槇原敬之
1997-11-27

【収録曲】
全曲作詞作曲編曲 槇原敬之
プロデュース         槇原敬之

1.うたたね ★★★★★
2.Fan Club Song ★★★☆☆
3.Cleaning Man ★★★★★
4.モンタージュ ★★★★★
5.手をつないで帰ろ ★★★★☆
6.素直~Album Version~ ★★★★☆
7.情熱~Album Version~ ★★★★☆
8.印度式 ★ (判定不能)
9.僕のものになればいいのに ★★★☆☆
10.足音 ★★★★☆
11.Such a Lovely Place ★★★★★

1997年11月27日発売
1999年5月21日(SACD発売)
2007年1月24日廉価版再発
ソニー・ミュージック・レコーズ
最高位2位 売上約56.2万枚

槇原敬之の8thアルバム。先行シングル「素直」「モンタージュ」を収録。今作の発売後に「足音」がシングルカットされた。
当時槇原はデビュー以来所属していたワーナーミュージックを離れ、ソニー・ミュージック・レコーズへと移籍した。その第一弾のアルバムとなる。今までのオリジナルアルバムのプロデュースは木崎賢治が担当していたが、移籍に伴い今作からセルフプロデュースとなった。

全体を通してゆったりとした曲が多く、落ち着いたアルバムとなっている。暖かく優しい雰囲気もある。ちなみに、この頃が槇原の高音の全盛期と言える。何処から出ているのかと言いたくなるほどの美しい高音を堪能できる。

ネタではあるが、ジャケ写がかなりファンキーである。金髪のモヒカンという髪型の時点で相当に凄いものがあるが、さらにその姿に派手な服装の槇原が3人いる。ブックレットの写真でもリラックスムード漂う楽しそうな槇原の姿を見られる。少々取っ付きにくいジャケ写ではあるが中身は素晴らしい。


「うたたね」はタイトル通り眠くなってしまうようなゆったりとした優しい一曲。ピアノが中心となったサウンドが心地良い。老人がうたたねしながら昔のことを回想しているような歌詞が印象的。「ここが君のLovely Place」というラストの歌詞が好き。


「Fan Club Song」はネタ曲。遊び心溢れるアレンジがされている。恋愛をファンクラブに例えるという中々に斬新な歌詞が面白い。
「それはいりませんと断られても 特典で僕がついてくる」というサビ終わりの歌詞は満面の笑みの槇原の姿が浮かんでくる。


「Cleaning Man」はポップな曲。レストランの掃除屋さんを主人公にした歌詞。「恋人たちがこぼしていったパンくずと愛の言葉をほうきで集めよう」というサビの歌詞が素敵である。そんな主人公にもレストランで自分の恋人にプロポーズするという夢がある。曲もポップで聴きやすいが、それ以上にドラマチックな歌詞が好きだ。もう少し評価されても良い一曲。まさに隠れた名曲だと思っている。


「モンタージュ」は先行シングル曲。日本テレビ系ドラマ「恋の片道切符」の主題歌に起用された。イントロからキャッチーさを極めたようなメロディーである。何かと悟ったような雰囲気を持った曲が多いソニー時代の楽曲の中でもかなり一般受けしそうな一曲。歌詞は片想いしている男の気持ち。片想いの戸惑った感じと高揚感がよく伝わってくる。


「手をつないで帰ろ」は水族館でデートしているカップルを描いた微笑ましい一曲。中高生時代のデートの回想だと思われる。サビには関西弁の歌詞が出てくる。大阪出身の槇原ならではである。「僕らの日曜日は夏休みほど長くない」という歌詞には聴く度に共感させられる。恐らく舞台は海遊館だろう。


「素直~Album Version~」は先行シングル曲。アルバムバージョンとして収録されている。シングルバージョンはピアノの弾き語り一本のシンプルなサウンドだったが、このバージョンは音が足されていること、歌い回しが少し変わっていることなどの違いがある。地味ではあるが何かを訴えかけてくる雰囲気を持ったシングルバージョンの方が管理人は好きである。


「情熱~Album Version~」は「素直」のC/W曲。槇原の楽曲では珍しいファンクテイストの一曲。タイトルの「情熱」を感じさせるような歌詞でもメロディーでも無い。何とも不思議な曲である。アルバムバージョンはシングルバージョンと比べてサウンドが複雑に、アクが強くなっている。よくわからないが中毒性がある一曲。アクが逆に心地良いのだろうか?


「印度式」は槇原史上最も奇妙な一曲。ホルモン注射、脱毛等美容に目覚めてしまった男を描いた曲。サウンドはテクノ系。意味のわからないラップやセリフが盛り込まれている。ファンでも初めて聴いた時はドン引きしてしまったと思われる。これを出した直後にクスリで逮捕されていたら間違いなく怪しまれていたはずだ。当時ヒットしていたSPEEDの「Body&Soul」の影響を受けたとか受けていないとか。しかし、異様な中毒性がある。評価のしようがないくらいとっ散らかった曲なので、評価は省略させていただく。聴くと評価しようとする気力も奪われる。


「僕のものになればいいのに」は「モンタージュ」のC/W曲。気だるい雰囲気の一曲。彼氏がいる女性に恋してしまった男の歌。槇原の楽曲では珍しい低音が多めの曲。曲はかなりゆったりしているため聴いていると眠くなってしまう。通して聴いていると飛ばすこともある。


「足音」は長野オリンピックの聖火リレーの公式応援ソングに起用された。今作発売後にシングルカットされた。静かな曲ではあるが力強さを持った一曲。「自分の信じる道を諦めずに進んでいけ」という趣旨の歌詞。まさに聖火リレーの応援ソングにはぴったりである。


「Such a Lovely Place」はタイトル曲。一つの物語の終わりを告げるような壮大なイントロから既に名曲を予感させる。ラブソングともライフソングとも取れる一曲。しかし、ラブソングとは言っても恋人に対してだけでなく、生きているもの全てへの愛を歌っているような印象がある。自殺してしまった槇原の友人に贈った曲だとされている。後半のギターソロでのフレーズは「うたたね」の一節が入っている。
管理人はタイトルを「愛がある場所」だと解釈している。


ヒット作ということもあり中古屋でよく見かける一作。槇原のオリジナルアルバムの中でもかなりの完成度を誇る。大きな愛や優しさに包まれたようなアルバムである。
聴いた方々それぞれの「Lovely Place」を見つけていただきたいと思う。

★★★★★