【収録曲】
全曲作詞 藤田千章
4.作詞 佐藤竹善
全曲作曲 佐藤竹善
全曲編曲 SING LIKE TALKING
14.ホーンアレンジ 森俊之
15.オーケストラアレンジ 岩城直也
プロデュース SING LIKE TALKING

1.Vox Humana ​★★★☆☆
2.魔力 ​★★★★★
3.回想の詩 ★★★★★ 
4.One Day ★★★★☆
5.月への階段 ​★★★★★
6.Hello ★★★★☆
7.The Love We Make ★★★★☆
8.Through The Night ★★★★★ 
9.涙の螺旋 ★★★★☆
10.Dearest ★★★★☆
11.89番目の星座 ​★★★★★
12.Luz ★★★★☆
13.The Great Escape ★★★★★
14.風が吹いた日 ​★★★★☆
15.闇に咲く花〜The Catastrophe〜feat.サラ・オレイン(Single Version) ★★★★☆

2018年8月22日発売
ユニバーサルミュージック
最高位20位 売上不明

SING LIKE TALKINGの4thベスト。期間限定スペシャル・パッケージを含めた4種類の形態でリリースされた。形態の詳細はこちらをご覧いただきたい。https://singliketalking.jp/news/93431

今作はSLTのデビュー30周年記念として制作・リリースされた。ベスト盤「REUNION」シリーズの3作目であり、10thアルバム「METABOLISM」以降の曲から選曲されている。

選曲については最大公約数的なものを目指したようだ。佐藤竹善は「シングル曲やドラマのタイアップ曲に限定して、僕らの音楽を聴く入り口として聴いてもらいやすい作品を中心に選んでいる」と語っている。アルバム曲もファンか
らの人気が高かった曲を選んでいるようだ。

楽曲の感想については、今作がアルバム初収録曲となる「Vox Humana」のみにさせていただく。


「Vox Humana」は2018年リリースのシングル曲。タイトルはラテン語で「人間の声」を意味する。アフリカの民族音楽のテイストと、エレクトロの要素を混ぜたサウンドが特徴。静かに聴かせる部分と激しい演奏を楽しめる部分の両方があり、終始曲に引き込まれてしまう。メロディー自体は地味な感じなのだが、やはりサビはそれなりにキャッチーな仕上がり。
歌詞は「声を発すること」の大切さについて語られた、メッセージ性の強いものだと思っている。「何気ないようなひとことが 凶器にも救いにもなる だから自分も悩むだろう だから一緒に歩ける 目の前のキミを必ず大切にしよう」という歌詞が突き刺さる。コミュニケーションについて色々と言われることが多い今だからこそ響く歌詞だと思う。
曲だけ聴いているととてもシングル曲には思えないのだが、不思議と何度でも聴きたくなるような魅力がある。その独特な存在感が印象的。


様々な形態があるので、聴き込みの度合いで何を入手するかを選んだ方がいいと思う。全てのアルバムを持っている自分は「スペシャル・エディション-Deluxe Edition-」を選んだが、初めて聴く方には「Anthology」ほどではないが中々に重量級である。今作で選曲されているのは、セールスが落ち着いて安定期に入ってからの作品。一回聴いただけでは良さがわかりにくい曲も多い。一曲一曲のインパクトの強さで言うなら「SECOND REUNION」の頃が圧倒的。今作に知っている曲・好きな曲があるというような理由でもなければ、初めて聴く方にはそちらをおすすめする。

「3rd REUNION」の選曲については、かなり真っ当なものになった印象。SLTのキャリアを通じても屈指の異色な作品と言える「METABOLISM」からの選曲も、特有のアクを抜いた選曲となっている。選び過ぎない程度のバランスなので、オリジナルアルバムに手を伸ばす前に聴くにもいいと思う。

​★★★★☆