今回が2回目となります。これは以前行った「私的○○年代ベストアルバム」の続編のようなものです。その企画では管理人が所有する1985年〜2016年リリースのアルバムの中から、好きな作品を1年ごとにベスト5形式(一部それより少なかったり多かったりしましたが)で紹介してきましたが、「曇りめがね的名盤特集」はその中から作品のチョイスに特に迷ってしまった年をピックアップし、好きな作品を紹介していきます。この企画ではランキング形式をやめ、作品及びその解説を並べていくだけの極めてシンプルな形をとります。何作紹介するかという数も決めていません。
「私的○○年代ベストアルバム」で紹介した作品は解説文がほぼ同じです。既にブログで紹介した作品はそのURLも貼ります。紹介している順番については、管理人が使っているCD管理アプリでのアーティストの並び順です。ご了承ください。また、「○○が入ってない!」という旨の意見は受け付けておりませんのでご容赦ください。

「曇りめがね的名盤特集」第二回は1989年。管理人が思う、アルバムの当たり年です。CDが普及してきたためか、管理人にとっては作品を入手しやすくなったという印象がある年です。名盤と言いたくなるような作品が数多くリリースされた年だと思います。

2019年6月28日、内容を改訂しました。


CHAGE&ASKA
1989-08-25


CHAGE&ASUKA(リリース当時の表記)の12thアルバム。チャゲアスにとってのデビュー10周年記念作品で、オリジナル盤のリリース日はデビュー日とぴったり同じです。今作は2ndアルバム以来のチャート1位を獲得し、後の大ブレイクのきっかけとなりました。そんなアルバムは「LOVE SONG」「PRIDE」「WALK」「天気予報の恋人」を始めとして、ASKAの圧倒的な才能を実感させられるような名曲ぞろい。CHAGEによる曲もアルバムを彩っています。 今作で1990年代前半〜中頃くらいまでのセールス的な全盛期の楽曲のサウンドが確立されたという印象です。


追加!・DOVE「DOVE」

DOVE/ダヴ
DOVE
1989-06-21




DOVEの1stアルバム。「和製The Police」「和製Rush」などと称された3人組ロックバンドです。卓越した演奏技術による、3人でやっているとは思えないほどに分厚いバンドサウンド、幻想的な詞世界が持ち味。1stにして、彼ら独自の世界観を築き上げています。演奏の技術をアピールするような曲が多いのですが、曲自体はあくまでポップ。今でも時代性を感じない曲が揃っています。バンドブームの中で活動していましたが、再評価が望まれるバンドの一つ。



追加!・Date of Birth「GREATEST HITS 1989-1999」

グレイテスト・ヒッツ1989-1999
デイト・オブ・バース
1989-11-25



Date of Birthの2nd(インディーズ時代を含めると3rd)アルバム。タイトルは「未来のヒット曲集」を意味しています。前作「夢と涙の日々」から一転し、全編英語詞による曲が並んでいます。前作ではデジタルサウンドが目立っていましたが、今作はギターサウンドが前面に出ているのも大きな変化。サイケな雰囲気を持った、70年代の洋楽からの影響を感じさせるメロディーやサウンドが展開されています。彼らの持ち味である美しいメロディーは健在。マニアックながらも聴き心地の良い曲の数々がたまらない作品です。



​追加!FAIRCHILD「FLOWER BURGER」

FLOWER BURGER
FAIRCHILD
1989-06-21



FAIRCHILDの2ndアルバム。現在はタレントとして活躍するYOUがボーカルを担当していたバンド。この頃はわかりやすくポップな曲を展開しており、どの曲もとにかくメロディーが強いのが凄いところ。ギターと打ち込みを中心とした、緻密に作り込まれたサウンドとそうしたメロディーの絡みが素晴らしい。構成やテーマはさほど考えず、ひたすらに「いい曲」を並べた印象のある作品となっています。80年代の終わりという時代にしか作れなかった名盤だと思います。



