5 AHEAD 通常盤
TOKIO
2001-12-05

5 AHEAD 初回盤A
TOKIO
2001-12-05

5 AHEAD 初回盤B
TOKIO
2001-12-05


【収録曲】
2.3.12.作詞作曲 久保田光太郎
4.作詞作曲 安部純
5.作詞作曲 城島茂
6.13.作詞作曲 HIKARI 
7.作詞作曲 TWUNE
8.作詞 おちまさと・Bill Martin・Philip Coulter
9.作詞 おちまさと
10.作詞作曲 国分太一
11.作詞 城島茂(Original Words John Peppard and Marwenna Diame)
14.作詞作曲 つんく
8.作曲 阿瀬研一・Bill Martin・Philip Coulter
9.作曲 清水昭男
11.作曲 John Peppard and Marwenna Diame
2.編曲 久保田光太郎
3.編曲 久保田光太郎&KAM
4.編曲 KaaTo
5.編曲 吉岡たく
6.編曲 HIKARI 
7.編曲 久保幹一郎
8.編曲 船山基紀・永見竜生
9.編曲 石塚知生
10.編曲 国分太一&KAM
11.編曲 知野芳彦
12.13.編曲 KAM
14.編曲 高橋愉一
プロデュース JULIE K.
14.プロデュース つんく♂

1.5 AHEAD 省略
2.HEY!Mr.SAMPLING MAN ★★★★★
3.DR ★★★★★
4.どいつもこいつも(Album Version) ​★★★★☆
5.Baby blue ​★★★★★
6.04515 ​★★★★☆
7.Only One Song ★★★★☆
8.カンパイ!! ★★★★☆
9.Sugarless LOVE ★★★☆☆
10.T2 ​★★★☆☆
11.36℃ ★★★☆☆
12.メッセージ ★★★★★
13.Symphonic ​★★★★★
↓ボーナストラック
14.ひとりぼっちのハブラシ(Acoustic Version)/桜庭裕一郎 ★★★★★

2001年12月5日発売
2009年6月24日再発(通常盤のみ)
ユニバーサルミュージック
J Storm(2009年盤)
最高位8位 売上9.4万枚

TOKIOの7thアルバム。先行シングル「どいつもこいつも」「メッセージ/ひとりぼっちのハブラシ」「カンパイ!!」「DR/Only One Song」を収録。「どいつもこいつも」と両A面だった「ボクの未来」は未収録。前作「YESTERDAY & TODAY」からは1年10ヶ月振りのリリースとなった。初回盤A・Bはボーナス8cmCDが付属。ジャケ写やトークの内容は少し異なるが、収録曲は変わらない。

今作はユニバーサルミュージックに移籍して初めてのアルバム。これまではアイドルとしての要素を強く打ち出した曲が多かったものの、今作辺りからはバンドとしての姿を前面に押し出すようになった。いつになくパワフルなバンドサウンドが展開された曲も多くあるのが特徴。


「5 AHEAD」は今作のオープニングを飾るタイトル曲。演奏するための準備をしている様子を録音したものだろう。そのため「曲」というには疑問符がつく。「音」と言うべきか。ただ、これから何かが始まる…というワクワク感に溢れた音である。


「HEY!Mr.SAMPLING MAN」は激しいバンドサウンドが新鮮なロックナンバー。聴き手の心をグイグイ引っ張っていくかのような、衝動に満ちたバンドサウンドには圧倒されてしまうこと請け合い。しかし、メロディーも相当にポップ。サビだけでなく、曲の全体を通してもかなりキャッチーな仕上がり。そのバランス感覚があるからこそ、違和感無く楽しめるのだろう。
歌詞は「Mr.SAMPLING MAN」に語りかけているもの。主人公は変身願望を持っているようだ。それを叶えるためには、Mr.SAMPLING MANの力が必要なのだろうか?アイドル要素を取っ払い、ロックバンドとしての「変身」を遂げたTOKIOが歌うことで、この曲の格好良さがさらに増しているように感じる。「変身」した姿を楽しめるアルバムの実質的なオープニングという立場にふさわしい曲である。


