空ノムコウ」は先行シングル曲。フジテレビ系番組『SMAP×SMAP』のテーマソングに起用され、SMAPにとっては初となるミリオンセラーを達成した。今までのシングルとは大きく異なるバラードナンバーとなっている。優しく温かみのあるメロディーやアコースティックなサウンドが心地良い。作詞はスガシカオが担当した。歌詞が書けなくて放置し続け、締め切り当日になって札幌でのライブに向かう飛行機の機内やライブ会場の控室で作詞したというエピソードがある。若者が抱く未来への期待や不安をこれ以上無いほど上手く描き出した歌詞になっていると思う。「あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ…」というフレーズはいつ聴いても心に染み入るものがある。何度も何度も書き直して作られた歌詞というイメージがあるが、実際は火事場の馬鹿力で書かれたものだった。 定番中の定番と言えるような曲ではあるが、SMAPの中で管理人の一番好きな曲というポジションにある。この曲がある限りSMAPという存在や楽曲が風化することは無いと思っている。


「言えばよかった」は重厚なファンクナンバー。作詞作曲は「Possession Possession」と同じく樋口了一が担当した。松原秀樹によるヘビーなベースやキレの良いギターのカッティングが前面に出たファンキーなサウンドで聴かせる。それ以外は打ち込みで構成されている。歌詞は好きな人に告白できなかった男性の気持ちが描かれている。「言えなかった」「言えばよかった」と繰り返されるサビは切なさやもどかしさに溢れている。何となく学生時代の恋模様という印象がある。この曲最大の聴きどころは大サビでの中居正広ソロパート。聴き流していても耳に残るくらい声がガラガラである。わざとそうしたのか調子が悪かったのかは知らないが、とにかくインパクトがある。中居正広のソロパートだけでこの曲の全ての印象を持っていかれる。


「リンゴジュース」は先行シングル「夜空ノムコウ」のC/W曲。特に表記はされていないものの、今作収録にあたってバンドサウンドが生音に差し替えられている。一切の隙のないバンドサウンドとホーンの絡みがたまらない。作詞作曲はスガシカオが担当した。この曲では作曲もスガシカオが行ったため、より本人の作風に近付いた曲という印象がある。歌詞はナイフを持っている相手を諭すという何とも物騒かつシュールなシチュエーション。「そのナイフでリンゴジュースをつくろう」と説得している。スガシカオらしいアクの強さを持った曲だが、他の曲には無い異様な雰囲気に不思議と引き込まれる。


「Trouble」は草彅剛と香取慎吾の二人によるボーカル曲。草彅剛がメインで一部で香取慎吾が歌っている。全編打ち込みで構成されたサウンドが展開されている。そのためか、他の曲と比べると音が軽い感じがする。浮遊感のあるサウンドである。ラップ調のボーカルがこの曲の特徴。歌詞はクラブを舞台に、男女が出逢って愛し合う様子が描かれたもの。SMAPにしては異色なアダルトな歌詞という印象がある。出逢ってから一週間後に彼女はいなくなってしまった。彼女のことを男性は信じてしまった。それなのに何故いなくなったのか。「トラブってどこかへ消えた」ようだ。何があったんだと言うほかない。 どことなく、SMAP流の「今夜はブギー・バック」というイメージがある曲。


「IT'S COOL」は打ち込み主体のポップナンバー。ブラックミュージック色の強い曲調やサウンドで聴かせる。若干レゲエのテイストを感じさせる。歌詞はストレートなラブソングではあるが、ポジティブなメッセージも並んだものとなっている。明日のことは誰にもわからないが、それでも自分の信じた道を歩いて生きていきたい…若者なら誰もが抱くような感情が描かれている。そして「君となら道に迷っても楽しい」と堂々歌い上げている。この多幸感がこの曲最大の特徴だろう。聴いているとその多幸感に包まれるような感覚がある。


「世界は僕の足の下」は今作のラストを飾る曲。落ち着いた雰囲気のあるポップナンバー。ドラムとベースで海外のミュージシャンが参加している。この曲がSmappies起用時代最後の曲である。ギターは作曲と編曲を担当したChokkaku自ら演奏している。シンプルなバンドサウンドで構成されたサウンドがとても力強い。歌詞は来週誕生日を迎えるという青年の心情が描かれたもの。そのような段階にもかかわらず「世界はこの足の下」と思えるほどの心の状態である。無敵感が感じられる。「行列のTAXIを譲った」「正しい酒の飲みかた 覚えられた」といった歌詞からは成長したことを思わせる。ラストにふさわしい存在感のある曲だと思う。


ヒット作なので中古屋ではそこそこ見かける。SMAPのアルバムの中では見つけやすい方だと思う。Smappies起用時代の作品だけあって、やはりサウンドに聴きごたえがある。シングル曲だけでなく、アルバム曲にも一度聴いただけで耳に残るような良曲が沢山揃っている。演奏やサウンドという面だけでなく、良質なアイドルポップアルバムとしても十分に楽しめる。ふざけたタイトルやジャケ写のインパクトが凄いが、それだけで判断しないようにしていただきたい。管理人にとっては、SMAPのアルバムの中でも一番好きな部類に入ってくる。名盤。

★★★★★