今回の記事はツイッター・ブログの両方でお世話になっているいつものわたしさんのブログに影響された形。以前の「あの頃、僕と、ポケモンと。-ポケモン不思議のダンジョン 青・赤の救助隊BGMマイベスト-」も彼の影響を受けて書いた。
↓ いつものわたしさんの記事。


どちらの記事も読みながら「どうして俺はこれを思いつかなかったんだ?」と思わされるような題材で、読み終えた直後に自分も同じ題材で書こうと決めた。


音楽作品のジャケットと聞くと「ジャケ買い」という言葉が思い浮かぶ。ただ、これをしたことはほとんど無い。自分は万年金欠青年なので、よほど羽振りがいい時にしかできない。しかし、ジャケ写を軽視しているわけではない。スマホに音楽を取り込む際も、アートワークが表示されないと何となくモヤモヤして追加する癖があるし、パッケージとして所有して飾りたいと思う作品も多い。

ジャケ写が好きな作品は一定数あるが、今回の記事では9作に絞って紹介する。自分でも微妙な数字だと思う。ただ、これは以前ツイッターで流行っていた「#私を構成する9枚」に合わせた形。
芸術には相当に疎い人間なので、決してジャケ写を詳細に語れませんがご了承ください。


スピッツ「フェイクファー」(1998)
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ツイッターで自分と長く繋がっている方なら、このジャケ写が自分のアイコンだったことを覚えていらっしゃるかもしれない。何を隠そう、自分の一番好きなジャケ写がこれ。
メンバーが面接して田島絵里香というモデルに決まったという。可愛らしく、美しく、どこか儚い表情が印象的。一緒にいてふと「あ…この人のこと好き…」と感じた瞬間を切り取ったようなイメージがある。それが作品の世界にも通じているように思う。初回盤のデザインもまた素晴らしい。この表情で覗き込まれたら自分は吸い込まれてしまいそうだ。
↓初回盤のジャケ写
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スピッツは今作以外にも「名前をつけてやる」「とげまる」などジャケ写が好きな作品が多くある。『スピッツのデザイン』というアート本も出ているようで、いつかは手に取ってみたいと思う。


Instant Cytron「Change This World」(1995)
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絵本の一ページのようなとても可愛らしいジャケットで、それこそジャケ買いしてしまいそうなほど。自分はこの作品を入手してからしばらく机の上に置いていたのだが、それを見たのか母親や姉もこのジャケ写が好きだと言っていた記憶がある。
このジャケ写については、「小さい頃に見た夢」というようなイメージを持った。大人になると見えなくなってしまう「何か」が描かれている感じ。荒井由実の「やさしさに包まれたなら」には「小さい頃は神さまがいて 不思議に夢をかなえてくれた」という一節があるが、それを見事に言い表していると思う。このジャケ写を見るとその一節を思い出す。


サニーデイ・サービス「サニーデイ・サービス BEST 1995-2000」(2013)
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「東京」「サニーデイ・サービス」辺りもジャケ写が好きな作品の一つだが、彼らの作品の中だと今作が一番好き。恐らくアートディレクターの小田島等が手がける作品が自分好みなのだろう。
このジャケ写については、こういう風景に憧れるという一言に尽きる。桜並木の下を歩きながら「東京」でも聴きたくなってくる。あわよくば彼女と。そうした空想を掻き立てられるようなジャケ写だと思う。自分だけかもしれないが、サニーデイの曲は幸せなラブソングでもどこか妄想のように感じられる。このジャケ写の光景も男性の妄想なのだろうか。そうであってほしいと願うひねくれた自分がいる。


・くるり「THE PIER」(2014)
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今作のタイトルは「桟橋」を意味している。世界の何処にでも繋がっているような感覚さえある写真だ。ここまで旅に出たくなるようなジャケ写も珍しい。これを撮影したのがメンバーのファンファンだと知った時には驚くばかりだった。しかもiPhoneで撮影されたという。
アルバム自体は様々な国の音楽の要素を取り入れた多国籍サウンドが展開されており、まさに「音楽の旅」をしているような作品。そのイメージとよく合ったジャケ写だと思う。これ以外のジャケ写だったら、作品自体もそこまで好きになっていなかったかもしれない。


