MY LITTLE LOVER
2001-05-16

【収録曲】
全曲作詞作曲編曲 小林武史
6.7.作曲 藤井謙二
プロデュース       小林武史

1.Topics ★★★★☆
2.新しい愛のかたち ★★★★☆
3.未来ボリビア ★★★★☆
4.日傘~Japanese beauty~ ★★★★☆
5.赤いグライダー ★★★★★
6.アスプレイ~晴れた日の空に~ ★★★★★
7.BABEL'S TOWER ★★★★☆
8.Like an onion ★★★☆☆
9.午後の曳航 ★★★★☆
10.Shooting star~シューティングスター~ ★★★★☆
11.アシタ ★★★☆☆
12.その問題 ★★★★★
13.A wonderful life ★★★★☆

2001年5月16日発売
2008年5月1日再発
トイズファクトリー
avex trax(再発盤)
最高位4位 売上8.1万枚

My Little Loverの4thアルバム。先行シングル「Shooting star~シューティングスター~」「日傘~Japanese beauty~」を収録。前作の企画ものアルバム「The Waters」からは約2年4ヶ月振りのアルバムリリースとなった。売上は久し振りのリリースだったせいか、10万枚割れ。

今作発売時には、ジャケ写にも写っている「TOPICS」という新聞のようなフリーペーパーが配布された。インタビュー記事がメインの内容だったという。

小林武史は今作について「これまでのマイラバで最高のアルバムができた」と語っていた。前述のフリーペーパーでは、坂本龍一が「これは金字塔」と絶賛していた。
ちなみに、ギターの藤井謙二が作曲した曲が2曲ある。これはここまでで最多。しかし、藤井謙二は次作のベスト盤「singles」をもってMy Little Loverを脱退。今作が藤井謙二在籍時代最後のオリジナルアルバムとなった。


「Topics」は今作のオープニングを飾るタイトル曲。気だるい雰囲気溢れるミディアムナンバー。目覚めて、寝ぼけたままニュースを見ているような気分になる曲。「スティービーの名作の30年近くも前のアルバムのオープニング」というフレーズがあるが、これは1976年発表のスティービー・ワンダーのアルバム「Songs in the Key of Life」のオープニング曲「Love's in Need of Love Today(邦題「ある愛の伝説」)」のことだと思われる。この曲のサビは「愛が足りない」と言った旨の歌詞だが、これは「ある愛の伝説」と同じような内容。ニュースキャスターのような視点で、リスナーに「愛が足りない」とメッセージを送る。


「新しい愛のかたち」は「Shooting star~シューティングスター~」のC/W曲。サビまでは打ち込みのようなサウンドで進んでいき、サビからはバンドサウンド全開になるという構成。独特な疾走感がある。サビの「あたらし~ぃ↑」と言った感じの少し気の抜けたAKKOの歌い方がやたら耳に残る。


「未来ボリビア」は不思議な響きのタイトルがインパクト抜群な曲。ボサノバのような、軽快な感じのサウンドになっている。サウンドだけ聴いていれば南米の民族音楽に聴こえなくもない。ふわふわしたAKKOのボーカルが映える曲である。結局「未来ボリビア」とはどのような都市なのだろうか?


「日傘~Japanese beauty~」は先行シングル曲。「カルピスウォーター」のCMソングに起用された。シングルバージョンと比べてイントロが長くなっており、アルバムバージョンと言える。あまり売上は良くなかったが、マイラバの王道と言える爽やかなポップス。夏の情景が浮かぶような曲。「夏の陽が何故か センチにさせるのは 強すぎる その光り 心だけ 取り残すから」というフレーズが印象的。一番気になるのはタイトル。もう少しお洒落な感じにならなかったのだろうか?


「赤いグライダー」は「白いカイト」のアンサーソングと言われている曲。とは言ってもあまり似てはいない。こちらは全体的にギターサウンドが前面に出た印象。透明感あるAKKOのボーカルが冴え渡っている。サビは割と低め。「夕暮れは時々心に痛い その無邪気な美しさと悲しさ」というフレーズが印象的。夕暮れの赤色と赤いグライダーを重ねて描いていると解釈している。


「アスプレイ~晴れた日の空に~」は藤井謙二作曲による曲。サウンドも歌詞も明るく、元気なイメージのもの。サビでは跳ね上がるような感じになっている。かなりキャッチーなメロディーになっている。管理人はずっとこの曲のタイトルが気になっていた。「アスプレイ」って何だよと。「明日への祈り」を意味する造語か?等と考えていた。調べてみるとタカの一種の「ミサゴ」の英語名なのだという。それを別の読みで言うと色々と話題の「オスプレイ」。晴れた日に、青空を見ながら聴きたくなる曲。


「BABEL'S TOWER」も藤井謙二による作曲。不安定なイメージの電子音とモヤモヤしたギターが前面に出たサウンド。ロック色が強い。サビはとてもキャッチーなメロディーになっている。Bメロでの、酔っ払っているような、投げやりな感じのAKKOの歌い方が印象的。サウンド面がかなり好き。


「Like an onion」は前の曲から繋がって始まる曲。ギターを中心としたバンドサウンドが展開されている。しかし、これといって盛り上がる場面がある訳でもない。曲名がよく分からない。歌詞の中に玉ねぎを思わせるフレーズは一切出てこない。あまり印象に残らない曲。


「午後の曳航」はエレピや打ち込みをメインにしたサウンドが心地良い、ゆったりとした曲。ふわふわした曲調と囁くようなボーカルで、聴いていると眠くなる。AKKOのギリギリな裏声を堪能できる。アルバムの流れを調節するような役割の曲だと思う。


「Shooting star~シューティングスター~」は先行シングル曲。日本テレビ系ドラマ『FACE~見知らぬ恋人~』の主題歌に起用された。マイラバ王道のバラード。サビが地味な印象が否めない。サウンドはシンセ等をメインにした幻想的な雰囲気あるもの。ギターも主張している。これまたタイトルが気になる。サブタイトルは必要なのだろうか?


「アシタ」は2分47秒程度の短い曲。モヤモヤしたサウンドが展開された、とてもスローなバラード。この曲もアルバムの流れを調整する役割の曲だと思われる。次の曲へはほぼ曲間無しで繋がっている。


「その問題」はここまでの流れを変えるようなポップな曲。男女の出逢いをテーマにした歌詞。ギターリフが前面に出たサウンドがとても爽やか。今作の収録曲の中では最もロック色が強いサウンド。この曲最大の特徴はAKKOのボーカル。甘えたような、ぶりっこな感じのボーカルである。いつもそんな感じだろと突っ込む方がいらっしゃるかもしれないが、特にその印象が強いボーカルである。サウンドとボーカルの落差のせいか、意外にハマれる曲。


「A wonderful life」は今作のラストを飾るバラード。これまでのアルバムのラストは壮大なサウンドが印象的な曲が多かったが、今作はそこまで壮大な感じは無い。軽快な曲調で進んでいく。「素晴らしい日々とは何か」というテーマの歌詞。日常にフォーカスを当てた内容になっている。「いつもひとりきり だけどいつもひとりじゃない」というフレーズが印象的。


中古屋ではそこそこ見かける。この曲!と言った感じの圧倒的な存在感を放つ曲は無いが、全編通して王道なイメージのポップスが展開されている。アルバム全体のまとまりも比較的良い。ただ、何となく地味な印象が否めないのである。ヒット曲が無いのもその原因かもしれない。しかし、意外とハマれるアルバム。その地味さが何度も聴きたくなる不思議な中毒性を生んでいるのかもしれない。

★★★★☆