この時期になると1年の間に起きた出来事や自分のことを振り返りたくなるものですが、音楽の話題をメインとしている当ブログではやはり音楽で振り返っていきます。前回は2017年にリリースされた曲を挙げていったわけですが、今回は過去の作品を聴いた中でハマった曲を年代問わず紹介していきます。ただ、それをやるとあまりにも膨大な量になってしまうので、上半期編と下半期編で分けて紹介します。「2017年のベストソング」では曲をかなり長く紹介していましたが、今回は手短に紹介します。

紹介する順番は初めて聴いた順です。youtubeなど動画サイトにアップされているものはそのリンクも貼っておきます。


【1月】


・宮本浩次「タイトでキュートなヒップがシュールなジョークとムードでテレフォンナンバー」(1996年)
作詞作曲:宮本浩次
編曲:佐久間正英&宮本浩次



シンガーソングライター・宮本浩次の1stシングル曲。管理人はこの曲が収録された「綺麗になりたい」よりも先に、2ndアルバム「umbrella」を聴いて宮本浩次の楽曲にハマっていたが、さらにこの曲を聴いて音楽性の幅広さに圧倒された。長いタイトル、焦燥感に満ちたアコギの音色に早口なボーカル、マシンガンのように飛び交う言葉…一回聴いただけでこの曲の独特な世界観に魅せられていた。何度か聴くと、不思議と馴染んで心地良い曲に変わっていた。



・東京Qチャンネル「素直なままで恋をしようよ」(1996年)
作詞:須藤まゆみ
作曲:割田康彦
編曲:小西貴雄・割田康彦



東京Qチャンネルの4thシングル曲。相当にマイナーなユニットだと思うが、楽曲はとにかくヒット性の高いポップな曲ばかり。その象徴と言えるのがこの曲。イントロのキーボードの音色を聴いた時点で管理人は「これは名曲だ!」と予感していた。その予感が確信に変わったのはサビ。メロディーと歌詞のぴったり具合が素晴らしい。ポジティブな詞世界や楽しげに歌い上げる須藤まゆみのボーカルも絶品。今から再評価されても遅くはない名曲。



・小松未歩「Dream'in Love」(1997年)
作詞作曲:小松未歩
編曲:明石昌夫


小松未歩の1stアルバム「謎」のオープニング曲。管理人が最初に聴いた小松未歩の作品が「謎」なのだが、この曲を聴いただけで名盤だと感じた。小松未歩に関してはどの曲を紹介しても良いくらいハマったのだが、特に好きなのがこの曲。キラキラしたシンセサウンドと、ポップを極めたようなメロディー、ふわっとした小松未歩の歌声、ポジティブな歌詞…どれを取っても管理人の好みそのものだった。アルバムのオープニング曲としてはこれ以上無い、理想の曲だと思う。



・岡本真夜「FOREVER」(1996年)
作詞作曲:岡本真夜
編曲:十川知司



岡本真夜の2ndシングル曲。岡本真夜はベスト盤「RISE 1」を聴いてハマったが、それを聴くまでは「TOMORROW」「そのままの君でいて」くらいしか知らなかった。「RISE 1」を聴いた中で最もハマったのがこの曲。十川知司による90年代J-POPの象徴のようなキラキラしたシンセの音、広がりのあるポップなメロディーがたまらない。飾り気のない、ストレートなメッセージが並んだ歌詞は岡本真夜の王道そのもの。岡本真夜に関しては決して詳しくはない管理人だが、一番好きな曲。



【2月】


・FIELD OF VIEW「もう一度」(1997年)
作詞:小田佳奈子
作曲:多々納好夫
編曲:明石昌夫


FIELD OF VIEWの1stベスト「SINGLES COLLECTION+4」に収録された新曲。爽やかでどこか切ないポップナンバー。FOVは長らく「突然」と「DAN DAN 心魅かれてく」しか知らない状態だったが、そろそろ聴き込んでいこうと思い立って「SINGLES COLLECTION+4」を入手した。そのオープニングを飾るのがこの曲。FOVの王道と言える爽やかな曲ですぐにハマった。そして、「オリジナルアルバムを集めよう!」と思った。今ではこの曲以上に好きな楽曲があるが、FOVに深くハマっていくきっかけになった曲だけに思い入れが深い。