追加!GRASS VALLEY「LOGOS〜行〜」

LOGOS~行~
GRASS VALLEY
1989-06-01



GRASS VALLEYの4thアルバム。ニューウェーブ・ニューロマンティックの色が強い作品を展開してきましたが、今作はこれまでよりもロック色が強くなっているのが特徴。ただ、本田恭之によるポップかつ哀愁を帯びたメロディーは不変です。隙のないタイトなバンドサウンドに加え、幻想的な世界を演出するようなシンセは今でも新しく感じるほど。今までのニューウェーブの路線と、以降のロック色を強めた路線との中間にある作品という印象が強いです。個人的には前作「STYLE」と並んで、GRASS VALLEYの作品の中でも特に好きな方に入ってきます。



追加!・PINK「RED&BLUE」



PINKの5thアルバム。彼らにとってのラストアルバム。福岡ユタカ・岡野ハジメ・ホッピー神山の3人の強い個性が出た曲がバラバラに収録されており、最早コンピレーションアルバムのような感覚を持った作品。当然ボーカルも3人それぞれが担当しています。ただ、楽曲の質はこれまで通り素晴らしいものがあります。こうした作風のため、バンドとしての統一感は全くと言っていいほどありません。3者のバラバラな個性の違いを楽しむべき作品でしょう。



追加!・Prefab Sprout「Protest Songs」

プロテスト・ソングス
プリファブ・スプラウト
2013-10-23

(リマスター)

Prefab Sproutの4thアルバム。2nd「STEVE McQUEEN」のリリースから約2週間後に制作されていたようで、実質的には3rdです。商業的な理由でしばらくお蔵入りになっていました。パディ・マクアルーンのセルフプロデュースによる作品で、アコースティックなサウンドが目立っている印象。そのため、彼の卓越したメロディーセンスや味わい深い歌声が際立っています。地味と言ってしまえばそれまでですが、他のPrefab Sproutの作品には無い魅力を持った作品だと思います。



SING LIKE TALKING
1995-03-25
(再発盤)


SING LIKE TALKINGの2ndアルバム。この頃のSLTはシティポップ色の強い曲が多かったですが、今作はその作風が全面に出ています。1st〜3rdはチャートインせず、SLT側としてもあまり触れられない不遇な立場の作品ですが、その中でも一番完成度が高いと思っている作品が今作です。タイトル通り「都会」をイメージさせる作品となっており、オープニングとラストには雑踏の音が入っています。コンセプトアルバムのような感覚で聴けると思います。


追加!・SOFT BALLET「EARTH BORN」
EARTH BORN
SOFT BALLET
1989-09-25


SOFT BALLETの1stアルバム。EBM(Electro Body Music)からの影響を受けた、ハードかつダークなエレクトロを得意としたユニットですが、その持ち味は1stから遺憾無く発揮されていました。早くも遠藤遼一・森岡賢・藤井麻輝の3人の個性がぶつかり合っています。ただ、わかりやすいメロディーとマニアックに作り込まれたサウンドとが絶妙なバランスで共存しており、それが聴きやすさにも繋がっているように思います。攻撃的で硬質なサウンドやリズムに身を委ねて楽しむのが一番でしょう。



追加!・THE SHAMROCK「Real In Love」

Real In Love
the Shamrock
1989-04-21



THE SHAMROCKの2ndアルバム。高橋一路・山森正之の2人組バンドです。後にシティポップ・AORや渋谷系の要素を取り入れるようになるのですが、この頃はパワーポップ系の曲を展開していました。二人とも作詞作曲やボーカルを担当しており、二人の作風の違いも魅力。爽快感のあるポップロック、哀愁漂うバラードと様々な曲が並んでいますが、メロディーの強さは共通しています。後期は全く違う作風になるわけですが、どちらの路線も名曲揃い。



追加!・The Blue Nile「HATS」

ハッツ
ザ・ブルー・ナイル
1989-11-21



The Blue Nileの2ndアルバム。スコットランドのグラスゴー出身のシンセポップバンド。極端な寡作と作品の圧倒的な完成度で知られています。前作からは5年振りのリリース。彼らにとっての代表曲「The Downtown Lights」を始めとして、夜を思わせる曲が並んでおり、聴いていると夜の世界に吸い込まれていくような感覚があります。ボーカルや全ての音が一切の無駄なく鳴らされており、それが今作の聴き心地の良さを演出しているように思います。そうした音とどこまでも甘く美しいメロディーが絡めば素晴らしいものになるのは言うまでもありません。「夜のサウンドトラック」とでも言いたくなる名盤です。一人で過ごす夜に聴くと、尚更味わい深くなるのでおすすめ。