Oh!Penelope「Oh!Penelope」(1995)
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渋谷系と言われるようなジャンルの作品は凝ったアートワークが多い印象で、内容そのものだけでなくジャケ写も好きな作品が数多くある。今作も例に漏れずそのパターン。(彼らが渋谷系に括られるかどうかは微妙だが)1stにして最後となったフルアルバム「Milk&Cookies」と迷った末に今作を紹介することとした。
↓「Milk&Cookies」のジャケ写
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Oh!Penelopeの曲からはどこか無邪気な雰囲気が感じられる。そのイメージに合った可愛らしいジャケ写だと思う。また、歌詞が無ければとても日本の曲とは思えない曲ばかりで、見たことも無い異国の風景を浮かべながら聴いている。このジャケ写が撮影されたのは何処なのだろう?


高橋徹也「夜に生きるもの」(1998)
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ここまでとは趣向の異なるジャケ写を。ジャケ買いどころか、買い控え(「ジャケ控え」とでも言うのだろうか?)してしまいそうだ。事件現場のようなジャケ写を見ただけでも只事ではなさそうな感じがするが、作品もやはり不穏な雰囲気に包まれている。倒れている高橋はもちろん、辺りに散らばっている落ち葉も良い味を出している。
高橋本人の述懐によると「明け方の新宿」で撮影されたという。このジャケ写を手がけたのは、前述したスピッツの作品や椎名林檎の作品などで知られる木村豊(Central67)とカメラマンの浅川英郎。「フェイクファー」のそれとは方向性が全く違っていて、その引き出しの幅広さに圧倒される。


ここからは海外の作品。


Prefab Sprout「Andromeda Heights」(1997)
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「Andromeda Heights」は今作を制作していた頃に作られた、パディ自前のスタジオの名前でもある。ジャケ写にもある満天の星のように、幻想的かつロマンティックな雰囲気を持った曲が今までよりもさらに増えている。ここまで夜空を美しく描いたジャケ写もそうは無いと思う。ロマンティックなだけでなく、どこか哀愁も感じられる。そのせいか、今作は秋〜冬の夜によく聴きたくなる。
ジャケ写の話からは遠ざかってしまうが、タイトルも好き。いつか自分がアパートを買うとしたら「ハイツアンドロメダ」と名前をつけたいくらい。元ネタがわかる人がどれだけいるのだろう。


The Blue Nile「Hats」(1989)
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Prefab Sproutと同じく、こちらも夜をイメージさせるジャケ写。夜の街を歩いていて、ジャケ写のような人物と出逢ったら驚いてしまいそうだが…「夜」という言葉から想像されるミステリアスな雰囲気を見事に表現したジャケ写だと思う。今作そのものの世界も的確に表現している印象。
ちなみに、今作の収録曲にして彼らの代表曲である「The Downtown Lights」のシングルのジャケットはこの人物を正面から映したもの。こちらは「ミステリアス」というよりも「怖い」という感想の方が先に出てしまう。
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↑シングル「The Downtown Lights」のジャケ写


Deacon Blue「Raintown」(1987)
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メンバーの出身地であるスコットランドのグラスゴーの風景だと思われる。また、タイトル曲はグラスゴーの光景を歌っており、彼らの出身地に対する思い入れの強さがうかがい知れる。この手の風景によるジャケ写は基本的にどれも好きなのだが、今作は特に好き。タイトルが青色の字で書かれているのも良い演出。
自分がこのジャケ写から受けた影響はかなり強い。今まで興味の無かったグラスゴー及びスコットランドに興味を持ち、さらには行きたいと思うほどになった。Deacon Blueだけでなく、前述したThe Blue NileやFairground Attractionのエディ・リーダーなどグラスゴー出身の好きなアーティストが多くいるのも大きい。


他にも色々と印象に残っているジャケ写が多くあるが、今回はこれで終了。普段はあまり扱わないことを正面切って書いたため、とても楽しかった。いつか次回を書くかもしれない。