・サイコベイビーズ「ボクらは何処へ行くのだろう」(1996年)
作詞作曲:黒須チヒロ
編曲:サイコベイビーズ



サイコベイビーズの5thシングル曲。かなりマイナーなバンドだと思うが、フォロワーさんの布教によって名前を知り、この曲が収録されている3rdアルバム「フラワーズ」を手に取った形。ポップで優しい曲揃いだったのだが、オープニング曲であるこの曲が特にハマった。爽やかなメロディーやアコギの音色、広がりのあるサビ、歌詞とメロディーとのぴったり感に引き込まれた。曲からどことなく漂う切なさは黒須チヒロの歌声の影響だろうか。このまま埋もれてしまうには惜しい名曲だ。



・亜波根綾乃「大きな風」(1996年)
作詞:片岡大志
作曲:関淳二郎
編曲:十川知司


亜波根綾乃の1stシングル曲。フォロワーさんに紹介されて名前を知り、その方が絶賛していた1stアルバム「A-ray」を入手した。90年代ガールポップの名盤というべき内容だったが、特に好きなのがこの曲。雄大な景色を想像させる、広がりのあるメロディーが心地良い。何より素晴らしいのは亜波根綾乃の歌声。デビュー当時15歳というのには驚きしかない。「透明感」「心地良さ」「力強さ」「響き」「美しさ」「表現力」…ありとあらゆる要素を持った歌声だと思う。この曲はそのような歌声の魅力をどの曲よりも引き出している。



・堂島孝平「ロンサムパレード」(1997年)
作詞作曲:堂島孝平
編曲:中山努・堂島孝平


堂島孝平の6thシングル曲。堂島孝平は「葛飾ラプソディ」しか知らなかったが、フォロワーさんの布教によって「天才ポップス職人」と言って良いほどのアーティストだと知り、この曲が収録された3rdアルバム「トゥインクル」を聴いた。管理人はこの1曲だけで堂島孝平の虜になってしまった。ベースの重厚な音や高らかなホーンを始めとしたサウンド面もそうだが、「"ポップ"とはこうだ!」と主張するかのようなそのメロディーに圧倒された。「この部分はこのフレーズ以外無い!」と思わせるような言葉の当てはめ方の上手さも圧巻である。堂島孝平については他の曲も紹介したかったが、泣く泣くこの1曲のみとした。



・アップル&ペアーズ「ときには空」(1996年)
作詞作曲:岡田純
編曲:白井良明・アップル&ペアーズ


アップル&ペアーズのメジャーデビューシングル曲。全く知らないバンドだったものの、フォロワーさんの布教で名前を知った。そして、スピッツやL⇔Rを彷彿とさせる温かみのあるポップスばかりですぐにハマった。1stアルバム「りんごとなし」はその魅力を余すところなく楽しめる名盤だが、そのラストを飾るこの曲が本当に好きだ。ポップでどこか懐かしさのあるメロディー、メッセージ性のある詞世界…「どこかに 針の正しい時計 落ちてはいませんか 時々 思うように 流れてはくれないから」という歌詞はまさに名言。ささくれ立った心を優しく包んでくれるような力がある名曲。



・キンモクセイ「二人のアカボシ」(2002年)
作詞作曲:伊藤俊吾
編曲:キンモクセイ&澤近泰輔


キンモクセイの2ndシングル曲。キンモクセイにとっての最大ヒット曲である。管理人はバンドの名前は知っていたが、この曲すら聴いたことのない状態だった。いざ聴いてみたら往年のシティポップ・AORの王道のようなサウンドやメロディーで、1回聴いただけでハマった。伊藤俊吾の美しい歌声もメロディーの良さを実感させてくれる。演奏の聴きごたえやサビの高揚感は他の追随を許さないものがある。どこか幻想的な夜明けの世界を想像させる歌詞も素晴らしい。この曲だけが突出して売れたせいで残念ながら一発屋扱いされているが、再評価されるべきバンドである。