追加!・XTC「Oranges&Lemons」

Oranges & Lemons
XTC
2001-04-28

(リマスター)

XTCの9thアルバム。前作「Skylarking」からは一転し、終始に渡って爽快なポップロックが展開された作品です。とはいえ、アンディ・パートリッジ、コリン・モールディングによる一筋縄ではいかないどこかひねくれたメロディーやサウンドは健在。それでいてポップで美しい。これこそXTCの大きな魅力でしょう。バンドサウンドは今までにも増して躍動感が増している印象があります。コーラスワークの充実度も相当なもの。XTCに関してはまだまだニワカですが、今作が一番好きな作品です。



追加!スターダストレビュー「IN THE SUN,IN THE SHADE」

In The Sun,In The Shade
スターダスト・レビュー
2011-02-23

(リマスター)

スターダストレビューの7thアルバム。「スタレビ流リゾートアルバム」をテーマとして制作された作品。そうしたテーマだけあって夏をイメージさせる曲が多く、全体的に清涼感のある作風となっています。激しいギターサウンドを前に出さず、キーボードを主体に爽やかな音を作り上げる三谷泰弘のアレンジが今作ではよく合っています。ファン人気の高い作品のようですが、それも頷ける充実感のある名盤です。いつ聴いても楽しめますが、やはり夏に聴くのが一番だと思います。



フリッパーズ・ギター
1989-08-25


フリッパーズ・ギターの1stアルバム。後に小山田圭吾と小沢健二の二人組となりますが、今作をリリースした当時は五人組のバンドでした。1stにして堂々の全編英語詞による作品です。聴いていて思わず胸が高鳴ってしまうような洗練されたネオアコやギターポップが展開されています。洋楽が好きでたまらない青年がその熱意をそのままに表現してしまったような作品だと思います。今となっては渋谷系音楽を代表する存在として伝説扱いされているフリッパーズ・ギターですが、「カメラ・トーク」や「ヘッド博士の世界塔」だけでなく、彼らの原点である今作も名盤です。是非聴いていただきたいです。


久保田利伸
1989-10-08


久保田利伸の1stベスト。本来ベスト盤をこの記事で取り扱うつもりは無かったのですが、このベスト盤はオリジナルアルバム同然に作り込まれているので紹介します。全曲がリミックスされていたり、今作でしか聴けない曲が収録されていたりと未だに価値を失っていません。曲順もかなり凝っているのでオリジナルアルバム感覚で聴けます。CDが普及した当初の作品なので音質が少し悪いのが欠点ですが、それを除けば今でも入門として便利なベスト盤です。



佐野元春の6thアルバム。ロンドンで生活し、現地のミュージシャンと制作されたアルバム。ブリティッシュロックに傾倒した、シンプルなロックンロールが展開された作品です。佐野元春の代表曲といえる「約束の橋」が収録されています。佐野元春ならではの文学的な詞世界も冴え渡っています。ロックナンバーだけでなく、ポップな曲も多いのでとても聴きやすく、ロックアルバムとしてもポップアルバムとしても楽しめる作品だと思います。


追加!・児島未散「key of dreams」

key of dreams
児島未散
1989-12-05



児島未散の3rdアルバム。今作以降は普通のポップスを展開するようになりますが、デビュー当初〜初期は林哲司プロデュースによるシティポップ・AORの要素が強い作風です。アイドル歌謡の要素も感じられるのが特徴。児島未散の柔らかく可愛らしい歌声と、実力派ミュージシャンが数多く参加したことによる上質なバンドサウンドとの絡みはとても心地良いものがあります。​この手の作品はそろそろ再評価されてもおかしくないのではと思っています。



追加!・土屋昌巳「TIME PASSENGER」

タイム・パッセンジャー
土屋昌巳
1989-09-01



土屋昌巳の5thアルバム。これまでの作品とは打って変わって、アラブ音楽への傾倒を見せた意欲作。その要素を、これまでの作品で培ったロックサウンドと共存させた曲が並んでいます。日本語で歌われているのに、異国情緒溢れるメロディーや演奏を楽しめます。その不思議な感覚に引き込まれてしまうこと請け合い。アラブ音楽と聞くとどうしても取っ付きにくく感じてしまいますが、作品自体はあくまでポップ。そのバランス感覚のお陰で、聴きやすい作品に仕上がっています。



