Sweet Dolce (初回限定盤A)
上野優華
2017-01-11

Sweet Dolce (初回限定盤B)
上野優華
2017-01-11

Sweet Dolce (通常盤)
上野優華
2017-01-11


【収録曲】
1.作詞 鈴木エレカ・上野優華
2.5.7.作詞 上野優華
3.作詞 宇津本直紀
4.6.作詞 岩里祐穂
1.作曲 Shingo Mochizuki・鈴木エレカ
2.作曲 菊谷知樹
3.作曲 小高光太郎
4.作曲 Masakazu Sugawara・GCHM
5.作曲 上野優華
6.作曲 中野ゆう
7.作曲 SigN・関根佑樹
1.編曲 Shingo Mochizuki
2.編曲 菊谷知樹
3.編曲 関根佑樹・小高光太郎
4.編曲 池田大介
5.編曲 時乗浩一郎
6.編曲 中野ゆう
7.編曲 関根佑樹
3.ストリングスアレンジ 関根佑樹
エグゼクティブプロデュース 竹中善郎

1.だって君のカノジョだもん。 ★★★★★
2.恋する Pretty Girl(album ver.) ​★★★☆☆
3.恋日記 ​★★★★★
4.見えない花 ★★★★☆
5.やくそく(album ver.) ​★★★★★
6.翼をもって生まれた者たち ★★★★★ 
7.Song for You ★★★★☆

2017年1月11日発売
キングレコード
最高位52位 売上0.1万枚

上野優華の1stミニアルバム。先行シングル「恋日記」を収録。前作「U Colorful」からは1年振りのリリースとなった。
フォトブック及び18歳のバースデーライブの模様が収録されたBlu-rayが付属の初回盤A、MVやジャケ写のメイキング映像が収録されたDVDが付属の初回盤B、「星たちのモーメント」のア・カペラバージョンがボーナストラックとして収録された通常盤の3形態でのリリース。自分は初回盤Aを所持しているため、それに沿って書いていく。

上野優華曰く、タイトルは「甘い」「優しい」「素敵」というイメージがあるようだ。今作はそのタイトル通り、甘い雰囲気や可愛らしさを前面に押し出した作品となっている。それはジャケ写を始めとしたアートワークにも顕著に現れている。

今作の特徴は、前作よりも上野優華本人による作詞が増えていること。共作も含めると、7曲中4曲。それによって、ラブソングの説得力や訴求力が高まったように感じる。段々と自作に向かっていこうとしているのだろうか。また、全曲のサウンドが生のバンドサウンド主体で構成されているのも特色である。今では割と珍しい要素だと思う。


「だって君のカノジョだもん。」は今作のオープニング曲。発売前にはMVも公開されており、今作のリード曲と言える存在。爽快感溢れるポップナンバー。サビはもちろんのこと、どの部分を切り取ってもかなりキャッチーなメロディーが展開されている。シンプルなバンドサウンドは、上野優華の可愛らしい歌声をより引き立てる役割を果たしている。
歌詞は少し頼りない年上の彼氏と同棲している女性の心情を描いたもの。全編が話し口調なので、聴いていて照れくさくなるほどである。「甘ったるい」と感じるほどに幸せ全開な詞世界も相まって、聴いているこちらが色々と言われているような感覚になる。特に、甘えん坊な性分の男性には心に響くものがあると思う。自分は心に響いたので、気持ち悪い笑みを浮かべながらこの曲を聴いてしまう。「主観モノラブソング」とでも言うべき名曲であり、甘く優しい今作の作風を象徴するような曲だと思う。


「恋する Pretty Girl(album ver.)」は配信で先行リリースされた曲。アッパーな曲調で聴き手に高揚感を与えるポップロックナンバー。全編を通して盛り上がりのあるメロディーが展開されている。骨太なギターサウンドがこの曲のサウンドを牽引しており、メロディーそのものの明るさをより引き立てている。ライブでは盛り上げ担当として定番になりそうな感じ。
歌詞はタイトルからも想像できるように、恋に恋する少女を描いたもの。少女漫画が大好きだという上野優華自らが作詞しただけあって、そういったものへの憧れが前面に押し出された詞世界になっている印象。「待ってるだけじゃ つまんない」という、かなり積極的な「女子」が描かれているが、本人もそのような人物像なのだろうか。そうだとしたら、自分の勝手なイメージ通りである。今作の中でも、アイドルのノリが特に前面に出た曲。歌詞で描かれた「女子」の姿を良いと感じられるかで、この曲の評価が決まると思う。


「恋日記」は先行シングル曲。しっとりとした曲調で聴かせるバラードナンバー。聴き手の心をぐっと掴むような、穏やかながらも力強さのあるメロディーがたまらない。サウンド面では、どこか切ない音色のシンセとストリングスが主体となっている。ストリングスが全面を覆うのではなく、メロディーにふんわりと乗っかっているようなイメージがある。
歌詞は遠距離恋愛を描いたもの。恋人に伝えきれない想いを日記に綴る…というテーマで、淡々とした印象の敬語を並べた形。作詞は宇津本直紀が担当したが、上野優華が色々と意見を出して歌詞を作り上げていったという。リリース当時は18歳。子供にも大人にもなりきらない時期と言えるが、その時期にしか表現できないような切なさを持った詞世界となった。
可愛らしさ、力強さ、美しさ…様々な魅力を併せ持った上野優華の歌声がこの曲では特に映える。訴求力に溢れた歌声で、この曲の世界観を構成している。バラードシンガーとしての上野優華の実力を実感させてくれるような名バラードである。