・いきものがかり「いつだって僕らは」(2012年)
作詞作曲:山下穂尊
編曲:田中ユウスケ・近藤隆史
弦編曲:岡村美央


↓CM動画

いきものがかりの22ndシングル曲。この曲が収録された5thアルバム「NEWTRAL」を入手する前から、ユーキャンのCMソングに使われていたのでサビだけは知っていた。その頃から何となく好きな曲だったのだが、放牧宣言を受けてアルバムを集めるようになってそのポップ性に魅かれた。高揚感溢れるサビのメロディーやホーンの音色、前向きなメッセージが並んだ歌詞はJ-POPの極致と言っていいほど。ニワカリスナーの管理人なので、いきものがかりの楽曲=水野良樹というイメージが強かった。しかし、この曲は山下穂尊が作詞作曲を担当した。どちらも優れたメロディーメーカーであることを再認識させられた名曲。


・rough laugh「sometime somewhere」
(1999年)
作詞作曲:西沢サトシ
編曲:rough laugh
ブラス・ストリングスアレンジ:吉田潔


rough laughの4thシングル曲。(前3作はインディーズ扱いになることが多く、この曲がメジャーデビュー曲とされることも)ジャズのテイストを持ったお洒落な音作りや美しいメロディーが印象的なバラードナンバー。イントロのギターの音色は切なさや儚さを感じさせる。ホーンやストリングスも曲をドラマチックに盛り上げている。この手のサウンドが好きな管理人にはたまらない。恋人を失ったことに対する後悔や孤独が少々キザに描かれた歌詞は絶妙に男心を表現している。そのような魅力がある曲なので、ふと感傷に浸ってしまう際に聴きたくなる曲である。 今聴いても全く古臭さの無い、エバーグリーンな名曲。



・SCUDELIA ELECTRO「GOOD BYE NAUTILUS -さよならノーチラス号」(1997年)
作詞作曲:石田小吉
編曲:SCUDELIA ELECTRO 

↓この曲を使った演劇集団キャラメルボックスによる演劇。
SCUDELIA ELECTROの1stアルバム「SCUDELIA ELECTRO」のオープニング曲。石田ショーキチの才能はSpiral Lifeの作品を聴いてわかっていたが、SCUDELIA ELECTROはどうだろうと思って聴いたのが1st。そのオープニングがこの曲であり、この曲の格好良さに終始鳥肌を立てて聴き入ってしまった。サイレンのような音と激しいギターサウンドが絡み合うイントロからワクワクが止まらない。石田ショーキチの渋くて色気のある歌声も好き。何より、この曲に限ったことでは無いが、石田ショーキチの作品はどれもメロディーが凄い。この曲ほど淀みなく流れていく、美しくポップなメロディーはそうは無い。聴けば無条件にワクワクさせられる、高揚感に満ちた名曲。



・黒沢健一「WONDERING」(1998年) 
作詞作曲:黒沢健一
編曲:黒沢健一・遠山裕



黒沢健一のソロデビューシングル曲。思わず聴き惚れてしまうような美しいメロディーが心地良いバラードナンバー。ブリティッシュロックからの影響を感じさせるバンドサウンドやストリングスも聴きどころ。L⇔Rの活動休止〜ソロデビューの間の心の葛藤を描いたような、内省的な歌詞も素晴らしい。「心は すぐにゆがめられて いつも 馴れ合いの中に まぎれてゆく」という歌詞が特に好き。一言一言を噛み締めるような、丁寧な黒沢健一のボーカルは曲に風格を与えている。管理人は黒沢健一のソロに関しては決して詳しくはないが、それでもソロの中で一番好きな曲。