大江千里
1989-10-21


大江千里の8thアルバム。今作の前には初となるベスト盤「Sloppy Joe」もリリースされました。前作「1234」で顕著に現れていた内省的な雰囲気を持った曲が減り、ポップな曲がぐっと増えました。大江千里の楽曲の魅力である詞世界の面でも変貌を遂げています。とはいえ後にベスト盤に収録された人気曲が数多く収録されており、ライトリスナーにも親しみやすい作品だと思います。今作に収録されている「今日はこんな感じ」は当ブログのタイトルの由来となっています。


小林武史
1989-10-21





小林武史の2ndアルバム。今となってはプロデューサーとしてのイメージしか無いかもしれませんが、ほんの一時期だけシンガーソングライターとしても活動していました。その時代の2ndアルバム。思わず聴き惚れてしまうようなダンディーな歌声、都会的な雰囲気に満ちたお洒落なポップスを楽しめます。後にプロデューサーとして発揮することとなる、卓越したメロディーセンスやアレンジ能力はこの頃から現れています。J-POPの隠れた名盤と言って良い存在の作品だと思います。
バブルの雰囲気漂うギラギラしたジャケ写はご愛嬌と言ったところですが…ボーカリストとしての小林武史も大好きなので、いつかはシンガーソングライターとして復帰してほしいと思っています。


・山下達郎「JOY」
山下達郎
1989-11-01


山下達郎の2ndライブアルバム。特定のライブの模様を収録した内容ではなく、1980年代に行われた数多くのライブの音源から厳選されたライブ音源のベストのような内容となっています。山下達郎=緻密なスタジオワークというイメージがあるかもしれませんが、今作を聴けばそのイメージは壊されることでしょう。山下達郎の圧倒的な歌唱力、山下達郎本人やバックバンドの卓越した演奏…どれを取っても素晴らしく、感動します。聴いていると当時の会場で聴いていたかのような気分になれます。 管理人にとっては、全てのアーティストのライブアルバムの中で一番好きなのが今作です。
いつかリリースされるはずの「JOY2」が待ち遠しくて仕方がありません。


岡村靖幸
1989-07-14


岡村靖幸の3rdアルバム。前作「DATE」で片鱗を見せた、変態でナルシストな世界観が今作では遂に覚醒しました。全曲の作詞作曲編曲プロデュースだけでなく、演奏まで岡村靖幸自ら行なっています。これはプリンスの影響を受けているのでしょう。そのような点から、岡村靖幸独自の楽曲の世界観が遂に完成したと言える作品です。代表曲と言える「聖書(バイブル)」「だいすき」が収録されています。そのため、 岡村靖幸のオリジナルアルバムの聴き始めにはぴったりな作品。今作を聴いて駄目ならもう岡村靖幸は聴けないと思います。



崎谷健次郎
1989-04-21

崎谷健次郎の3rdアルバム。洗練された都会的なポップスを得意とする崎谷健次郎ですが、今作では本人が「新しい時代のロック」と語っていたハウスミュージックを全面的に取り入れています。そう聞くと取っつきにくい作品のように感じてしまいますが、あくまでポップスの範疇に留められているのでその手のジャンルに詳しくなくても聴きやすい味付けとなっています。今になって聴くと相当に時代性を感じさせるサウンドばかりですが、それは楽しみ方の一つということで。当時の日本の空気すら伝わってくるかのようです。


松任谷由実
1989-11-25


松任谷由実の21stアルバム。前々作から続いてきた「純愛3部作」のラストを飾った作品です。「恋の任侠」テーマとなっており、タイトル通り様々なラブソングが展開されています。現在でも人気の高い「ANNIVERSARY」がラストに収録されているのが印象的です。1990年の年間1位を獲得したアルバムだけあって、全編通してポップな曲ばかりでとても聴きやすい内容です。少々古臭く聴こえてしまう曲がありますが、ユーミンが当時の音楽界の頂点に立っていたことがよく分かるような作品だと思います。


・楠瀬誠志郎「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」
楠瀬誠志郎
1995-03-08(再発盤)