「見えない花」は繊細さを感じさせるミディアムナンバー。キャッチーでありながら、美しさも併せ持ったメロディーが心地良い。音の数はそこまで多くは無いものの、その分だけ全ての音が無駄なく鳴らされている印象がある。この曲でもストリングスが効果的に用いられ、曲をより華やかなものにしている。この曲の聴きどころはコーラスワークにある。後半の1分10秒程度はラララ…のコーラスで構成されているのだが、本人も含めて多くのコーラスが参加しており、曲の美しさを高めている。
歌詞はそれぞれが持つ夢を「見えない花」に例えたもの。応援歌と取れる内容だが、より壮大なイメージがある。「前を向こう 誰に笑われたっていい 手をのばそう 誰に無理だと言われても」という歌詞が特に好き。凛とした雰囲気を持った上野優華の歌声によって、歌詞の一言一言に説得力や強さが生まれていると思う。


「やくそく(album ver.)」は18歳のバースデーライブの来場者限定で配布されたシングルに収録されていた曲。そのため、一般リリースは今作が初。2016年〜2017年のVリーグオフィシャルソングに起用された。上野優華自ら作詞作曲を手がけた初めての曲。開放感に満ちたポップロックナンバー。スポーツ関連のタイアップにふさわしい爽やかさを持っている。思わず何処かへ駆け出したくなるような、高揚感のあるサビは初の自作とは思えないほどである。聴き手の心を昂ぶらせてくれるようなバンドサウンドと、流麗なストリングスの絡みは曲に確かな強さを与えている。
歌詞は聴き手を励ます言葉が並んだもの。「僕らなら」「君と」「一緒に」といったフレーズが多く登場するのだが、そこから想像できるように、聴き手と同じ視点に立って一緒に頑張ろうとするイメージを持った詞世界である。この辺りには上野優華の人柄が現れているかもしれない。
自作ということで多少贔屓目になってしまっているのを抜きにしても、それでも特に好きな曲。これからの自作にも期待するしかない。


「翼をもって生まれた者たち」は力強い曲調で聴き手の心を掴むポップロックナンバー。自分はタイトルだけ見て壮大なバラードだと思ってしまったのだが、それとは真逆である。「アニメとのタイアップがついている」と言っても違和感の無いほどにキャッチーなメロディーが展開されている。パワフルかつ疾走感のあるバンドサウンドは、メロディーそのものの開放感を演出している。中でも、ギターサウンドはメロディーやボーカルと共に駆け抜けるような形で存在感を放っている。
歌詞はメッセージ性の強いラブソングと言ったところ。「君」と出会ったことへの喜びや、初めて分かったことが綴られている。「君と見るこの空が好きだ 聞こえる風が好きだ」と歌い上げるサビはそれが顕著。曲調に沿った、スケールの大きな詞世界である。
シングルと言っても違和感の無いほどの「強さ」がある曲だと思う。今作の収録曲の中でもかなり好きな方に入る。


「Song for You」は今作のラストを飾る曲。しっとりとした曲調で聴かせるバラードナンバー。繊細かつ美しいメロディーは思わず聴き惚れてしまうほどである。クレジットはされていないものの、ピアノが主体となった厳かなサウンドで聴かせる。その脇を、他のバンドサウンドやストリングスが固める形。
歌詞は上野優華自身によるもの。「自分自身のことをもっと深く書く」というテーマで作詞したという。慣れない都会での生活の中でも、自分のことを支えてくれる人たちとの関わりの中で強くなれた…というような詞世界。そして、これからの決意も語られている。徳島県から上京してきた上野優華だからこそ作り出せた詞世界だと思う。これまでに無いテーマだったので、かなり作詞に苦戦したようだが、その苦労に見合った詞になっている。他の地域から上京してきた方には、特に心に響くものがあるはず。ラストにふさわしい存在感のある曲だ。


上野優華はアイドルともアーティストとも断定できない独特な立ち位置の存在で、優れた歌唱力が持ち味である。その歌唱力を活かしたバラードを得意としている。そのあまり、作品がバラード一辺倒になってしまうという弊害もあるのだが、今作は様々な曲調を揃えた形。7曲(通常盤は8曲)入りのミニアルバムながら、それによってフルアルバムのような聴きごたえや満足感がある。全曲が確かな完成度や存在感を持っているのもその理由。
曲ごとに違う魅力を出していく、上野優華のカラフルな歌声が今作では特に映える。そのため、上野優華の魅力を知るにはうってつけの作品と言える。コンパクトな長さの作品でもあるので、聴きやすいのも強み。今作を聴けば、他の作品も聴いてみたいと思えるはず。

​★★★★★


ここからは私的な話となる。

ツイッター(@fumimegane0924)でいつもお世話になっているフォロワーさんが上野優華に突然ハマって布教を展開するようになったので、その影響で名前や曲名は知っていた。そして、他のフォロワーさんもその影響を受けて上野優華を聴いてハマるようになった。今度は自分の番と思って、その方が上野優華の作品の中でも特に好きだという今作を聴いてみたところ、かなり自分好みの曲や歌声だったので自分もあっさりハマった。収録曲の一部は入手する前から聴いていて好印象だったので、ハマるという気はしていたが。中古でも作品の価格は高いものの、他の作品も聴こうと思っている。最後に、上野優華の名を広めてくださったフォロワーさんに感謝して今回の記事を締める。