【3月】


・the pillows「彼女は今日,」(1997年)
作詞作曲:山中さわお


the pillowsの9thシングル曲。ピロウズはMr.Childrenやスピッツとの交流が深いため、長らく名前くらいしか知らなかった。唯一知っていた「ストレンジ カメレオン」が収録された「Please Mr.Lostman」を入手して聴いて好きになった。名曲揃いだったが、中でも最も好きなのがこの曲。オルタナロック色の強いギターサウンドが展開されたポップナンバーだが、この曲の好きなところは歌詞。情けない片想いの感情を描いたものだが、気になる女性に話しかけられない姿は管理人を見ているかのよう。 「ジョークなんて通じるかな 想像しても しくじるのは怖いから言わないよ」「何度も確かめたけど やっぱりちゃんと 隣に存在してた 夢じゃないよ」という歌詞はあまりにも共感できすぎて聴く度に笑ってしまう。



・小林武史「ひまわり」(1988年)
作詞作曲編曲:小林武史

小林武史の1stアルバム「Duality」の収録曲。今でもプロデューサーとして大活躍する小林武史も、シンガーソングライターとして活動していた時期があった。小林武史が最も得意としていると感じる、ミディアムナンバー。浮遊感のあるシンセとキレの良いギターサウンドとの絡みが心地良い。美しく隙のないメロディーやサウンドは絶品。

初めて聴いた時に何よりも驚いたのは、小林武史の歌声の渋さ。色気があって格好良い歌声である。管理人にとっては、ネタ抜きで「理想の男性ボーカル」と言える存在。小林武史はすぐにシンガーソングライターとしての活動を終えてしまったわけだが、気が向いたら自分で歌ってほしいと思ってしまってならない。



・CALL「僕に必要なもの」(1995年)※1993年にインディーズでリリースされた。
作詞作曲:櫻井茂雄
編曲:CALL・門倉聡・岩崎琢


CALLの1stシングル曲。CALLは全く知らなかったが、フォロワーさんに「オフコースやチューリップみたいな音楽性」とオススメされ、この曲が収録された1stアルバム「IN MY STYLE」を入手した。そのオープニングを飾っていたのがこの曲。美しくポップなメロディーに分厚いコーラスワークが好みそのもので、すぐCALLにハマった。間奏の骨太なギターソロもたまらない。7分近い大曲なのにその長さを全く感じない上に、いつ聴いても古びない良さがある。90年代J-POPの隠れた名曲と言っていい曲だと思う。



・WANDS「FLOWER」(1995年)
作詞:上杉昇
作曲:柴崎浩
編曲:葉山たけし


WANDSの4thアルバム「PIECE OF MY SOUL」のオープニング曲。フォロワーさんの間でこのアルバムは人気が高く、それに便乗する形で手に取った。この曲のイントロが流れた瞬間に、これまで聴いてきたWANDSの作品とは全く違うことを悟った。心の闇をさらけ出すような詞世界や、オルタナやグランジからの影響を感じさせるギターサウンドが印象的な格好良さと闇を持ったロックナンバーだが、「I HATE MY SOUL&MY HEART」と叫ぶサビはキャッチーそのもの。 この曲が好きになった途端に、「PIECE OF MY SOUL」の世界にも引き込まれた。



【4月】


・関口誠人「FOLK SONG」(1988年)
作詞作曲:関口誠人
編曲:SHERBET TONE


関口誠人の1stアルバム「FOLK SONG」のオープニングを飾るタイトル曲。発売後にはシングルカットもされた。管理人はC-C-B時代の作品すらロクに聴いたことがない状態で1stアルバムを入手して聴いた。タイトルはフォークソングだが、メロディーやサウンドはウエストコーストロックを彷彿とさせる、爽快で上質なもの。時代性は全く感じない。アルバム自体も当時の東京の様子が何となくわかるようなコンセプトアルバムで、名盤だと感じられた。C-C-Bは奇抜なファッションからアイドルバンドというイメージを持ってしまっていたのだが、それはソロには当てはまらなかった。関口誠人はもっと評価されるべきアーティストだと感じた名曲。