楠瀬誠志郎の4thアルバム。タイトル曲は後に郷ひろみがカバーして有名になりました。サウンド面では、今までの作品よりも打ち込みが目立つようになっています。とはいえ生音とのバランスが取れているのでそこまでは気になりません。その中でもシンセドラムは時代性を感じてしまいますが、曲はその印象すらはねのけるようなポップで爽やかな曲ばかり。ハイトーンな美しい歌声とよく合っています。楠瀬誠志郎はもっと評価されるべきアーティストだと思っていますが、その魅力を知るにはうってつけな作品だと思います。


・横山輝一「YOU GOT IT!」
横山輝一
1989-02-01


横山輝一の4thアルバム。今作がファンハウス時代にリリースされた最後のオリジナルアルバムです。今までもブラックミュージック色の強い曲を放ってきた横山輝一ですが、今作はさらにその路線を強めました。当時のライブのバックバンド・The BARがアレンジに加わっており、よりバンドの息遣いが感じられます。ファンキーな曲とメロウなバラードとのバランスが取れているので飽きが来ません。ポリスター移籍後はより本格的なブラックミュージックをやるようになりますが、ファンハウス時代の作品は王道なポップスが主体となっているので親しみやすい印象です。


追加!・渡辺満里奈「MISS」

MISS
渡辺満里奈
1989-04-07



渡辺満里奈の4thアルバム(ベスト盤・ミニアルバム除く)。これまでの作品と同じく、お洒落なアイドルポップを追究した作風です。ニューミュージック〜シティポップ関連のミュージシャンが多数楽曲制作に関わっているのが特徴。その影響か、BGM的に聴き流すのがたまらなく心地良いメロディーが展開された曲たちが並んでいます。生音とシンセをバランス良く使い分けたサウンド面にも確かな聴きごたえがあります。80年代後半の渡辺満里奈の諸作品は90年代以降の「楽曲派アイドル」に先鞭をつけた作品だと思います。



追加!・田村英里子「May be Dream」

メイ・ビー・ドリーム
田村英里子
1989-07-19



田村英里子の1stアルバム。全曲の作曲を筒美京平が担当しており、後追いで聴いていても「正統派」と思えるほどの直球なアイドルポップが展開された作品。小林武史の関わった作品が好きな自分にとっては、デビュー曲「ロコモーション・ドリーム」を始めとして数曲の編曲を手がけているのも嬉しいところ。田村英里子のかなり安定した歌唱力も相まって、聴きごたえのある曲が並んでいます。この頃には既に王道なアイドルポップは最盛期を過ぎてしまっていたように感じますが、それでもいいものはいい。当時よりも今の方が評価されやすい環境にあるのかもしれません。



・米米CLUB「5 1/2」
米米CLUB
1989-11-11


米米CLUBの5thアルバム。前作「GO FUNK」でのファンク路線をさらに濃厚に突き詰めた印象の作品となっています。ファンクが好きな方でないと馴染めないようなアクの強い曲が揃っていますが、好きな方ならとことんハマれると思います。石井竜也と並ぶもう一人のボーカル・ジェームス小野田がボーカルを担当した曲が実に4曲と多めなのも特徴です。今作以降は段々とポップ性を強めていくので、今作のようなヘビーなファンクが展開されたアルバムは貴重です。ファンの間でもかなり好き嫌いが分かれる作品のようですが、管理人は好きな作品です。


・角松敏生「REASONS FOR THOUSAND LOVERS」
角松敏生
1989-09-06


角松敏生の8thアルバム。前作「BEFORE THE DAYLIGHT」で取り入れられた打ち込みサウンド路線を引き継いだ作品となっています。とはいえ打ち込みと生音とのバランスが取れており、思わず圧倒されてしまうような素晴らしい演奏も随所で楽しめます。角松敏生の王道と言える都会的な雰囲気のあるポップナンバー、メロウなバラード、打ち込みサウンドを取り入れたファンク、沖縄民謡を取り入れた曲など幅広い内容も魅力の一つ。角松敏生の1980年代を締めくくるのにふさわしい作品だと思います。


