佐藤竹善
1999-12-01

【収録曲】
全曲作詞作曲編曲 佐藤竹善
10.作詞 Conner Reeves 作曲 Graham Lyle
3.9.編曲 佐藤竹善&岸村正実
10.編曲 Cat Gray
プロデュース Cat Gray&佐藤竹善

1.僕が希むしあわせの形 ★★★★☆ 
2.WIND OF CHANGE ★★★★★
3.BACK IN LOVE -Album Mix- ★★★★☆
4.ECHOES(for every mother's son) ★★★★☆
5.夢みたものは ★★★★☆
6.WHAT MORE CAN I TELL YOU ★★★☆☆
7.LET ME IN ★★★★☆
8.MY HUMBLE WITH ★★★★☆
9.十三夜の月 -Album Mix- ★★★★★
10.EARTHBOUND ★★★★★
↓初回盤のみ収録のボーナストラック
11.WHAT MORE CAN I TELL YOU-2&4 MIX- ★★★★☆
12.LET ME IN -A HUNDRED BIRDS VOX MIX- ★★★☆☆

1999年12月1日発売
ユニバーサルビクター
最高位6位 売上7.9万枚

佐藤竹善のソロ1stアルバム。先行シングル「十三夜の月/BACK IN LOVE」「WIND OF CHANGE」を収録。初回盤はスリーブケース入りでボーナストラック2曲を収録。

佐藤竹善はSING LIKE TALKINGのボーカルとして活動してきたが、1995年にソロ活動を始めた。ソロとしてのメインの活動は邦楽、洋楽のカバー。「CORNERSTONES」と銘打ったカバーアルバムのシリーズがある。純粋なオリジナル曲のアルバムは現時点で3作あるが、今作はその1作目。

プロデュースにはSLTの方でも活躍したCat Grayが参加している。SLTでの徹底的に作り込まれたサウンドとはまた違った魅力を持ったサウンドメイキングがされている。作詞は佐藤自らが行っており、SLTの藤田千章による難解なイメージの歌詞とは異なる印象がある。


「僕が希むしあわせの形」は今作のオープニング曲。アコギが中心になった比較的シンプルなサウンド。このアコギは佐藤自らが演奏している。サビはキャッチー。「僕が希むしあわせは この今をはじまりのように うまれたてのよろこびと 感じれるように」というサビのフレーズが印象的。SLTにはこのようなテーマの曲は無かったので新鮮なイメージがある。


「WIND OF CHANGE」は先行シングル曲。TBS系ドラマ『ヤマダ一家の辛抱』の挿入歌に起用された。佐藤竹善ソロとしてのシングルでは最も売れた。疾走感溢れるポップロックになっている。サウンドもさることながら佐藤の透明感のある歌声も素晴らしい。タイトルは「変化への動き」という意味がある。何かが変わるような予感に満ちた曲である。


「BACK IN LOVE」は先行シングル曲。「十三夜の月」とは両A面シングルだった。アルバムバージョンでの収録。打ち込みが多用されたファンクテイストの曲。ファンクはSLTの得意なジャンルの一つだが、打ち込みが多用されているのはソロならではの特徴。終始淡々と進んでいく。佐藤の力強いボーカルがこの曲の世界を彩る。「掴み取れる事が見えていたのは 初めから君だけで 今、辿る場所に逢えたから」というフレーズが印象的。


「ECHOES(for every mother's son)」はしっとりと聴かせるポップナンバー。この曲もアコギが目立つサウンドになっている。サックスも使われている。優しさ溢れる歌詞が展開されている。親子の愛を思わせる歌詞である。「流れる静寂の中に響くのは ずっと温めていたいくつかのメロディー そう 今は君のためだけの夢に変え ただ今手渡すのさ 受け止めてくれるだろうか」というラストの歌詞が印象的。


「夢みたものは」は王道と言えるバラード曲。前の曲からはそのまま繋がって始まる。アコースティックなイメージのシンプルなサウンド。ボーカルを聴かせるイメージのサウンドである。「少しずつでもこの空を見て 触れられるだろう 無情の先を」という歌詞が印象的。過去を忘れてこれからを生きていくことへの勇気をくれるような優しい歌詞が展開されている。


「WHAT MORE CAN I TELL YOU」は浮遊感のあるサウンドが心地良いR&Bナンバー。エレピの音が前面に出ている。コーラスにはSkoop On SomebodyのTAKEが参加している。夜をイメージさせるラブソング。「ぼくに満ち始めた力は 落ちた滴さえ真珠に変える」というフレーズが印象的。曲調や歌詞はSLTにもありそうなものだが、サウンド面はソロらしく打ち込みが多め。


「LET ME IN」は前の曲と同じようなR&Bナンバー。通常のピアノ(アップライトピアノ?)とエレピの音、両方が前面に出ており、独特な浮遊感を生み出している。シタールも使われている。R&Bが流行り始めた今作リリース当時のことを思わせるようなサウンドである。この曲もコーラスにSkoop On SomebodyのTAKEが参加している。コーラスだがかなり存在感がある。「はしゃぎすぎた時は亡骸のよう」というサビ終わりのフレーズが印象的。


「MY HUMBLE WISH」は爽快感溢れるポップな曲。ポジティブなイメージの歌詞が展開されている。「さあ 窓を開け放して 今日はなにか違う? ウザイ前向きさもきっかけにはなるだろう」というフレーズが好き。朝に聴きたくなるような爽やかさがある。佐藤のボーカルもこの曲の爽やかな雰囲気を彩っている。タイトルは「私のささやかな願い」と言った感じの意味だと思われる。


「十三夜の月」は先行シングル曲。『世界・ふしぎ発見!』のエンディングテーマに起用された。「BACK IN LOVE」とは両A面シングルだった。アルバムバージョンでの収録。終始アコギがバックで聴こえるシンプルなサウンド。美しさの中に儚さも感じさせるメロディーと歌詞。恋人への心を「十三夜の月」に例えている。いずれ満月のように想いが満ちるのだろう。「清廉な光だと信じていたのは 偽の花びらだと気づいた 重すぎた鎧に囚われずに歩きたい」というフレーズが印象的。


「EARTHBOUND」は全編英語詞の曲。コナー・リーブスの楽曲のカバー。原曲は全く知らないが、佐藤の英語の発音の上手さに驚かされる。しっとりと聴かせるバラード曲。対訳を見ると、とてもストレートなメッセージが綴られたバラードのようだ。昔の恋人のことを想っている内容の歌詞。


「WHAT MORE CAN I TELL YOU -2&4 MIX-」は6曲目のリミックスバージョン。元のバージョンと比べるとロック色の強い感じのサウンドになっている。管理人はどのアーティストでもリミックスものはあまり好きな人間ではないが、このバージョンは元のバージョンよりも好き。


「LET ME IN -A HUNDRED BIRDS VOX MIX- 」は7曲目のリミックスバージョン。クラブでかかっていそうな感じのサウンドになっている。元のバージョンよりも2分近く引き伸ばされている。この手の引き伸ばしたようなリミックスはあまり好きではない。


ヒット作ではないが中古屋ではそこそこ見かける。佐藤竹善のソロということで、メインのSLTとは違った魅力を持った楽曲が展開されている。シンプルで普遍的なメッセージを持った歌詞や佐藤自らによるアコギが使われていることなどが主な違いだろうか。SLTの王道と言えるようなAOR系の楽曲はあまり無い。ある程度SLTの楽曲を聴いて、ソロの楽曲に興味を持ったら聴くべき作品。

★★★★☆