2021年が始まってもうしばらく経ってしまいましたが、2020年にリリースされたアルバムの中でも特にハマった作品について語っていきます。

それでは早速本題に入っていきましょう。


5位 彼女のサーブ&レシーブ「kanosare」
kanosare
彼女のサーブ&レシーブ
2020-12-12

彼女のサーブ&レシーブの2ndアルバム。福岡を拠点に活動する2人組アイドルユニットの作品。イロモノのようなユニット名ですが、楽曲にはとにかく恵まれています。シンセポップ、ネオアコ、ソフトロックなどの要素を感じさせる、良質で洗練されたアイドルポップの数々は素晴らしいものがあります。

また、Instant Cytronの名曲「STILL BE SHINE」がカバーされているのも見事な演出。2020年はこの曲を歌っていた片岡知子さんが亡くなった年だっただけに、そうした意味でもこの曲が響いてきます。


4位 WANDS「BURN THE SECRET」

WANDSの6thアルバムで、現在の体制となってからは初のオリジナルアルバム。

これまでの楽曲のカバーと現体制の楽曲とが混在する構成ですが、それでも気にならずに聴けてしまうのはボーカルの凄さと曲の良さのおかげか。今までのどの時代にも似ていない、この体制のWANDSだからこそできた作品だと思います。ただ、聴いているとまだ進化の余地を残しているような感じもします。それだけに、今後への期待も膨らむ一方。


3位 藤井風「HELP EVER HURT NEVER」




藤井風の1stアルバム。聴く前はタイトルの字面だけのインパクトが先行してしまう印象を持っていたのですが、いざ聴いてみるとタイトルだけでなく曲にも確かなインパクトを残してきました。
多彩なジャンルへのアプローチがされた曲やサウンドも自分好みそのものでしたが、歌詞やボーカルも印象的でした。どの曲も自由自在に日本語を操り、歌いこなしているような感覚があって、それが聴いていてとても心地良かったです。「何なんw」から「帰ろう」まで、その振り幅も凄まじい。


2位 竹内アンナ「MATOUSIC」
MATOUSIC (初回限定盤)
竹内アンナ
2020-03-18



竹内アンナの1stアルバム。竹内は「身にまとうことで、少しでも気分が上がるような音楽」を目指しているようで、タイトルはその姿勢を反映した造語と言えます。

ジャズ、ファンク、AOR、ヒップホップなど幅広いジャンルを消化して自分のものにしてしまう才能に圧倒されます。竹内の想いの通り、日常のありふれたシーンを輝かせてくれるようなお洒落な曲が揃っています。ここまでの作品を作られてしまったら、これからの活躍に期待するしかありません。


1位 無果汁団「マドロム」
マドロム
無果汁団
2020-08-07



無果汁団の1stアルバム。元blue marbleのとんCHAN・ショック太郎によるユニットで、ボーカルにみさきを迎えて制作された作品。2020年の曲なのにどこか懐かしさを感じさせる、まさに「ナツカミライ」な雰囲気に溢れた名盤。ボーカルのみさきのふわふわした歌声が80年代のシンセポップ系のサウンドによく合っていて、それが今作の聴き心地の良さに繋がっているように思います。その中でも全体にひねくれたポップ感があり、この手のシンセポップが好きな自分にはこれ以上無いほどうってつけな作品でした。



【番外編】


The 1975「Notes on a Conditional Form」
仮定形に関する注釈
THE 1975
2020-05-22



The 1975の4thアルバム。全22曲で収録時間80分というかなりの大作。

様々なアプローチがされた曲が次々と畳みかけられる作品で、前述した長さもあって一つの作品としてのまとまりは全くありません。ただ、それでも楽曲の強さが圧倒的で心を掴まれます。歌詞に込められたメッセージの読解は他の方にお任せしますが、そういった面を抜きにしても単純にロック・ポップとして素晴らしい曲が揃った作品だと思います。


・YUKIKA「Soul Lady」


YUKIKAの1stアルバム。YUKIKAは韓国を拠点に活動する日本人歌手・女優・声優。80年代の日本のシティポップ・AORからの影響を強く感じさせる曲が並んだ作品です。韓国ではこの手の音楽が再評価されているようで、その流れを受けた作品と言えるでしょう。

言葉こそ韓国語メインなのでよくわかりませんが、メロディーやサウンドは前述したような音楽そのもので、その絡みが不思議とクセになります。


ランキングの数の都合上、泣く泣く割愛してしまったものもありますが、2020年はそれだけ他にも多くの素晴らしい作品に出逢えた年だったということで。今年も色々な作品を聴いていきたいと思います。