ありがとう
田嶋里香
1996-04-24


【収録曲】
全曲作詞 田嶋里香
1.作曲 松本俊明
2.作曲 小泉誠司
全曲編曲 小泉誠司
1.ストリングス編曲 三宅一徳
プロデュース 長門秀介

1.ありがとう ​★★★★☆
2.大好き ​★★★★★
3.ありがとう(Original-Karaoke) 省略
4.大好き(Original-Karaoke) 省略

1996年4月24日発売
東芝EMI
最高位不明 売上不明

田嶋里香の5thシングル。前作「忘れないでね」からは5ヶ月振りのリリースとなった。

田嶋里香は1994年にデビューした女性歌手。今作リリース当初は18歳だったため、その容姿も活かしてアイドル的な売られ方もされていたのかもしれない。結局、歌手としてはシングル9作、アルバム2作を残した。アルバムとしては今作が最後。CM出演や、深夜ドラマで主演を務めたこともあったようで、女優としても活動していたと思われる。その後は名義を変更して活動していたようだが、近況は不明。

田嶋里香の持ち味は、透き通るような歌声にある。「お嬢様っぽい」と思ってしまうような、どことなく上品さを感じさせる歌声である。なおかつ、可愛らしさも持っている。この手の女性ボーカルは沢山いそうで、意外といないもの。


「ありがとう」は表題曲。壮大なバラードナンバー。温かみがあって美しいメロディーが心地良い。それでいて、サビはしっかりと耳に馴染む仕上がり。ストリングスやアコギをフィーチャーしたサウンドが展開されており、静かながらも盛り上がりのあるサウンド面となっている。
歌詞は恋人への感謝が綴られたもの。「いつも想う 小さな幸せ 言えないけれど うれしいの」「つないだ手と手から言葉よりももっと 大切なこと 伝わってくるわ」といった歌詞は何とも微笑ましく、幸せな感じが伝わってくる。
突き抜けるようにポップな前シングル表題曲から一転して、バラードとなった。ただ、どちらもしっかりと表現してしまう歌声が素晴らしい。



「大好き」は表題曲とは打って変わって、爽快なポップナンバー。一度聴けばすぐに口ずさめそうなほどにキャッチーなサビは表題曲かと思ってしまうほど。この時代ならではのキラキラしたシンセと、そのバックで存在感を放つ渋いギターサウンドの絡みがたまらない。メロディーそのもののポップさをさらに高めてくれるようなアレンジである。
歌詞はタイトルからも想像できるように、頑張っている「あなた」を応援しつつ、「大好き」と伝えるもの。田嶋里香の歌声が好きな殿方が聴けばニヤニヤしてしまうこと請け合い。かく言う自分もついついニヤニヤしながら聴いてしまう。
こういうアイドル色の強めな路線をあざといと思ってしまう方もいらっしゃるだろうが、それでも好きなものは好きだ。自分にとっての理想の女性ボーカルと言える存在に「大好き」なんて言われて、ハマらないはずがないだろう。タイトルだけ見て魅かれてこのシングルを入手したが、後悔なんて一切無かった。



ネットで購入したため、中古屋での遭遇頻度はわからない。ただ、田嶋里香のシングル自体ほとんどお目にかかれるようなものではないのは事実。
田嶋里香は90年代のガールポップという、今ではほとんど顧みられることのないジャンルに括られたアーティストだが、今でも似たような歌声の持ち主には中々出逢えない。そのため、このまま作品が埋もれてしまうのはあまりにも惜しい。8cmシングルという既に埋もれかかっているメディアとなれば尚更だ。「大好き」が2ndアルバム「Greetings」に未収録となったのが悔やまれる。
アルバムを入手して歌声に魅せられた方には是非とも入手していただきたい。決して損はしないだろう。