「DR」は先行シングル曲。長瀬智也が主演を務めたTBS系ドラマ『ハンドク!!!』の主題歌に起用された。装飾音を取り払った、ストレートなバンドサウンドが展開されたポップロックナンバー。ポップに仕上げようと装飾音が増えてしまいがちなシングル曲の中で、この曲ほど無骨なロックナンバーは珍しい。バンドサウンドは激しいが、メロディーはとても親しみやすい。全体を通じて爽快感のあるメロディーやサウンドである。
歌詞は努力を続ける人への応援歌と取れるもの。タイアップ相手に合わせたのか、サビは「ドクター」に問いかける形式。どんな逆境でも笑顔で乗り越えてしまえそうな、そのような力が感じられる詞世界である。
自分がTOKIOの作品の中で最初に聴いたのが今作なのだが、冒頭の2曲でその格好良さに魅せられてしまった。


「どいつもこいつも(Album Version)」は先行シングル曲。TOKIOが司会を務めたフジテレビ系番組『メントレG』のテーマソングに起用された。ユニバーサルミュージックに移籍後、初のシングル。シングルバージョンは聴いたことが無いものの、そちらとはボーカルのパート分けが異なるようだ。ダンスミュージックの要素も取り入れられたポップナンバー。一度聴けばすっかり耳を離れなくなる、キャッチーを極めたサビのメロディーは絶品。ホーンや打ち込みサウンドといった装飾音がかなり目立っているが、骨太なバンドサウンドもしっかりと存在感を発揮している。
やさぐれたイメージのあるタイトルに反し、歌詞はストレートな応援歌。「言い訳するのは趣味じゃない」「嘆いてばかりじゃ進まない」といった歌詞はとても格好良い。サウンドが曲のポップ性を思い切り高めており、その感覚がたまらない曲。


「Baby blue」は作詞作曲を城島茂が担当し、メインボーカルを山口達也が務めた曲。メンバーの中では最も付き合いの長かった山口達也に「山口がメイン・ボーカルをとった代表作になるように!」という想いを込めて作ったという。親しみやすく優しさに溢れたメロディーが心地良いミディアムナンバー。シンプルなバンドサウンドがそのメロディーの訴求力を高めている。
歌詞は城島茂が通うバーの店員の体験を基にしたものだという。別れた恋人のことを忘れられずに苦しむ男性の心情が描かれている。繊細な情景描写がこの曲では冴え渡っている。「男の哀愁」「情けない男」を前面に押し出した詞世界がたまらない。
城島茂のメロディーメーカーとしての実力の高さがよくわかる曲だった。もう少し早く自作に振り切ってほしかった…と思ってしまったほど。今作のアルバム曲の中でも特に好きな方に入ってくる。


「04515」は長瀬智也と国分太一のツインボーカルによるロックナンバー。タイトルは「OASIS」を意味する。何故かはよくわからないが、恐らく字の形が似ているからだろう。ポップでありつつも歪みのあるギターサウンドが曲を牽引しており、それはブリットポップを想起させる。訴求力に満ちた、力強いメロディーは演奏を引き立てている。他の曲と比べて少し高めな国分太一のボーカルが印象的だが、それによって長瀬智也の歌声との絡みが上手くまとまっているように感じる。
歌詞は散文的で意味はよくわからない。1日の終わりを描いたものだと思っている。ネガティブなフレーズが並んでいるが、最後は「何はどうあれきっと明日は そう 素晴らしい世界」とまとめている。今作の中でも特にロック色の強い曲だと思う。TOKIOとHIKARIの相性の良さを実感できる曲。


