小沢健二
1996-10-16

【収録曲】
全曲作詞作曲編曲  小沢健二
オーケストラ編曲  服部隆之
プロデュース          小沢健二

1.ブルーの構図のブルース ★★★★★
2.大人になれば ★★★★★
3.Alé? 省略
4.ホテルと嵐 ★★★★☆
5.すぐに会えるかな? ★★★☆☆
6.旅人たち ★★★★★
7.球体の奏でる音楽 ★★★★★
8.みんなで練習を 省略

1996年10月16日発売
2002年2月6日再発
東芝EMI
最高位1位 売上35.5万枚

小沢健二の3rdアルバム。先行シングル「大人になれば」を収録。前作「LIFE」から2年2か月振りのアルバムリリースとなった。最高位は1位を獲得。小沢が今作以外に1位を獲得したのはシングル、アルバムを含めて後にも先にも無い。

前作「LIFE」ではブラックミュージック色の濃いポップスが展開されていたが、今作はジャズに寄った曲が多い。ジャズピアニストの渋谷毅、ジャズやフュージョンでのベーシストとして活躍した川端民生が参加している。

今作の収録時間は26分程度ととても短く、なおかつ非常に短い曲が2曲あるため、実質6曲と言っても良い。ミニアルバムくらいのボリュームである。何とも力の抜けたイメージのアルバムだが、とても気軽に聴くことができる。


「ブルーの構図のブルース」はアルバムのオープニング曲。都会を離れ、夜行列車に乗って広島の尾道に行く主人公が描かれている。主人公は小沢自身だろうか。外は雨が降っているが、景色はいつもより美しく見えるのだろう。
「ああ川の流れのように 生きられたらいいなと思う」という歌詞が印象的。美空ひばりのような境地に達したのだろう。終始流れる、渋谷毅による穏やかなピアノが心地良い。


「大人になれば」は先行シングル曲。「ワンカップ大関」のCMソングに起用された。このCMは小沢自身も出演し、田村正和と共演した。童謡のようなイントロが印象的。
「何千の色 町の上を流れる 何十年も時がゆっくりと進む 僕らは歩くよ どこまでも行くよ」というフレーズは生きていくことについて考えさせられる。この曲もピアノが前面に出たサウンドになっている。ホッと落ち着かせてくれるような、「大人」なサウンドである。


「Alé?」は小沢が「あれっ?」と連呼するだけの18秒程度の非常に短い曲。小沢は「あれっ?」という言葉の語感が気に入ったのだろうか?とりあえず聴き流すだけで良いだろう。


「ホテルと嵐」はスウィング・ジャズテイストの一曲。囁くような小沢のボーカルがこの曲の雰囲気を彩っている。段々と迫ってくる、嵐のようなオーケストラやベースの音が印象的。


「すぐに会えるかな?」は世間が思う「オザケン」像の一曲。前作にも収録されていても違和感が無いようなポップな曲。木琴の音が使われており、とてもほんわかした可愛らしいサウンドになっている。歌詞もNHKの「みんなのうた」に起用されていそうな感じ。このアルバムの中では浮いている印象がある。


「旅人たち」はハープを中心としたサウンドでしっとりと聴かせる一曲。ここまでの流れを落ち着けてラストに向かっていくような雰囲気がある。「過去と未来」がこの曲の歌詞のポイント。人は誰もみな、過ぎていく時の中にいる「旅人」ということを実感させられる。曲は次の「球体の奏でる音楽」と同じで、演奏は別アレンジで行っている。


「球体の奏でる音楽」はタイトル曲。インストである。「球体」は地球のことだろうか?何とも安らぎのある音。色々なものを包み込んでくれるような安心感がある。それこそが「球体の奏でる音楽」なのだろう。


「みんなで練習を」は練習風景を録音した曲?曲と言うのも何か違う感じもするが… とりあえず、和気藹々として楽しそうな感じが伝わってくる。


ヒット作ということもあり、中古屋ではかなり見かける一作。前作「LIFE」に慣れていると中々に違和感があるかもしれない。管理人はジャズと言うと堅苦しいイメージがあったが、とても心地良く、聴きやすいものだと感じることができた。しかし、まだこのアルバムの世界観が完全に理解できていないのは事実。管理人ももう少し歳を取れば今作をもっと名盤だと思うようになるのかもしれない。

★★★★☆