SING LIKE TALKING
2015-02-11

【収録曲】
全曲作詞作曲 藤田千章/佐藤竹善
5.作詞 Cat Gray,藤田千章 対訳 森田義信
6.作詞作曲 佐藤竹善
全曲編曲       SING LIKE TALKING
プロデュース Cat Gray

1.Seasons Of Change ★★★★★
2.Real Life ★★★★☆
3.Starting Over ~ありあまる想いで~ ★★★★☆
4.Skylark ★★★★☆
5.Forever ★★★★★
6.君の風 ★★★★★
7.Rendezvous ★★★★☆
8.Spirit Of Love(Sanctified Version) ★★★★★
9.Flame(Remix) ★★★★★
10.Speed ★★★★★
11.The Light Is You ★★★★☆

1997年5月28日発売
2015年2月11日発売(リマスターBlu-Spec CD2再発)
ファンハウス
Ariola Japan(2015年リマスター盤)
最高位4位 売上30.5万枚

SING LIKE TALKINGの9thアルバム。先行シングル「Spirit Of Love」「Speed」「Flame」「Seasons Of Change」を収録。

Cat Grayがプロデュースに参加した最後のアルバム。今作はこれまでのプロデュース作品の到達点のようになっており、ポップな曲が今までの作品よりも多いが、ロック色の強い曲も多くなっている。4年のブランクを経てリリースされた次作「Metabolism」でさらに激しいロックサウンドを響かせている。
今作リリース前の1996年にはSLT自身初となる武道館公演を果たした。その勢いのままに、演奏の面で充実した曲が並んでいる。ファンクやフュージョンの分野の実力派ミュージシャンを多数起用している。大村憲司、浅野祥之、神保彰、沼澤尚、小野塚晃 等…


「Seasons Of Change」は先行シングル曲。アルバムの始まりにしてはスケールが壮大過ぎる。ラストに持って行くのが一番合っているように思える曲。メンバーの藤田千章曰くタイトルは「悠久の時の流れの中での、人物や事象の様々な移り変わり(常識や価値観など)に対する詩的表現」という意味があるという。アメリカで主に使われているようだ。
「ぼくが生きてる今は一瞬にも足りない」「苦しさに揺らいでもよどみなく時間は過ぎ」等の歌詞に加え、「大地」「太陽」「地球」「氷の河」と自然の力をイメージさせるワードが並んでいる。自分が生きている意味を考えさせられるような大きなテーマの曲。しかし、最大の聴きどころは歌の部分終了後の2分半程度ある演奏。西村智彦の力強いギターが冴え渡る。管理人の好きなSLTの曲の中でもかなり上位に入ってくる。


「Real Life」は軽快なメロディーが心地良い一曲。途中の西村智彦によるギターソロが印象的。「星の数を数えるよりぼくらは空になろう」という歌詞が良い。全体通してとてもポジティブな歌詞である。藤田千章のシンセが陰で活躍している。


「Starting Over ~ありあまる想いで~」は「togetherness」辺りの雰囲気を持った曲。SLTのAORの王道と言える一曲。佐藤竹善の美しいファルセットが非常に心地良い。


「Skylark」はファンクのテイストが強いポップな曲。タイトルは鳥のヒバリを意味する。ホーンセクションが効果的に使われており、曲を彩る。ドラムは沼澤尚と神保彰のツインドラムとなっている。「Skylark」「Skywalk」「Skyline」等と韻が踏まれているのが印象的。


「Forever」はほぼ全編が英語詞の曲。歌詞の意味は理解できなくてもサウンドを聴くだけでも良いと思えるような曲である。歌詞カードには対訳が付けられている。この曲もホーンセクションが冴え渡っている。英語詞のためか佐藤竹善のボーカルがさらに格好良く感じられる。ラストの「命を刻め 動き出せ」という日本語の詞に圧倒的な力強さを感じさせる。


「君の風」はSLTには珍しい佐藤竹善の作詞作曲による曲。当時メンバー内でもかなりの大議論になったらしく、解散という話が出る程荒れてしまったようだ。作詞を佐藤竹善がすることは本人曰くバンドへの警告だったという。藤田千章の歌詞が形骸化してきているのではないか?という警告。曲や歌詞はとても爽やかで開放感溢れるものになっている。今作では唯一ストリングスが使用されている曲。


「Rendezvous」はSLTの王道と言えるAOR。恋人同士の夜をイメージさせる歌詞。「心が咽び泣いて震えていても君を離さないさ」という歌詞が印象的。優しく語っているような佐藤竹善のボーカルが美しく、心地良い。


「Spirit Of Love(Sanctified Version)」は先行シングル曲。武豊、佐野量子夫妻の結婚式のために作られた一曲。SLT最大のヒットシングルであり、一般的な知名度が最も高いと思われる。ピアノをメインにしたサウンドが特徴。後半からはゴスペルのような展開になる。外国人のゴスペルクワイアを多数起用し、感動的で厳かな曲にしている。
管理人がSLTの音楽を知るきっかけになったのもこの曲。初めて聴いた時は小学5年生の時で、全く良いとは思えなかったが高校生になって久し振りに聴いてみると凄く良い曲だと感じられた。そこからベストを入手してSLTの音楽を聴き漁っていった。


「Flame(Remix)」は先行シングル曲。ストレートなラブソングである。「胸の炎」というフレーズが印象的。恐らくそれがタイトルと繋がっているのだろう。「涙さえ枯れて行く程 燃えた瞳には安らぎの雨が降るよ きっと降らせるから」という歌詞が優しさに満ちている。


「Speed」は先行シングル曲。SLTには珍しいロックンロールサウンドが導入されている。佐藤竹善曰く「ひとつの異端的証明」。ロックンロールサウンドではあるが、違和感無く聴ける。一部ボーカルが加工されている。希望に満ちた歌詞とポップな曲調がとても爽やかである。途中のエレキギターソロが印象的。ベスト盤には収録されていないが、かなりの名曲だと思う。


「The Light Is You」は先行シングル曲。アルバムのラストにふさわしいロックサウンドの優しいラブソング。「僕の君への想いは胸を焼き尽くしても 燃える」という歌詞が印象的。


ヒット作ということで、中古屋では良く見かける一作。SLTのアルバムの中でもトップクラスでポップな内容のアルバム。とはいってもAOR、ロック、ファンク、フュージョン等様々なジャンルを組み込んだSLTならではの音楽は健在。SLTの歴史を通しても一つの到達点と言える作品だと思う。
最大のヒット曲「Spirit Of Love」が収録されているため、ライトリスナーにも聴きやすい。SLTの音楽に興味を持った方には是非とも聴いていただきたい。

★★★★★