「Only One Song」は先行シングル曲。「DR」とは両A面シングルだった。フジテレビ系番組『メントレG』のテーマソングに起用された。ラップを取り入れたポップロックナンバー。この手の曲をやるとどうしても打ち込み主体になってしまいそうなのだが、この曲ではバンドサウンドとラップが共存している。サビになると普通のボーカルになるのだが、そのメロディーは極めてキャッチーなもの。サビの開放感は素晴らしいものがある。
歌詞は10代向けの応援歌という印象。「もう戻らない振り返らない 新しい明日に会おう」という歌詞はどこまでも優しく、力強い。この手の曲はTOKIOというよりも嵐がやっていそうなイメージがあるのだが、これはこれで良いと思える曲。


「カンパイ!!」は先行シングル曲。キリン 「ラガービール」のCMソング、TBS系番組『ガチンコ!』のエンディング、TBS系番組『ファイトTV24・やればできるさ!』のオープニング、TBS系番組『C・C・C カークラッシュクラブ』のエンディングと多数のタイアップがついた。
ベイ・シティ・ローラーズの「Saturday Night」にオリジナルのメロディーを追加したロックナンバー。半日本語詞カバー・半オリジナルと言ったところ。ちなみに、原曲の歌詞は一切残っていない。力強いバンドサウンドが前面に出たアレンジと、聴き手に高揚感を与えるようなメロディーの相性はぴったり。
歌詞はあらゆる世代の聴き手への応援歌。ひたすら「カンパイファイトファイトイェイ」と言っている熱い歌詞である。ところどころで内省的なメッセージが登場するのが印象的。体育会系ノリの男臭い応援歌と言った感じの曲ではあるが、爽やかさも残っているのが流石。


「Sugarless LOVE」は松岡昌宏がリードボーカルを担当した曲。色気を前面に押し出した詞世界が印象的なロックナンバー。聴き手に迫ってくるような、重厚なベースやギターサウンドがこの曲の世界観を構成している。派手に盛り上がるようなメロディーではないのだが、それでも一定のキャッチー性は保っている。そこはやはり一貫している。
歌詞は前述したように、官能的なイメージを持ったもの。「抱かれて抱かれて激しく 流行りを買っては今日を売る」という歌詞は中々に濃厚である。20代前半のアイドルが歌うには少々きつい印象の詞世界だが、それでも違和感無く歌いこなしてしまうのは松岡昌宏ならでは。歌声の魅力を実感できる曲だと思う。


「T2」は国分太一が作詞作曲を担当したロックナンバー。編曲にも共同という形で参加している。最初はジャズのテイストを持ったピアノがゆったりと流れるが、途中で叫び声が入って激しいバンドサウンドが合流する…という構成はかなりのインパクトがある。様々なロックナンバーが並ぶ今作だが、その中でも最もテンポが速い。目まぐるしい曲調の変化に対応できるメンバーもかなり凄い。
歌詞は仕事に遅刻してしまったT2を描いたもの。タイトルはどうやら、国分太一のマネージャーのことらしい。急ぐのだが、結局「もうどうしようもない」と諦めてしまう。遅刻した時の心情が手に取るようにわかる。焦燥感と微笑ましさの両方を持った独特な詞世界は、マネージャーをモデルにしたから生まれたのだろうか。ライブで演奏されたら、きっと盛り上がる曲だろう。ノリの良さが段違いである。


「36℃」はしっとりとした曲調で聴かせるバラードナンバー。洋楽カバーのようだが、原曲が何かは分からなかった。それに城島茂が日本語訳詞をつけた形。ただ、原曲に沿った訳詞ではないという。メンバー全員にソロパートがあり、サビでは全員のコーラスを楽しめる。他の曲だとわかりにくいものの、この曲だとメンバー個々の歌声の魅力なわかるはず。耳に優しく届いてくるような、温かみのあるメロディーが心地良い。アコギの音色が、そのメロディーをさらに繊細なものにしてくれる。
歌詞は過ぎた夏の日の恋を回想したもの。「切なくて幼くて急ぎすぎた二人」という歌詞からは、主人公の後悔が伝わってくる。原曲の歌詞はわからないが、曲調とぴったり合った訳詞になっていると思う。今作の中では少し地味な印象が否めないが、一曲単位で聴くと心に沁みてくる。