・PEPPERLAND ORANGE「夏の魔法」(1998年)
作詞作曲:佐久間誠
編曲:小室和幸


PEPPERLAND ORANGEの2ndシングル曲。「ポカリスエット」のCMソングに起用された代表曲。タイアップ通りの爽やかなポップナンバー。ロック色の強い骨太なバンドサウンドが逆にそのポップ性を高めているように感じられる。青春時代の恋模様の輝きを切り取ったような詞世界は聴いていて恥ずかしくなるほどに眩しい。管理人は4月にこの曲に出逢えたので、この曲が真価を発揮する夏に聴くことができた。しかし、管理人はこの曲ほど輝かしい夏は過ごしていない。そのギャップがこの曲に切なさを与えた。 これからも夏になったらこの曲のキラキラ感に負けてしまうことだろう。ただ、負けても良いと感じてしまうくらいの名曲である。



・HIKARI「ライカ」(2000年)
作詞作曲編曲:HIKARI



HIKARIの3rdシングル曲。HIKARIは作曲家や編曲家として活躍しているが、シンガーソングライターとして活動していた時期もあった。唯一のアルバム「Good-bye Sputnik」を入手し、SFのようなワクワク感に満ちた世界観を楽しんだが、そのラストを飾る名バラード。一切の余計なものを取り払ったサウンドや、悲しいほどに美しいメロディーに魅かれた。「最後の夜」をテーマにした詞世界は曲の切なさを何よりも表現している。恐らく、恋人との別れを宇宙犬ライカと重ねて描いたものだろう。HIKARIがまたシンガーソングライターとして活動してほしいと思ってしまう名曲。



【5月】


・MILKRUN「夜空へと」(2002年)
作詞作曲:MILKRUN
編曲:土方隆行・MILKRUN


MILKRUN(後にAUDIO RULEZと改名)の1stシングル曲。全く名前を知らないバンドだったが、フォロワーさんの紹介で名前を知ってこの曲が収録された1stアルバム「くちびるに歌をもて」を入手した。中でも一番好きになったのがこの曲。ただの別れとは思えないほどに壮大な描写がされた歌詞が印象的なバラードナンバー。それはもはや「挽歌」と言った方がいい程である。コーラスワークやストリングスも曲を壮麗に盛り上げる。ただ壮大なだけでなく、ポップな味付けとなっているのも魅力的。 2000年代にも素晴らしいポップバンドが存在していたことを知るきっかけになった名曲。



・PAMELAH「BABY BABY」(1996年)
作詞:水原由貴
作曲編曲:小澤正澄


PAMELAHの2ndアルバム「Pure」のオープニング曲。初期ELTのようなシンセポップが好きなので、それと似た音楽性ということでPAMELAHを知った。人気の高い「Pure」は一回聴いただけで耳に残るような完成度の高い曲が揃った名盤だったが、そのオープニング曲であるこの曲が特に好き。ポップかつせわしない曲調の中に言葉が詰め込まれている感覚が聴いていて心地良い。シンセとギターサウンドの絡みはPAMELAHの王道だが、それも冴え渡っている。この1曲だけでPAMELAHにハマったと言っていい。今でもPAMELAHの一番好きな曲である。



・河村隆一「ジュリア」(2001年)
作詞作曲: ЯK
編曲:土方隆行・ЯK&[K]assyi


河村隆一の7thシングル曲。河村隆一は1stアルバム「Love」を聴いて好きになったが、2ndアルバム「深愛〜only one〜」は聴いたことがなかった。「Nē」「恋をしようよ」を始め好きな曲が多い作品だが、特にハマったのがこの曲。河村隆一のパブリックイメージを壊したいという思惑でリリースされた曲らしいが、それにふさわしいインパクトの強いPVが印象的。ポップでキャッチーを極めたような爽やかなメロディーやシンプルなバンドサウンドに引き込まれた。
当時の恋人だったモデルの松田樹里のことを歌ったとされる歌詞はナルシストそのもの。それを別の女性と結婚した今でも大切に歌い続けているのは流石と言うほかない。



・Dorothy Little Happy「STARTING OVER」(2014年)
作詞作曲編曲:磯貝サイモン


https://m.youtube.com/watch?v=kD7a8jcW0sM(2分52秒〜3分37秒くらいまで)

