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※「世界に一つだけの花」が「髪を切る日」に差し替えて収録されている(曲順は「花水木」と「No.1」の間)

【収録曲】
全曲作詞作曲 槇原敬之
※編曲クレジットは無いが、全曲槇原敬之が担当している(3.は西平彰・槇原敬之)
スーパーバイザー 槇原敬之

※星評価は今作初収録の曲のみとさせていただく。

1.遠く遠く(桜ヴァージョン) ★★★★★
2.世界に一つだけの花
3.桜坂
4.LOVE LETTER
5.どんなときも。
6.花水木
7.No.1
8.キミノテノヒラ ★★★☆☆
9.雷が鳴る前に
10.夏のスピード ​★★★★☆
11.SPY
12.ひまわり
13.CLASS OF 89 ★★★☆☆
14.くもりガラスの夏
15.Witch Hazel
16.花火の夜 

2013年3月20日発売
ワーナー
最高位14位 売上3.0万枚

槇原敬之の12thベストアルバム。今作の約4ヶ月前にリリースされた「秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない」の続編。

今作はタイトル通り、春と夏を思わせる曲で構成されたベスト盤。選曲はアンケートによるものだが、結果は公開されていない。前半は春、後半は夏という構成だと思われる。


収録曲の感想については、今作がアルバム初収録となった曲のみにさせていただく。


「遠く遠く(桜ヴァージョン)」は2001年リリースの23rdシングル「桃」の初回盤のみ収録されていたC/W曲。この曲は2006年にも再録されているが、そちらとは異なって原曲との変化はかなり地味。原曲に入っていなかった音が少し聴こえる…?くらいであり、それなりに聴き込まないと違いが分からないと思う。


「キミノテノヒラ」は1994年リリースの12thシングル「SPY」のC/W曲。美しいメロディーが展開されたバラードナンバー。淡々と進んでいくが、サビは割と耳に残る仕上がり。キラキラとしたシンセが曲全体に渡って展開されている。
歌詞は花屋に転職した友人と会った時のことを振り返ったもの。創作か実話かはよくわからない。
友情を描きつつも人生訓についても語られた部分があり、後のライフソング的な要素を先取りした曲と言える。


「夏のスピード」は1992年リリースの5thシングル「もう恋なんてしない」のC/W曲。どこか懐かしい雰囲気を持ったミディアムナンバー。畳み掛けるようなサビはキャッチーかつ訴求力に溢れている。アレンジ面では笛のような音が随所に使われているのが特徴で、曲の持つ雰囲気を演出する。
歌詞は失恋を描いたもの。叙情的な描写が冴え渡った詞世界だが、槇原の真っ直ぐなボーカルがその切なさを高めている。
表題曲と比べると流石に地味だが、それでも割と好きな曲。長らく埋もれてしまっていただけに、今作で回収されて良かったと思う。


「CLASS OF 89」は1993年リリースの7thシングル「彼女の恋人」のC/W曲。繊細さを持ったメロディーが全体を通して展開されたバラードナンバー。切なくキャッチーにまとめられたサビに引き込まれる。サウンド面はそこまで主張せず、ボーカルを際立たせるようなアレンジとなっている。
歌詞は18歳の時の恋人(友人?)とのことを振り返ったもの。その人は来年に結婚するようで、それを知った主人公はその人と何も変わらない自らを比べて物思いに耽る。タイトルは「1989年の卒業生」といったところか。
実話なのかはわからないが、C/W曲らしいテーマの曲だと思う。


春の曲と夏の曲でテーマを定めたため、ある程度著名な曲を集めてはいるが、代表曲や人気曲で固めたような内容にはなっていない。これまでアルバム未収録で埋もれてきた数曲が回収されている点を含め、最初に聴くベスト盤というより、他の作品をある程度聴いてきたリスナー向けの作品だと思う。

★★★★☆