「メッセージ」は先行シングル曲。松岡昌宏が主演を務めたTBS系ドラマ『天国に一番近い男(天国編)』の主題歌に起用された。骨太なバンドサウンドが前面に出たロックナンバー。歪みのあるギターサウンドが曲の中を駆け抜けている。当時のシングル曲にしては珍しくクールなイメージを押し出した曲となっており、後のシングル曲の先鞭をつけた形。それでも、親しみやすいメロディーは失われていない。
歌詞は恋人への「メッセージ」が綴られたもの。『誰にあてたメッセージ 「君の為のメッセージ」 なんにあてたメッセージ 「夢の為のメッセージ』…と、問いかけて答える形式のサビの歌詞はインパクトがある。メインボーカルを務める長瀬智也の歌声がまた格好良い。この曲のクールなイメージを演出していると言っていいだろう。
後追いで聴くと普通なのだが、リアルタイムで聴いていたらかなりの衝撃があった曲だと思う。TOKIOの新たな王道を作った曲ではないか。


「Symphonic」は実質的なラストを飾る曲。壮大なロックバラードナンバー。重厚な曲調で始まるが、サビは一気に盛り上がる。その変貌ぶりは圧巻。ストリングスのような音が入っており、それもまた厳かな雰囲気を引き出している。どんどんパワフルになっていくバンドサウンドには圧倒されるばかり。一部ではボーカルが加工されており、曲に心地良い違和感を与えている。
歌詞もまた、壮大なイメージを持ったもの。「多分想像を超えて行くのさ まだ見ぬ世界」「僕ら奏でる雑音」といったフレーズが印象的。ファンへのメッセージだと解釈しているのだが、自分たちの演奏を「雑音」と言い切ってしまうのは衝撃的。
聴く度に心に響いてくるようなタイプの曲だと思う。今作の実質的なラストを飾るにふさわしい。TOKIOとHIKARIが名コンビだということを決定づけた名曲と言ってしまおう。


「ひとりぼっちのハブラシ(Acoustic Version)」は先行シングル曲。ボーナストラック扱いでの収録となった。長瀬智也が主演を務めたフジテレビ系ドラマ『ムコ殿』の劇中歌として作られた。長瀬智也の役名である「桜庭裕一郎」の名義でシングルがリリースされており、TOKIO名義でも初のシングルチャート1位を獲得した曲である。参加しているのは長瀬智也のみ。
タイトル通り、アルバムバージョンで収録されている。ほぼピアノのみで構成された、極めてシンプルなサウンドが展開されている。思わず聴き惚れてしまうような、繊細で美しいメロディーの魅力を最大限に引き出す演奏である。力強くも哀愁を帯びた長瀬智也の歌声も、この曲では特に映えている。
歌詞は恋人と別れた男性の心情が描かれたもの。今まで通り二つ並んだハブラシなのに、傷んでいくのは自分が使っている一本だけ。生々しくも切ない詞世界は、聴き手が主人公になったかのような感覚にさせてくれる。
ボーナストラックだけあって、本編の流れからは完全に外れている印象。とはいえ、名バラードなのは認める他ない。



大ヒットを記録した作品というわけではないが、中古屋ではそこそこ見かける。これまでの作品に比べても大幅にロック色が強くなったが、それと同じくらいポップ性も高まっている。ロックナンバーだけでなく、バラードやアコースティックな曲、ラップ入りの曲に至るまで幅広い作風も魅力的。そのどれも高い完成度を誇っており、まさに名盤。ロックバンドとしてのTOKIOを楽しみたいなら、まずは今作を聴くのが良いと思う。

​★★★★★