Dorothy Little Happyの2ndアルバム「STARING OVER」のタイトル曲。そのアルバムはあるフォロワーさんにとって大きな存在の作品のようで、その影響を受けて手に取った。アイドルのアルバム=構成を無視した「楽曲集」という偏見があったが、アルバム「STARTING OVER」はそれを打ち破ってくれた。構成の良さと一曲一曲の完成度の高さを併せ持った名盤だが、最も好きなのはタイトル曲であるこの曲。磯貝サイモン作詞作曲による壮大なバラードだが、何よりも素晴らしいのは高橋麻里の訴求力溢れるボーカル。一気に心を掴まれ、鳥肌を立てながら聴いてしまう。Dorothy Little Happyは遂に高橋麻里のソロになってしまったわけだが、これからの活動を不安と期待の両方を抱きながら見守っていきたい。



・MOON CHILD「アネモネ」(1997年)
作詞作曲:佐々木収
編曲:MOON CHILD・浦清英


MOON CHILDの6thシングル曲。シリアスな雰囲気があるヒット曲「ESCAPE」の次にリリースされた曲だが、一転して爽やかなポップナンバー。「ESCAPE」から聴き始めたリスナーは面食らったことだろう。売上が下降した原因かもしれない。しかし、美しい夏の光景を描いた歌詞や、キャッチーかつ開放感に満ちたメロディーが大好き。キラキラしたシンセの音色やアコギの音色も曲の爽やかさを演出している。 MOON CHILDの音楽性の幅広さはアルバムを聴かずともシングル曲を順当に聴くだけでわかるが、その中でもこの曲が一番好き。どうにも「ESCAPE」だけの一発屋扱いされがちだが、それがあまりにも歯がゆい。



・L'Arc〜en〜Ciel「flower」(1996年)
作詞作曲:hyde
編曲:L'Arc〜en〜Ciel・小西貴雄


L'Arc〜en〜Cielの5thシングル曲。リリース当初、hydeが「この曲が売れなきゃ世の中が間違っている」と語ったほどに売れ線に寄ったポップナンバー。その甲斐もあってか、sakuraが在籍していた頃のシングルでは最大の売上を記録した。バンドサウンドやハーモニカ、キーボードが最高のバランスで調和したサウンドは一切の隙が無い。思わず聴き惚れるほどに美しいだけでなく、親しみやすいメロディーは圧巻。ロマンチックで耽美的な歌詞の世界観もこの曲の大きな魅力。ラルクは著名なヒット曲しか知らないニワカだが、この曲は大好きで今のところの最高傑作だと思っている。 1998年頃にリリースしていたら、ダブルミリオンを達成していたのでは…と真剣に考えることがある。



・ザ・カスタネッツ「One-piece」(1999年)
作詞:牧野元
作曲編曲:ザ・カスタネッツ


ザ・カスタネッツの9thシングル曲。メジャーでリリースされた最後のシングル。爽快なギターポップナンバーだが、ストリングスも全面的に導入されている。バンドサウンドとストリングスは共存するのが難しく、お互いに潰し合ってしまうこともあるが、この曲では最高のバランスで鳴っている。牧野元の情感のこもったボーカルは、前の恋人への想いを語った歌詞の味わい深さを高めている。カスタネッツはフォロワーさんに布教されて聴き始めてハマり、1stアルバム〜4thアルバムまで入手したが、その中で最も好きな曲。



・真心ブラザーズ「空にまいあがれ」(1996年)
作詞作曲:倉持陽一
編曲:真心ブラザーズ


真心ブラザーズの15thシングル曲。真心ブラザーズは名前と「サマーヌード」しか知らないという状態だったが、ベスト盤「B.A.D.(Bigger and Deffer) 〜MB's Single Collection」を聴いてハマった。爽やかなギターサウンドや浮遊感のあるエレピの音が心地良いポップナンバー。メロディーが好きなのだが、それ以上にこの曲が歌詞が素晴らしい。失恋した時の感情を描いたものだが、失恋以外で心が傷ついた時にも通用するものだと思う。夕暮れ時に一人で歩きながら聴きたくなる。 「大したことなどないのさ やりやすいことから少しずつ 大した人などいないのさ」という歌詞が特に好き。温かみと力強さのあるYO-KINGのボーカルも相まって、優しく親しみやすいメッセージソングになっていると思う。真心ブラザーズはまだまだニワカの域を脱していないが、この曲が一番好き。



