FIELD OF VIEW
1996-10-02


【収録曲】
1.作詞 浅岡雄也・小田佳奈子
2.5.作詞 坂井泉水
3.作詞 山本ゆり
4.作詞 小田佳奈子
6.作詞 牧穂エミ
7.8.9.10.11.作詞 浅岡雄也
全曲作曲 浅岡雄也
1.2.4.作曲 多々納好夫
5.作曲 織田哲郎
1.4.6.8.10.編曲 徳永暁人
2.3.5.編曲 葉山たけし
7.11.編曲 池田大介
9.編曲 安部潤
プロデュース BMF

1.Rainy day ★★★★☆
2.Last Good-bye ★★★★☆
3.ドキッ ★★★☆☆
4.Growin' Love ★★★★★
5.DAN DAN 心魅かれてく ★★★★★
6.Wake up!! ★★★★★
7.PROMISE YOU ★★★★☆
8.Believe myself ★★★★☆
9.夢見続けて今も ★★★★☆
10.The way of my Life ★★★★☆
11.君の声が聴きたくて ★★★☆☆ 

1996年10月2日発売
ZAIN RECORDS
最高位4位 売上36.9万枚

FIELD OF VIEWの2ndアルバム。先行シングル「Last Good-bye」「DAN DAN 心魅かれてく」「ドキッ」を収録。前作「FIELD OF VIEW Ⅰ」からは約1年振りのリリースとなった。

今作はメンバーの変遷を経てリリースされた作品である。「Last Good-bye」をリリースした後に、キーボードの安部潤が脱退した。「DAN DAN 心魅かれてく」は浅岡雄也、小田孝、小橋琢人の3人組でリリースされた。そして、今作の中では最新のシングル「ドキッ」からはベースの新津健二が加入して4人組となった。どうやら「DAN DAN 心魅かれてく」の時点で浅岡雄也は新津健二に会っていたようだ。

楽曲に関してのトピックでは、前作よりも浅岡雄也による曲が増えている。編曲で徳永暁人が参加したのも大きな変化と言えるだろう。そのせいか、前作よりもバンドサウンドが主体となった曲が目立っている印象。


「Rainy day」は今作のオープニング曲。ミディアムテンポのポップナンバー。爽やかなメロディーと骨太なバンドサウンドが絡み合った曲はまさにFOVの王道と言える。イントロから力強いギターサウンドが展開されているのも特徴。歌詞は女友達に恋心を抱いた青年を主人公にしたもの。「悲しんでいるときでも そばに居たい」と思っているが、愛情も友情も大事にしたい。聴くと主人公のことを応援したくなってしまうことだろう。モヤモヤしたテーマなのだが、じめじめとした雰囲気は無い。これは浅岡雄也の歌声やバンドサウンドによるものが大きいと思う。シングルにしても違和感の無いような曲であり、オープニングというポジションにぴったりな曲である。


「Last Good-bye」は先行シングル曲。TBS系番組『世界ふしぎ発見!』のエンディングテーマに起用された。キーボードの安部潤が在籍していた時代の中では最後のシングルである。これまでの2作のシングル曲と比べるとロック色が強くなっているイメージ。力強いメロディーが展開されたバラードナンバー。それでもキャッチーであり、すぐに耳に残るようなメロディーである。作詞は坂井泉水が担当した。歌詞はタイトルからもわかるように、恋人たちの別れを描いたもの。「君を悲しませてるものは すべて消えるよ 出逢った時のように笑っていて欲しい」という歌い出しから何とも切ない。どこか達観してしまったような雰囲気すら漂う。このような曲でさえFOVにかかれば爽やかなものに変えてしまう。ただ聴く分には良い曲だと思うのだが、シングル曲として聴くと少し地味だったのでは?と感じてしまう。


「ドキッ」は先行シングル曲。全日空「ANA'sパラダイス」のCMソングに起用された。ベースの新津健二が加入してから初のシングルにして、作曲は浅岡雄也が担当し、FOVにとって初となるメンバー自作曲のシングルとなった。晴れ渡る夏の空をイメージさせるような爽やかなポップナンバー。サウンドはキーボードが多用されており、かなりポップな仕上がりとなっている。ボーカルに関しては、これまでの曲よりも格段に高音が多くなっている印象がある。少し歌いにくそうな感じが否めない。歌詞は「君」への想いをストレートに語ったもの。「ドキッとしたよ」「クラッとしたよ」から始まるサビはかなりキャッチー。サビ以外では仲間との友情について語られているが、サビになるとテーマがガラッと変わる。その変貌振りにあれっ?となってしまう。 この曲もまた、シングルというには合っていなかったという印象が否めない。C/W曲だったらもっと良い曲だと感じられたかもしれない。


「Growin' Love」はここまでの流れを落ち着けるようなバラードナンバー。繊細なメロディーと力強いバンドサウンドで構成されている。イントロではキーボードが主体だが、段々とギターやドラムが前に出てくる。切なさ漂うメロディーではあるが、サビは比較的キャッチーである。そこは一貫している。歌詞は恋人への想いを語ったもの。「変わり続ける互いの心も 力にしてゆければ」というフレーズが好き。「仕事帰り」というフレーズが曲中にあることから分かるように、もう学生時代の話ではない。学生時代の恋愛と社会人になってからの恋愛では違う。主人公の青年の恋愛への姿勢の変化も描かれており、それが特徴的。 歌詞、メロディー、サウンド、ボーカルとどれを取っても素晴らしく、FOVの隠れた名バラードと言える名曲。