追加!詩人の血「What if…」

What if・・・
詩人の血-LE SANG D’un POETE-
1989-10-21



詩人の血の1stアルバム。アルバムごとに作風がかなり異なっていますが、1stである今作はニューウェーブの色が強い作風。幻想的で美しいメロディーが展開された曲が多くを占めています。1stアルバムにありがちな「荒削りな感じ」「初期衝動」といった要素は無く、徹底的に作り込まれた緻密なサウンドを堪能できます。どことなくひねくれているのにポップなメロディーや、歌詞の数々は今でも全く古臭さを感じません。



谷村有美
1989-06-21


谷村有美の3rdアルバム。代表曲と言える「がんばれブロークン・ハート」が収録され、セールスの面でも前作から飛躍した作品です。谷村有美はシンガーソングライターとアイドルの要素を併せ持った「B級アイドル」という扱いをされることが多いですが、今作でその路線が確立されたと言えます。谷村有美の透き通るような「クリスタルボイス」に彩られた上質なポップスを楽しめます。後にベストに収録された人気曲が多く収録されている点も魅力。谷村有美ってどんな音楽をやっているの?と疑問に思ったら、今作を聴くとそれがわかることでしょう。


追加!・遊佐未森「ハルモニオデオン」

ハルモニオデオン
遊佐未森
1989-10-08



遊佐未森の3rdアルバム。基本的な作風はこれまでと変わらず、メルヘンチックな詞世界を持った曲が並んでいます。徹底されたコンセプトに基づいた楽曲の構成やアートワークもこれまで通り。幻想的な雰囲気を作り出す遊佐未森の歌声や、余計な部分を一切取り払ったメロディーやサウンドは後にブームとなる「癒し」の先駆けのような印象があります。前作「空耳の丘」と並んで、遊佐未森の楽曲のパブリックイメージを作り上げた作品と言えるでしょう。



・鈴木雅之「Dear Tears」
鈴木雅之
1991-08-23
(再発盤)




鈴木雅之の3rdアルバム。一部の楽曲は小田和正がプロデュースを担当しています。鈴木雅之といえばR&Bやドゥーワップというイメージが強いかもしれませんが、今作はシティポップやAORのテイストが強い作品となっています。曲は小田和正、松尾清憲、安部恭弘、レイ・パーカー.Jr、鈴木雅之本人の5人で2曲ずつ手掛けられています。ソングライターとしてのそれぞれの味が出たメロディーとなっています。そのような個性のある曲たちを完全に自分のものとして表現してしまう鈴木雅之のボーカリストとしての圧倒的な才能も遺憾無く発揮されています。シティポップやAORが好きな方なら聴いて損は無い作品です。


鈴木祥子
1989-04-21


鈴木祥子の2ndアルバム。鈴木祥子はヒット曲はあまりありませんが、優れた音楽性やマルチプレイヤーとしての才能から、同業者からの評価が高いミュージシャンズ・ミュージシャンと言える存在です。PUFFY、草野マサムネ、奥田民生、佐藤竹善、YUKI等が鈴木祥子を評価しています。今作は陰を感じさせるような繊細なボーカルと爽やかなアコースティックサウンドに彩られたポップスが展開された作品です。シンプルなようでいて作り込まれたサウンドや流麗なメロディーは絶品。最早神秘的な雰囲気すら持っている名盤です。


高野寛
1998-09-23
(再発盤)




高野寛の2ndアルバム。前作は高橋幸宏プロデュースによる作品でしたが、今作はセルフプロデュースがされました。一部の収録曲は当時新進気鋭のプロデューサーとして知られつつあった小林武史と制作されています。高野寛の卓越したポップセンスが覚醒した作品です。優れたメロディーを飾る作り込まれたデジタルサウンドは聴いていてとにかく心地良いです。楽曲の要所で使われる装飾音も曲を彩っています。ゆったりとした曲が多いためか、何度聴いても飽きない魅力があります。一聴しただけだと地味に聴こえる曲でも何故か耳に残ってしまいます。まさに珠玉のポップアルバム。管理人の中では高野寛の最高傑作は今作です。


色々な作品を挙げてきましたが、どれもおすすめです。中古屋やレンタル店に出向く際に参考にしていただけたら幸いです。今後追記する可能性がありますので、その際にはツイッター(@fumimegane0924)で報告しつつ加筆修正していきます。