・川本真琴「1/2」(1997年)
作詞作曲:川本真琴
編曲:石川鉄男



川本真琴の3rdシングル曲。川本真琴にとっての最大ヒット曲。1stアルバム「川本真琴」を聴くまでは、その名前と独特なキャラクターは知っていたものの、曲に関してはあまり聴き覚えの無い状態だった。本人と同じく独特な世界観を持った曲ばかりだったが、1stアルバムを聴いて一番ハマったのがラストを飾っているこの曲。アコギをかき鳴らし、可愛らしい歌声で言葉を畳み掛ける曲だが、サビの高揚感がたまらない。そこで一気に心を掴まれてしまった。思春期の少女の恋心を描いた歌詞は思わず危ない感情を抱いてしまいそうなほどに微笑ましく、可愛らしい。いくらでも解釈する余地を残した歌詞なのも魅力的。メディアで取り上げられても、川本真琴本人に注目されがちで楽曲が注目されない印象が否めないが、再評価されるべきだと思う。



【6月】


・太陽の塔「太陽が昇ったら…」(1997年)
作詞作曲:太陽の塔
編曲:河野利昭&太陽の塔

太陽の塔の7thシングル曲。何ともインパクトのあるバンド名だが、ブルースやソウルのテイストの強い曲を数多く生んだバンド。その中でもこの曲は群を抜いてポップ性の強い曲。シンプルなバンドサウンドと夜明けのように幻想的なエレピの音色が絡んだサウンドはポップなメロディーをさらに魅力的なものにしている。そこまでテンポの速い曲ではないが、不思議と疾走感がある。せっかく流した涙を星に変えに行こう」「何も変わらなくもいい だけど前に進もう」など、優しいメッセージが並んだ歌詞も素晴らしい。動画が無いので説得力が無いが、90年代J-POP屈指の隠れた名曲である。3rdアルバム「Sun」に収録されているので、見かけたら是非とも入手していただきたい。



・SMILE「明日の行方」(1995年)
作詞作曲:浅田信一
編曲:SMILE


(PV)
https://m.youtube.com/watch?v=Cc-YVxNzf0s(ライブ映像)

SMILEの1stシングル曲。今となっては音楽性はそこまで似てはいないと感じるが、「ポストミスチル」と呼ばれていて気になったのでSMILEのアルバムを手に取った。他にも紹介したい曲があるが、聴き込むきっかけになったこの曲にさせていただく。美しくポップなメロディーと浅田信一の渋く力強い歌声に魅かれた。センチメンタルな詞世界は青春時代の一ページを切り取ったような味わいがある。メロディーやバンドサウンド、歌詞とどれも普遍性に満ちており、今聴いても古臭さを感じないだけの強さがある曲。SMILEは再評価されても良いだけの曲が揃ったバンドだと思う。



・Letit go「200倍の夢」(1995年)
作詞:Letit go・佐藤あつし
作曲:佐藤あつし
編曲:亀田誠治


Letit goの2ndシングル曲。ポカリスエットのCMソングに起用された。そのタイアップが付いただけあって、爽やかなポップナンバー。サウンドやアレンジだけだとZARDの楽曲かと思ってしまうほど。ギターサウンドや煌びやかなシンセの音色は90年代J-POPの王道であり、一回聴いただけでそれに魅せられた。八塚りえの伸びのある美しい歌声はサビの開放感を演出している。管理人はこの曲と6月に出逢えたので、今年の夏はこの曲を聴いて過ごせた。清涼感が暑い夏の日のお供にぴったりだった。

後追いで聴くと、これ程の王道な曲が何故売れなかったのだろう?と思ってしまう。あまりにも実働期間が短かったからだろうか。



上半期編は以上です。2017年は今回紹介した以外にも、数え切れないほど多くの名曲に出逢えました。これからも新旧問わず沢山の素晴らしい音楽に出逢えることを願って、今回の記事を終えます。