「DAN DAN 心魅かれてく」は先行シングル曲。フジテレビ系アニメ『ドラゴンボールGT』のオープニングテーマ、映画『ドラゴンボール 最強への道』の主題歌に起用された。「突然」と並んでFOVの代表曲と言えるポジションにある曲だろう。聴き手の気持ちをグッと高ぶらせてくれるようなポップナンバー。グイグイと攻めてくるようなキャッチーなメロディーがたまらない。浅岡雄也の突き抜けるような歌声も素晴らしい。作詞は坂井泉水が担当した。ストレートなラブソングとなっている。歌詞の一部はタイアップ相手に寄り添ったような内容である。「果てない暗闇(やみ)から飛び出そう」と歌い上げるサビ終わりの部分はとてつもなく解放感に溢れている。 いつ聴いてもテンションが上がる、最高の応援歌である。


「Wake up!!」は軽快なポップナンバー。アステル関西のCMソングに起用されており、アルバム曲ながら待遇が割と良い。バンドサウンドとピアノとが絡み合うサウンドは思わず体を動かしたくなるような心地良さがある。歌詞は社会人として歩み始めた人たちを応援する内容。「"自由が欲しいよ"と叫んだ過去(ころ)がきっと一番自由だったね だけどそれを教えてくれたのは今日まで重ねた月日」
「どうしても どうしても 嫌なことがあった日は 少しぐらいハメはずしたって いいじゃない」など、名言揃い。歳を重ねるごとに歌詞の良さが身に沁みてさらに良い曲だと感じられると思う。この曲は現時点でも大好きな曲なのだが、さらに好きになるのが楽しみである。


「PROMISE YOU」はしっとりと聴かせるバラードナンバー。作詞作曲は浅岡雄也による。壮大な仕上がりのバラードである。始まりは音の数が少なめで静かに始まり、段々と力強いサウンドになって盛り上がっていく。歌詞は恋人を想う気持ちをどこまでもストレートに語ったもの。忙しい日々が続いて、彼女と会える時がなかったのに、彼女の気持ちは変わっていなかった。「君を傷つけるものから守ろう」「同じ未来(あした)を探そう」と歌い上げる部分は圧倒的なパワーが感じられる。主人公の誠実な人物像が分かるような詞世界である。これまでのバラードと比べても曲の強さが段違いであり、浅岡雄也自作によるバラードの代表曲と言えると思う。


「Believe myself」は爽快なポップロックナンバー。他の曲よりもハネた感じのバンドサウンドが展開されており、かなりロック色の強い演奏となっている。ベースが割と目立って聴こえるのも特徴だろう。聴き手をグイグイと引き込むようなメロディーも良い。歌詞はタイトル通りメッセージ性の強いものとなっている。未知の世界に踏み込む人を応援する内容。「何が待っていても やりたい事やろうよ "空も飛べる"と信じていられた幼きあの日の気持ちで…というサビの歌詞が好き。自分に自信が持てない人こそ素直な気持ちで聴いてみてほしいと思う。


「夢見続けて今も」は先行シングル「Last Good-bye」のC/W曲。浅岡雄也が作詞作曲、安部潤が編曲という体制で曲作りが行われたのはこの曲が最後。この曲を最後に安部潤が脱退することとなる。ミディアムテンポの爽やかな曲となっている。歌詞は同窓会の様子を描いたもの。社会人としてスタートし始めた世代を対象にしているように感じる。仲間とはいえそれぞれ違う夢がある。学生時代の想い出を振り返りつつも、仲間の夢を応援するような詞世界が素晴らしい。聴き手の誰もが共感できる曲だろう。 C/W曲という位置が勿体無く感じられるくらいの名曲である。今作に収録されて良かったと思う。


「The way of my Life」はパワフルなポップロックナンバー。イントロから力強いバンドサウンドが展開されており、聴き手を引き込んでくる。突き抜けていくようなサビのメロディーは絶品。浅岡雄也のハイトーンな歌声も聴き手の気持ちを明るくしてくれる。歌詞は再びの応援歌。夢中になれる「何か」や守っていたい「何か」を探そうともがく人へのメッセージが並んでいる。そのようなものが無くても十分に生きていけるのだが、それが無ければ人生はつまらない。バンドサウンドやボーカルも相まって、歌詞のポジティブさが限りなく強調されていると思う。今作はどうにも応援歌が多い印象だが、ここまで来ても飽きずに聴けてしまう。


「君の声が聴きたくて」は今作のラストを飾る曲。ピアノが主体となった、しっとりと聴かせるバラードナンバー。ピアノ以外の音はかなり少なめである。厳かな雰囲気の漂うサウンドと流麗なメロディーとの相性は抜群。このようなサウンドやメロディーは浅岡雄也のボーカルをこれ以上無いほど引き立てている。歌詞は別れた恋人への想いが語られたもの。地元を離れてからは心を削られていて、「君」に会いたいという気持ちが強くなっている。切ない詞世界が展開されており、聴いていると胸が締め付けられるかのよう。ラストにふさわしい存在感のあるバラードだと思う。


そこそこ売れた作品なので中古屋ではよく見かける。1stよりもバンドサウンドが前面に出て、より勢いに溢れた作品となっている。ブリティッシュロックからの影響がよく現れていると思う。今作はどちらかというとシングル曲よりもアルバム曲の方が冴え渡っている印象がある。浅岡雄也による自作曲も名曲揃い。どんどんバンドとして進化していたFIELD OF VIEWの姿がよく分かる作品だと思う。

★★★★☆