佐藤竹善
2007-06-20

全曲作詞作曲編曲 佐藤竹善
プロデュース         佐藤竹善
5.作詞作曲編曲 PLUS ONE
6.作曲 Face 2 fAKE
8.作詞作曲 Franciz and Lepont 日本語訳詞 佐藤竹善
10.作詞作曲 岡野宏典・佐藤竹善


1.Watchin'You,Watchin'Me ★★★★★
2.Hey!! ★★★★☆
3.純水~しずく~ ★★★★★
4.In a Beautiful Seed~種~ ★★★☆☆
5.カオ上げて(PLUS ONE) ★★★★★
6.潮騒通り★★★★☆
7.風模様 ★★★★☆
8.音のない音 ★★★★☆
9.花笑み ★★★★☆
10.届いたらいいな~Gratitude~ ★★★★★

2007年6月20日発売
ユニバーサルミュージック
最高位22位 売上不明

佐藤竹善の3rdアルバム。先行シングル「Hey!!/届いたらいいな~Gratitude~」を収録。同年3月28日リリースのシングル「FOUR WORLDS」収録の「カオ上げて」も収録されている。前作「Okra」以来1年7カ月ぶりのリリースとなった。初回盤はDVD付属。

「カオ上げて」はPLUS ONEという名義の楽曲になっている。PLUS ONEは佐藤竹善と小田和正のユニット。佐藤は小田の楽曲やライブでバックコーラスを担当していることでも知られている。その縁があったのだろう。元々は1996年に結成している。現在このユニットでの活動は行っていない。

佐藤竹善と言えばSING LIKE TALKINGのボーカル、キーボード、ギターとして活躍しているが、1995年からはソロでも活動を始めている。主な活動は本人が影響を受けた邦楽、洋楽のカバー。「CORNERSTONES」と銘打ったシリーズ。ソロでもオリジナル曲のアルバムを3作発表している。

今作ではプリプロダクションを佐藤の自宅スタジオ「DEN LABORATORY」で行ったという。ミックスはメンフィスで行っている。新たな試みである。

タイトルについては「青は藍より出でて藍より青し」という故事が基になっている。元々の意味は「弟子が師匠の学識や技量を越えること」。これを佐藤竹善自身に当てはめると、「自らが敬愛するアーティスト、音楽を基にし、より進化していく」という感じになる。そのような姿勢を表現したタイトルということになる。

今作は雑誌『ADLIB』の評論家選定ADLIB AWARD2007で国内、総合共に最優秀作品賞を獲得している。


「Watchin'You,Watchin'Me」は今作のオープニング曲。お洒落で格好良い雰囲気漂うソリッドなロックテイストの曲。英語詞が多めな歌詞。間奏のギターソロが非常に格好良い。この曲を始め、今作収録曲の一部のギターは今作リリース同年の4月に亡くなった浅野祥之さんが演奏している。塩谷哲のピアノとギターが終始サウンドを牽引している。


「Hey!!」は先行シングル曲。シングルらしいポップな曲調。晴れ渡る空の下で聴きたくなるような、とてもポジティブな内容の歌詞になっている。「誇れる喜びなら、揺さぶられて分かち合えるだろう」という歌詞が印象的。サウンド面はキーボードが前面に出ている。


「純水~しずく~」は佐藤のピアノの弾き語りが中心になったポップな曲。優しさ漂う曲になっている。サビの少々詰め込んだイメージの歌詞が印象的。タイトルは涙を表現している。悲しい時には泣けば良いという優しいメッセージが込められている。歌詞と佐藤のボーカルが一体になって、聴いている人を包み込むような雰囲気がある。


「In a Beautiful Seed~種~」は佐藤のギター弾き語りとピアノがメインになった曲。サビではストリングスも使われている。静かに盛り上がっていく雰囲気がある。朝、目覚めた時に聴きたくなる感じ。とても美しい曲である。「強く叫んでよ 君の中にある幾千の言葉」というサビのフレーズは力強さに満ちている。佐藤のボーカルも非常に力強い。


「カオ上げて(PLUS ONE)」は佐藤竹善も小田和正とのユニット「PLUS ONE」名義で発表された曲。佐藤製薬のストナリニのCMソングに起用された。メインボーカルは佐藤竹善、バックボーカルは小田和正、スキマスイッチの大橋卓弥が担当している。とにかく優しい雰囲気溢れるラブソングになっている。歌詞の内容が何となく小田和正っぽい。「今日もどこかで」を彷彿とさせる感じ。コーラスのハーモニーが非常に美しい。流石は小田和正と言ったところ。


「潮騒通り」は音楽ユニットのFace 2 fAKEとコラボした曲。R&B色の濃いバラードになっている。サウンド面だけだと初期のEXILEっぽい。どうやらFace 2 fAKEは初期のEXILEの楽曲を多く作曲しているようだ。その雰囲気はそのためなのかもしれない。歌詞は懐かしいイメージのものになっている。R&Bもしっかり歌いこなす佐藤竹善の幅の広さには驚かされるばかりである。


「風模様」はピアノが中心になったサウンドが展開された曲。『王様のブランチ』のエンディングテーマに起用された。サビの開放感溢れるメロディーが印象的。「目を逸らしていた正体を 隠していた闇に見つけたって それも悪くないさ 見つめたことで確かになる」というフレーズが好き。この曲もポジティブで力強いメッセージが込められている。


「音のない音」は洋楽カバー。日本語訳詞は佐藤自らが担当した。原曲は全く聴いたことが無いが、Franciz and Lepontというアーティストらしい。民族音楽的なアレンジがされており、国際色ある雰囲気の曲になっている。「愛の自由も知らぬまま眠る天使も 世界中の寝顔も微笑むように」というラストのフレーズが印象的。スケールの大きな曲である。


「花笑み」はキーボードの弾き語りをメインにしたサウンドが展開された静かな曲。日経新聞のCMソングに起用された。サウンドよりも佐藤竹善のボーカルを聴かせるような曲になっている。「花」について描かれた歌詞。「まだ明けない友の夜にも 寄り添う花」という歌詞が印象的。


「届いたらいいな~Gratitude~」は先行シングル曲。岡野宏典とコラボした。岡野宏典はバックコーラスとして参加している。ラストにふさわしい壮大さを感じさせる曲。佐藤の歌唱力に圧倒される。「阻まれたような自由のない日々がいつも 研ぎ澄まされた夢をつくる」という歌詞が印象的。ストリングスもサビで使われており、曲の壮大なイメージをさらに高める。


中古屋ではあまり見かけない。全体的に明るい内容の曲が多めで、とても聴きやすい。今までの作品よりもAOR色が濃く、佐藤竹善の本家であるSING LIKE TALKINGを彷彿とさせる曲もある。深みを増した佐藤竹善のボーカルを味わえる。3作ある佐藤竹善のソロのオリジナルアルバムでは今作が一番好き。

★★★★★